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12歳《中等部》

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2日かけてやっとこさ帰ってきたところにこの仕打ち。

ネヴィルとラージャは怒らないといけないし。仕事は溜まってるし。
挙句に西に一緒に行った私兵は辞めたいと抜かす。

「いいけどさ…。」

手塩にかけた兵士だ。あまり手放したくはない。

「はぁ。辞めたいという私兵を部屋に集めて。それで給与の1年分くらいの退職金も払おう。帰りの交通費も一人一人に出して。」

「自分勝手に辞めるとほざく相手にやるものなどありますか?」

まぁ…ねぇ。
でも頑張ってくれたし対価を払うのは当然じゃない?そもそもこの世界に退職金って概念が無いせいかもしれないけど。テオ様からしたら平民ごときにってことなのかなぁ。


「まぁ命をかけて戦ってくれたしね。」

「魔法師ならともかく、騎士たちは一片の役にもたちませんでしたが。」

戦いの役には立たなかったけどラミアの魔法の原理をしるきっかけになった。

「否定はしないけど連れ回したからね。まぁいいじゃない。」

「クラウス様、逃げた場合は連れ戻しますか?」

どうしようか。あまり広まって欲しくはない。だけど逃げる子をわざわざ追いかけて殺すのもなぁ。心の問題だけど義理はちゃんと返したい。

「いいよ。逃げたら逃げたでほっときな。」

「かしこまりました。では騎士団長へ話は通しておきます。」

アルフレートはさっそうと出ていく。しばらく会ってないけど少しやつれてる?お休みあげようかな。

あとはテオだ。屋敷で起こったこと、兵士が辞めたいと騒いでること。それも含めて情報共有のために呼びつけた。休ませてあげたかったんだけど…。テオ様は頼りになるから仕方ない。


「頼んだよ。テオも帰ってきたばかりで呼びつけてごめんね。ゆっくり休んで。」

「…はい。」

相変わらず無表情でキリッとしてる。かっこいいなぁ。もっとテオ様と過ごしたかった。1週間ちょっとの休みなんて短すぎる。






呼び出した騎士団長。
他の兵士の言葉を代弁するってさ。テオ様をまた呼びだす羽目になった。テオ様は文句も言わずに来てくれたけど申し訳ない。

こんなに早く来るなら帰さなきゃよかった。

「死ぬことは怖くありません。2度も生き返れば慣れました。ただ…生き返ってすぐに直面する恐怖が怖い。クラウス様の魔法もそれを実行する精神も。貴方の私たちをものとして扱う全てが恐ろしい。死ぬことよりも生きることよりもクラウス様が恐ろしいです。」


つまりトラウマの対象は僕なわけだ。
生き返らせたけど悪いことしたな。でもあの場で死なれても困るんだよね。魔獣の魔力が漏れ出るくらいに空気の悪い場所だった。ゾンビやゴーストもしかしたらほかの魔獣の餌になって下の村が被害を受けるかもしれない。殉職したらそれに伴う出費もある。だから放置はしたくなかった。

こういうところが嫌になったのかなぁ。


めちゃくちゃ僕の後ろでテオ様が怒ってるのがわかる。同じように戦って訓練してきた子達だもんね。言いたいことは沢山あるんだろう。我慢できてえらいから今度なにかしてあげなきゃ。


「なら、僕の下以外なら騎士として働いてくれるってこと?」

「…はい。」

テオ様後ろで壁殴ったかな。ガンって音がした。

「分かった。西の生まれだよね。西の領主にかけあおう。そこでなら働ける?」

「…よろしいのですか?」

テオ様がやっと口を開いた。
まぁ悪くない提案だ。西も東も兵は足りてないしね。
南と北は昔から魔獣と距離が近いからなんだかんだと村人が自衛しないと成り立たないせいで志願兵も多いし強い人が多い。
北は異常だけど。

「いいよ。数年頑張って鍛えたんだ。そんな人材を捨てたくはないからね。頑張るんだよ。」

これで西の魔獣被害も少なくなるだろう。定期的に冒険者を動かしてたみたいだけどあいつらバカ高いんだよね。私兵なら好きな時に好きなだけ動かせるしコスパがいい。出費も同じくらいなら私兵でいいでしょ。半分逃げちゃったのは惜しいけど仕方ないか。







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