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第3章 商都地変編
第61話 聖騎士協会
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場面は移り変わり、ここは高級住宅区の中心に教会の形を模した大きな建物が建てられている。建物の中央には十字架のシンボルが大きく埋め込まれたその建物こそ、正に聖騎士協会のウッサゴ支部であった。バルバドス国に本部を置いている聖騎士協会は総勢数百人の騎士達から成り立つ自警団である。自警団ではあるがこの世界の正式な司法団体として広く活動している。主な活動内容は国内の治安維持、魔物討伐、傭兵など仕事内容も幅広い。ギルドと違うところは給料が国から支給されるという点である。ギルドは自ら仕事を見つけて依頼をこなし、その報酬を得る為収入の波が不安定だが聖騎士達は安定した収入を期待することが出来る。なので、聖騎士協会に入るには初級クラスの騎士に転職し、優秀な能力を示さなくてはならないエリート機関なのだ。そんなエリートを本部へ集め、その中の第1大隊がここに住み込みで働いているのだ。
そんなウッサゴ支部内から物語は始まる。
綺麗に整頓された書類が乗っている机の前で優雅に紅茶を飲んでいる銀髪の男と部屋の中央にあるテーブルにティーポットを乗せて鼻歌を歌いながら紅茶を作る水色ハーフアップの髪型をした女性がいた。
「いかがでしょうかウォルター様?」
「上手いな……アイギスの入れる紅茶は私を冷静にさせてくれる」
「うっふふふふ……お世辞がお上手ですこと♪ では、私も一口頂きます」
この紅茶を飲んでいる男こそ、聖騎士協会部隊長である”神の加護を受けし者”と呼ばれる実力者、”神聖騎士”ウォルターである。そして、その近くにいる女性は聖騎士協会”魔法騎士”アイギスであった。
アイギスが一口紅茶を飲むと「おいしっ♪」とはにかむ。2人が午後の紅茶を楽しんでいると部屋の扉が開き、2人の人間が帰ってきた。
「ご苦労だったな、クラリス、パウロ」
「はっ! 私クラリス! 無事に調査をこなして帰って参りました!」
「ウォルター……優雅に紅茶を飲める余裕はあるみてぇだな……」
現れたのは小柄ながらも聖騎士特有のプラチナアーマーを着こなし、手には聖騎士協会のシンボルである十字架が埋め込まれたアイアンシールドを腕に付け、鋭利なレイピアを腰に差した金髪ポニーテールの副隊長、”聖騎士”クラリスと身長2m超えの大柄体型で身体全体フルプレートメイルに包まれた身体と背中に自身の身体くらいの大きさがある大剣を身につけた、右目に古傷を付けているスキンヘッドの男、”重騎士”パウロだった
2人は都内で最近の噂の聞き込み調査から帰還したところであった。
「私も貴族様達のわがままを聞くのに忙しいのだ。……それで、どうだったんだ? 報告しろ」
「は、はい! えっとえっと……」
クラリスは懐から紙を取り出すとそれを眺めながらウォルターに向けて報告を始めた。
「この高級住宅区一通りと一般住宅区、商店区の方で聞き込みしてきたのですが……商店区、一般住宅区から得られた情報は特になく変わったことはありませんでした。高級住宅区に住む貴族の方々からは怖いから速く解決してくれと言う不安を口にしている人や、聖騎士協会への不平不満を仰っておりました……」
「なるほど……他に何かあるか?」
「いえ……以上になります」
クラリスはもじもじと申し訳なさそうに俯く。クラリスが俯くのも当たり前だ、ここ最近、このような情報ばかりで有益な情報を得られていないのだ。つまり、今回の事件において、あまり進展していないのが聖騎士協会の今の現状であった。
「てことわぁ~~まぁた進展なしって感じかしら♪」
アイギスが笑顔でそう言う。
「たく……この都市で色々起こってるって言うから住み込みで働いてるんだぞ……ここにいる貴族は全部俺たち任せだ。それに、聞き込み調査自体もう意味ねぇ物になってきてそうだしよぉ! おい、隊長どうすんだ?」
パウロの言葉に対してウォルターはゆっくりと紅茶を飲んでみせる。まるで余裕そうな表情にパウロが歩み寄り、ウォルターのデスクを力強く叩いた。
「きゃっ!?」
ドンッ! という大きな音に驚いて尻餅をつくクラリス。あらあらと口に手を当てているがどこか楽しそうなアイギス。
そして、表情1つ変えないウォルターとそれに対して怒りの表情を見せるパウロ。パウロの毛のない頭に血管が浮き出ていた。
「おい! ウォルター! お前がこの聖騎士協会屈指の実力者なのはこっちも分かっている! だが、これ以上無駄な情報収集をしても時間の無駄だろうが!! ここに来てから何日経ってると思ってやがる!! 手がかり0だろう!! 何か考えがあってやってるのか!? それとも何もないのか!?」
