推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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テオ様は僕の意図を汲み取って真後ろから一文字に切りつけた。そして直ぐに離脱。本当に戦い慣れてて美しい。テオ様の努力が垣間見られて「僕の推しは努力家でえらいっ!!」って泣きそうになる。

まぁテオ様が切りつけたせいでラミアが暴れて周りで戦ってた騎士は数人肉塊になった。

まぁすぐに僕の光魔法で生き返らすけどね。

それでやっぱりラミアの標的は僕になる。魔力に反応してんのかな。それとも暗闇でしか目が見えない?今光を僕が出してるから視界が悪いのかも。

できれば検証して論文書きたいけど人の命をかけてすることでもないか…。

魔力に反応してるなら僕が囮になればいいだけだし。

「君ら、僕から離れて。僕が囮になるよ。」


《プルアラル・プロテクション》

さすがに複数の防御魔法を破れないでしょ。そのついでに貫通効果のあるダークランスで貫いていく。

単体効果の魔法って少ないんだよね。近距離なら魔法で剣を作成して戦えるけど剣を生み出して飛ばすってかなり力技になる。魔法でするにはコスパが悪い。

だから今僕ができるのは《アクティース》くらい。でもそれは無差別だからあまり使えない。テオ様が怪我したら大変だ。テオ様を怪我させない方法もあるけど最終。もしくは僕が試したくなったら、かな。
万が一テオ様が怪我したら僕が僕を許せないからしないと思う。

ラミアの魔法で僕の防御魔法が2つ破られた。あと3つ。
サッと影の間を縫うように動く影。テオ様だろう。

ラミアの攻撃は全部僕に向いてるからこのまま向かせてればいい。テオ様は気配が漏れてるからきっと近づけばバレるだろう。それはまだ仕方ない。テオ様はまだまだ成長段階だもの。この戦いで少しでも成長に繋がるなら僕から言うことは無いよ。


意外と僕とテオ様で戦えたな。むしろ他の子達邪魔だ。もちろん巻き込まないように気をつけるけどさ、ラミアの攻撃じゃなくて僕の攻撃で殺しちゃいそう。


《プロテクション》

つーいでに

《ダークバインド》

ラミアの動きを一時的に封じた。これでテオ様が一撃入れられるはず。それを読めないテオ様じゃないでしょ。僕の推し様だもん。

ちゃんと空気を読んだテオ様は僕に勝った時と同じようにラミアの首に剣を振る。


テオ様の剣は完璧だった。
完璧な一撃だった。

でもラミアってのは頭が良いらしい。
この戦いの中でプロテクションを覚えたらしい。さっきまで一切使わなかったのに使った今が証拠だ。こんな便利な魔法、知ってるのに使わない方がおかしいし。

それとも1回肉塊になった騎士たちのせいか?

ラミアっていうのは血をすずるらしい。
もしプロテクションを使える子の血を取り込んだせいで覚えたのなら?厄介なことこの上ない。血を取り込んだ魔法ならなんでも使えるってことでしょ。怖すぎ。

プロテクションなんて貴族なら誰でも使える魔法。冒険者なら基本中の基本だ。
より強い者の血を取り込んでいただと考えたら恐ろしい。死んでも僕の血をあげるわけにはいかないね。
僕が死にかけたなら自害して血を外に出さないようにしないと。テオ様に限って言えば一滴でも血を流されたら僕らが苦戦を強いられることは確定じゃん。


首を落とせずになにかに跳ね返され胴体が丸空きのテオ様に向かって蛇のしっぽが叩き降ろされた。もちろん僕の防御魔法で守ったけど。驚きすぎて魔法の気配がテオ様からなにも感じなかったからね。







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