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12歳《中等部》
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しおりを挟むはぁ。なんとか勝てたかな。
テオ様かっこよかった~!僕がテオ様を気遣って少し下がった瞬間にスパーンって首を切り落としたんだよ。かっこいい。僕の頭もあんな感じだったのかなぁ。
気が抜けたのかラミアの血溜まりから2,3歩離れたところでテオ様が尻もちを着いた。
僕はラミアが再生しないように拘束してテオ様に声をかけた。
僕の予想だとこのラミア、頭吹っ飛んでも再生しそうなんだよね。血抜きでもする?燃やせばいいの?心臓くりぬこうか?
まぁどっちにせよやるのは僕か…。テオ様にこんな汚いところいさせらないからさっさと兵士を生き返らせて帰らそう。
カタカタと震えてる魔法師達。使い物にならないな。
私兵達も僕が全然に出てから気にかけてなかったけど肉塊になってら。
体格が違うしね。蛇なんてほとんど筋肉みたいなものだもん。あんな太いロープみたいなしっぽで打たれたら下半身と上半身はおさらばだ。
本当なら詠唱も必要だけど事前に体に魔法陣を埋め込ませたから簡単に蘇らせる。時間に制約はあるけどこのくらいなら大丈夫。
肉塊がウゴウゴと一つに集まり何人もの人の形のなにかを作り出してく。これなら時間もかからないかな。
魔法師の一人が吐いた。こんな狭いところで吐かないでよ。生活魔法のクリーンを使って綺麗にする。テオ様をそんな不潔な場所に置いとけないでしょ。もう。
「兄上、彼らは生き返るのですか?」
「刻魔法でこの洞窟に入る前で体を固定してある。僕の魔力は減るけど1日以内なら戻るはずだよ。」
ネズミならだけど。人間だとどうかな。大きいし半日とかなりそう。
「…実験済みですか?」
「ネズミでね。人間は初めて。罪人とか使えないかな。」
「法の下では許されませんね。」
「だよね~。まぁ我慢かな。」
「法を変えようとしないところ、兄上らしくて好ましいです。」
「流石にねぇ。そこまで横暴なことはできないよ。」
ふふ。テオ様に好ましいって言われちゃった。ちょっと考えてたけどやめよ。
でもこうなんか肉塊がウゴウゴしてるの見るとナメクジとかカタツムリとかそういうの思い出しちゃうね。気持ち悪い。
そもそも時を戻したところでこの肉塊から生まれたものは本人と言えるのか。時を戻したんだから記憶もないはずなのに残ってる。魔法は脳にまで及ばないのか。それとも記憶は脳じゃなくて他の何かに結びついているのか。気になるものは沢山ある。一々調べてたらキリがないし、それは他の魔法師に任せるけどね。僕の専門は錬金術だもん。
「この魔獣の血を取り込んだら同じ魔法が使えるだっけ。欲しいよね。」
「危険すぎます。もし手に負えなくなったり逃げたらどうするんですか。」
それはそう。
きっとクラウスはこのことに気づけなかった。気づいたのは最後の最後。ラミアって魔獣すら知らなかったんじゃないのかな。だからクラウスとテオしか生き残らなった。
僕より優秀だけどクラウス自体はあまり他に興味を持ってなかったみたいだしね。
魔獣も錬金術で使う草花も冒険者に頼んで自分で採集はしてなったんだろう。
僕は節約も兼ねて自分で採集してるけどこれがなかったらラミアの特性を文献だけで知ることは出来なかったように思う。
「何事も経験。無駄なことはなったのかな。」
「兄上がなすこと全てに意味はあると思いますよ?」
「そう?ありがとね。」
さてと。私兵達にはさっさと戻ってもらうか。肉塊から人に戻り青ざめてる兵士たち。発狂するなら外でしてね。
「殿は僕が務める。怪我がないか、人数に間違いがないか確認でき次第街に戻れ!」
僕はラミアを捌いて必要な部位を持ち帰らなきゃね。次はいつこんな大物に出会えるか分からないもん。
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