パウロの罵声によって少しの間この空間に静寂が訪れる。そして、次に口を開いたのはクラリスだった。
「す……すいません!! わ、私が……私が副隊長なのにもかかわらず仕事が出来ないせいでウォルターさんに責任が行ってしまってるんです!! ほ、本当にごめんなさい!!」
クラリスはパウロとウォルターに向けて深々と頭を下げた。
パウロはふんっ! と鼻を鳴らして部屋から出て行ってしまった。
そして、泣きそうになっているクラリスにアイギスは歩み寄り、クラリスの頭を優しく撫でた。
「大丈夫よ~~あなたはしっかりと職務を全うできているんだから。貴女のせいじゃないわよ? まだ、この部隊に配属されて間も無いんでしょ? 頑張っていきましょ? ね♪」
ウォルターの部隊が出来たのはここ最近だったため、部員補助としてクラリスは連れてこられたのだ。元々、ウォルターの所属していた部隊がとある事故で隊長と副隊長がいなくなってしまったのだ。そこで、ウォルターが隊長となり、前の部隊を引き継ぐような形で新たな部隊を設立したのである。
クラリスは聖騎士協会内で飛び抜けた才能を発揮しており、新人試験では首席で合格し、職業(ジョブ)も騎士から飛び級して聖騎士に成るなど、彼女の実力を知った協会側はクラリスを新人で有りながらもこの部隊の副隊長に任命したのだ。
「は、はい! ありがとうございますアイギスさん!!」
「頑張ってね、新人副隊長さん♪」
そう言いながら、アイギスはクラリスの背中を優しく押しながらウォルターの前に連れてきた。
「さあウォルター様、自慢のお弟子ちゃんが帰ってきましたよ?」
協会側はクラリスの新人指導にウォルターを任命したのである。ウォルターも協会内ではトップクラスの実力を持っている。協会側はそのエリート中のエリートである彼に、エリートであるクラリスの指導をまかせたのだった。しかし、ウォルターは断固拒否をしたのだが、長年の相棒であるアイギスが勝手に承諾してしまったのでしょうが無く面倒を見てやっている。
「ウォ……隊長?」
ウォルターはティーカップをデスクに置くと席から立ち上がり、クラリスの前に立つ。
「お前の責任ではない……安心しろ。パウロはせっかちで短気なのだ。許してやってくれ」
「いえいえ!! そんな、大丈夫です!!」
クラリスのリアクションに笑顔で受け答えるウォルターに対して、クラリスは少しだけ照れたように顔を赤してもじもじしていた。
そんな最中、出て行ったはずのパウロが血相を変えて息を切らしながら部屋に入ってくる。
「はぁはぁ……ウォルター! あ、あいつが! あいつが来ちまった!!」
「……とうとう来たかフェルメル……客人をここへお連れしろ」
そう……アポイントも取らず、嵐のようにやって来るのはこの町で1人しかいない……この都市の大富豪、”女公爵”フェルメルだった。
聖騎士協会の玄関先では、豪華な装飾が施された道を塞ぐほど大きい馬車の中でフェルメルが大きな扇を口元に当てながら協会のシンボルを目元だけでにやりと笑い眺めていた。
そんなウッサゴ支部内から物語は始まる。
綺麗に整頓された書類が乗っている机の前で優雅に紅茶を飲んでいる銀髪の男と部屋の中央にあるテーブルにティーポットを乗せて鼻歌を歌いながら紅茶を作る水色ハーフアップの髪型をした女性がいた。
「いかがでしょうかウォルター様?」
「上手いな……アイギスの入れる紅茶は私を冷静にさせてくれる」
「うっふふふふ……お世辞がお上手ですこと♪ では、私も一口頂きます」
この紅茶を飲んでいる男こそ、聖騎士協会部隊長である”神の加護を受けし者”と呼ばれる実力者、”神聖騎士”ウォルターである。そして、その近くにいる女性は聖騎士協会”魔法騎士”アイギスであった。
アイギスが一口紅茶を飲むと「おいしっ♪」とはにかむ。2人が午後の紅茶を楽しんでいると部屋の扉が開き、2人の人間が帰ってきた。
「ご苦労だったな、クラリス、パウロ」
「はっ! 私クラリス! 無事に調査をこなして帰って参りました!」
「ウォルター……優雅に紅茶を飲める余裕はあるみてぇだな……」
現れたのは小柄ながらも聖騎士特有のプラチナアーマーを着こなし、手には聖騎士協会のシンボルである十字架が埋め込まれたアイアンシールドを腕に付け、鋭利なレイピアを腰に差した金髪ポニーテールの副隊長、”聖騎士”クラリスと身長2m超えの大柄体型で身体全体フルプレートメイルに包まれた身体と背中に自身の身体くらいの大きさがある大剣を身につけた、右目に古傷を付けているスキンヘッドの男、”重騎士”パウロだった
2人は都内で最近の噂の聞き込み調査から帰還したところであった。
「私も貴族様達のわがままを聞くのに忙しいのだ。……それで、どうだったんだ? 報告しろ」
「は、はい! えっとえっと……」
クラリスは懐から紙を取り出すとそれを眺めながらウォルターに向けて報告を始めた。
