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12歳《中等部》
77 ルディside
しおりを挟む「殿下。シルヴェスター公爵が出かけたのことです。あと1週間は帰ってこないとの報告も上がりました。」
やっとか。
あいつ、新しい弟に合わせてくれないからな。俺から会いに行ってやんよ。
どんな性格してんだろうな。クラウスに似て生意気か?それともテオに似てクソ真面目か?
でもまぁ。あいつが勘づいて戻ってこようとしても遅いくらいの距離は稼ぎたい。そのくらいあいつの弟に興味はあるし。使えるやつなら俺の傘下に引き入れてぇし。
「じゃあ3日後だな。厨房に甘い菓子でも準備させとけ。」
「はっ!」
魔力は水しか持ってなさそうだったな。孤児だとは聞いていたが生意気なのかそれともビビって話せないか。どっちだろうな。ビビられるくらいならクラウスくらい生意気な方が好みだ。
▽
▽
▽
静々と頭を下げるアルフレート。こいつ、クラウスの言うことしか聞かねぇからな。俺の事だってどう思ってんだか。絶対にクラウスより下に見てることは確実だ。
「第1皇子殿下、申し訳ございません。クラウス様は不在でございます。」
ほらな。
「三男に会いに来た。いるだろ?」
「…ネヴィル様はまだ殿下に見せられるほどのマナーを扱えません。」
「構わねぇ。今日はプライベートだ。」
使用人も含めてこの家はマナーだけは完璧だからな。
三男だけできねぇならそりゃあ目立つわ。
「クラウス様がいらっしゃる時でも「俺に出直せって言ってんのか?クラウスは俺の幼なじみで腹心だから許してんだ。お前は何様だ。アルフレート。」
「……失礼致しました。」
本当に面倒な奴らだな。表情1つ変えずに帰れと言ってくる。そこまで隠されたら知りたくなるもんだろ?
どんなやつなんだか。
アルフレートは顔を上げてやっと素直に案内してくれる。すれ違うメイドたちも俺の顔を見るなり頭を下げ端による。ほんと人まで一流とかすげぇの。
明るく、拾い部屋に通されて「直ぐにお呼び致します。」と言ってアルフレートが出ていった。その後、間を置かずに入ってお茶の準備を始めるメイドたち。紅茶を入れてるのはクラウスがアルフレートの次に自慢してくるメラニーだ。アルフレートとと並ぶくらい紅茶を入れるのが上手いらしい。
こいつのは初めてだからお手並み拝見だな。アルフレートは間違いなく美味い。
「これ、皇宮の料理人に作らせた。お茶請けに使ってくれ。」
「ありがとうございます。殿下。」
とはいえ、テオの手掛けてるチョコレートとか言う方が美味いがな。
「お待たせ致しました。第1皇子殿下。」
シルヴェスターの面影が全くない三男。
適性も水魔法だけなんだろう。
「名前は?」
「ネヴィル・フォン・シルヴェスターと申します。」
なんとか笑おうとしてんだろう。アルフレートにでも言われたか?
ヘッタクソな笑い方だな。おい。
「1人信用できる使用人を選んで座れ。」
「…ラージャ、残ってくれ。」
「はい。」
ラージャ?そんなやつクラウスから聞いたことがない。いくらクラウスでも信用してねぇやつを弟の使用人にしないだろ。
でもいくら見ても見覚えがない。珍しい銀色の髪と目。どんな魔力だよ。見たことねぇぞ。
まぁいい。今日はクラウスの弟に逢いに来たんだからな。
「クラウスとテオに虐められてねぇか?あいつら真面目で堅物だからなぁ。」
「良くしてもらっています。」
綺麗に座るし、俺が椅子を指してから座った。最低限のマナーは教えこんでんじゃねぇか。孤児だって言うからどんなもんだと思っていたが…へぇ。
「そんで?お前なにしてぇの?このまま公爵家に厄介になるつもりか?」
お。めっちゃ不機嫌になった。やっぱこいつはあいつらと比べて顔に出やすいな。
「俺になにができると言うんですか。」
「まぁ相手はクラウスとテオだ。この屋敷で言うなら逃げるのは無理だろうな。」
こいつ、逃げようとでもしてんのか?まぁクラウスもテオもいねぇ。丁度いいだろうな。
手助けしてやるか?
帰ってきたらクラウスはブチギレるだろうな。最近暇してたし丁度いいか。あいつ負けたし、久しぶりに手合わせしてもいいかもな。
「手伝ってやろうか?」
「いりません。」
「方法でもあんのか?」
「クラウス兄様の友人で貴族の王である貴方を信用するわけがないだ……です。」
「あっそう。じゃあいいわ。頑張れよ~。クラウスは怖ぇぞ。」
言わねぇけど、下手したらこいつごと消されるだろうな。闇魔法も持ってねぇ。テオって言う優秀なスペアだっている。こいつがいていいことなんてない。
嫁ぎ先決めるのも面倒だし。特に家同期の絆なんてシルヴェスターには関係ない。闇魔法持ってないなら駒としての意味もねぇ。
クラウスにとってシルヴェスターにとって生かす意味がない。
俺は優しいから本人には言わねぇけどな。
「お前は殺されねぇだろうが…。手助けしたやつは殺されるだろうな。」
「うるせぇ。でも今アイツらはいねぇ。やるなら今だ。」
「アイツらの腹心はいるけどな。」
「じゃあいつやれって言うんですか。」
「だから俺が助けてやろうかって聞いてんだろ?」
「いらねぇ。」
ふぅん。面白ぇの。
安易に強者に助けを求めないのも。自分を過信してるところも。
クラウスは自分の実力を理解してあの態度だか…。こいつはただの過信。
失敗した時が見ものだな。
「今日は面白かった。また会おうぜ。面白けりゃいつでも手を貸してやるよ。じゃあな。クラウスによろしく言っといてくれ。」
やっぱりアイツらの弟だ。頭は悪くないらしいな。
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※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
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