「この高級住宅区一通りと一般住宅区、商店区の方で聞き込みしてきたのですが……商店区、一般住宅区から得られた情報は特になく変わったことはありませんでした。高級住宅区に住む貴族の方々からは怖いから速く解決してくれと言う不安を口にしている人や、聖騎士協会への不平不満を仰っておりました……」
「なるほど……他に何かあるか?」
「いえ……以上になります」
クラリスはもじもじと申し訳なさそうに俯く。クラリスが俯くのも当たり前だ、ここ最近、このような情報ばかりで有益な情報を得られていないのだ。つまり、今回の事件において、あまり進展していないのが聖騎士協会の今の現状であった。
「てことわぁ~~まぁた進展なしって感じかしら♪」
アイギスが笑顔でそう言う。
「たく……この都市で色々起こってるって言うから住み込みで働いてるんだぞ……ここにいる貴族は全部俺たち任せだ。それに、聞き込み調査自体もう意味ねぇ物になってきてそうだしよぉ! おい、隊長どうすんだ?」
パウロの言葉に対してウォルターはゆっくりと紅茶を飲んでみせる。まるで余裕そうな表情にパウロが歩み寄り、ウォルターのデスクを力強く叩いた。
「きゃっ!?」
ドンッ! という大きな音に驚いて尻餅をつくクラリス。あらあらと口に手を当てているがどこか楽しそうなアイギス。
そして、表情1つ変えないウォルターとそれに対して怒りの表情を見せるパウロ。パウロの毛のない頭に血管が浮き出ていた。
「おい! ウォルター! お前がこの聖騎士協会屈指の実力者なのはこっちも分かっている! だが、これ以上無駄な情報収集をしても時間の無駄だろうが!! ここに来てから何日経ってると思ってやがる!! 手がかり0だろう!! 何か考えがあってやってるのか!? それとも何もないのか!?」
パウロの罵声によって少しの間この空間に静寂が訪れる。そして、次に口を開いたのはクラリスだった。
「す……すいません!! わ、私が……私が副隊長なのにもかかわらず仕事が出来ないせいでウォルターさんに責任が行ってしまってるんです!! ほ、本当にごめんなさい!!」
クラリスはパウロとウォルターに向けて深々と頭を下げた。
パウロはふんっ! と鼻を鳴らして部屋から出て行ってしまった。
そして、泣きそうになっているクラリスにアイギスは歩み寄り、クラリスの頭を優しく撫でた。
「大丈夫よ~~あなたはしっかりと職務を全うできているんだから。貴女のせいじゃないわよ? まだ、この部隊に配属されて間も無いんでしょ? 頑張っていきましょ? ね♪」
ウォルターの部隊が出来たのはここ最近だったため、部員補助としてクラリスは連れてこられたのだ。元々、ウォルターの所属していた部隊がとある事故で隊長と副隊長がいなくなってしまったのだ。そこで、ウォルターが隊長となり、前の部隊を引き継ぐような形で新たな部隊を設立したのである。
クラリスは聖騎士協会内で飛び抜けた才能を発揮しており、新人試験では首席で合格し、職業(ジョブ)も騎士から飛び級して聖騎士に成るなど、彼女の実力を知った協会側はクラリスを新人で有りながらもこの部隊の副隊長に任命したのだ。
「は、はい! ありがとうございますアイギスさん!!」
「頑張ってね、新人副隊長さん♪」
そう言いながら、アイギスはクラリスの背中を優しく押しながらウォルターの前に連れてきた。
「さあウォルター様、自慢のお弟子ちゃんが帰ってきましたよ?」
協会側はクラリスの新人指導にウォルターを任命したのである。ウォルターも協会内ではトップクラスの実力を持っている。協会側はそのエリート中のエリートである彼に、エリートであるクラリスの指導をまかせたのだった。しかし、ウォルターは断固拒否をしたのだが、長年の相棒であるアイギスが勝手に承諾してしまったのでしょうが無く面倒を見てやっている。
「ウォ……隊長?」
ウォルターはティーカップをデスクに置くと席から立ち上がり、クラリスの前に立つ。
「お前の責任ではない……安心しろ。パウロはせっかちで短気なのだ。許してやってくれ」
「いえいえ!! そんな、大丈夫です!!」
クラリスのリアクションに笑顔で受け答えるウォルターに対して、クラリスは少しだけ照れたように顔を赤してもじもじしていた。
そんな最中、出て行ったはずのパウロが血相を変えて息を切らしながら部屋に入ってくる。
「はぁはぁ……ウォルター! あ、あいつが! あいつが来ちまった!!」
「……とうとう来たかフェルメル……客人をここへお連れしろ」
そう……アポイントも取らず、嵐のようにやって来るのはこの町で1人しかいない……この都市の大富豪、”女公爵”フェルメルだった。
聖騎士協会の玄関先では、豪華な装飾が施された道を塞ぐほど大きい馬車の中でフェルメルが大きな扇を口元に当てながら協会のシンボルを目元だけでにやりと笑い眺めていた。
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