推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

文字の大きさ
上 下
159 / 212
12歳《中等部》

55

しおりを挟む

よし。叩き落とそう。

僕の作った魔法。
結構便利なんだよ。風魔法みたいに闇魔法でものを浮かべられないかなって思ってさ。

でもまぁ闇魔法。浮かべるのは趣味じゃないらしい。でも影魔法と同じ要領で者を握ることは出来る。
影を手のひらのようにして僕の右手と連携させる。これの便利なところは攻撃を加えられても痛くも痒くもないこと。ただまだ掌のように扱えないけど。
ただひらべったく伸ばした魔力を叩きつけるイメージかな。

もっと努力しないとなぁ。

べちんと上からテオ様を叩き落としてやる。大怪我する前に倒してあげるからね。痛いのは嫌だよね。

《ダーク・ウィンドウ・ライト  ランス》


索敵魔法を中心に思いっきり魔力を乗せて魔法を叩きつける。テオ様これで終わりにして欲しい。テオ様傷つけたくはないんだよ。


それでもテオ様は急所だけは捌ききったらしく土埃の中うっすらとたっているのが見えた。

《ダークラ━━━━━━━━━━━━あ、うそ。」

ダメ元で一撃加えようとしたところで足場が崩された。苦手だと言っても上級魔法で作り上げた風魔法だよ。

意味がわかんないまま、グンっと右足が引っ張られてますます意味がわかんない。
どうなってんの?テオ様の魔法?こんなの知らない。

右足に黒いものが巻きついてる。これ…納得。テオ様僕の魔法を真似したんだ。叩き付けられた時に察して真似したのかな。ただ、理論としては理解してないから真似事って感じ。僕の魔法の形がけ真似したのか叩き落とすとか右手とリンクさせるとかそういうのはないらしい。

どっちにしろ空から引きずり降ろされたからそんな真似事かどうとかは意味ないけど。

足場と体制立て直さないとなぁ。
このままじゃ無様にぶっ転げる未来しか見えない。

まずは同じ闇魔法で足枷を切って風魔法でゆっくりと下りる。それと同時に身体強化魔法と剣を抜く準備。

テオ様が僕に勝つには僕と魔法無しの剣術勝負に持ち込む必要がある。僕はそれをしたくない。だから浮遊魔法使ってたのになぁ。どうせ浮かんでもまた引きずり下ろされるだろう。

テオ様を迎え撃つために手と足にさっきと同じようにクッションを挟む。


一撃目は迎え撃って流す。それでもテオ様は踏ん張って今度はその無理な体制のまま突いてきた。ビュッと僕の右頬をカスる。危ないな。テオ様、怪我するよ。
でも逃げられないように手を変えたのはさすがテオ様。


下に向いちゃってる剣を上にあげる。無理な体勢から避けるテオ様は転げたからその上に魔法を打ち込む。

「なん…っ!」

普通動きながら魔法を正確に打ち込めないもんね。冒険者なら結構いるけど宮廷魔法師はそんな運用してないし。
テオ様は驚いてるけどさ。僕の魔法の精密度はルディより上だよ。ルディは才能で魔法を使ってるけど僕はそれを指輪で補ってる。実践慣れもしてる。勉強してたら分からないはずないのに。まぁテオ様は平民嫌いだから仕方ないよね。

地面を転がって避けるテオ様の周りに魔法をかける。

《ライトランス》

《プロテクション》

咄嗟にかけた魔法なのに強度は抜群ね。
練習したのかな。テオ様の事だ。したんだろう。


《グレーター  ライトスラッシュ》

あー。遅かったかな。体勢を持ち直したテオ様は普通に防御魔法と魔力を纏わせた剣で捌ききった。

《ダークフォール》

広範囲魔法?
僕の足元にまで広がる影の波。僕も影魔法で足場を作って対応してるけど落ちたらやばいかも。
それはお互い様かな。

魔法と魔法のぶつかり合い。相性もあるけど同じ魔法なら魔力が強い方が勝つ。魔力を発する人から離れれば離れるほど弱くなるのも道理だね。なら僕がするのは自分の足場の確保だけ。最低限の魔力を自分にそわせればそれでいい。


テオ様がなんでこんなことしてんのかは分からないけど、近距離戦だよね。したくない。
ダメ元で魔法を放つけどまぁそうだよね。威力のない初級魔法だ。テオ様の防御魔法で弾かれる。上級魔法は神経使うから穴に落ちかねないし。せめて防御魔法だけでも削っとこ。

貫通効果のある槍系の魔法を複数作り出してテオ様にぶつける。
もちろん防御魔法だって完璧なわけじゃない。弱いところから崩れてく。テオ様に細かい傷をつけていく。本当に可哀想。諦めてくんないかな。さすがにルディの魔法で生き返るからって殺したくない。


テオ様は利き手の右手は頑なに守り通してる。僕の魔法も避けるか捌くか、左手で庇うかしてるし。
ほとんど防御魔法は効果を成してない。魔力も底をつきかけてるのかな。広範囲の影魔法を使ったせいだね。
なれないことするから…。

《ライト ウィンドウ ランス》

もう…。早くテオ様の魔力切れてよ。










しおりを挟む
感想 34

あなたにおすすめの小説

監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード

中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。 目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。 しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。 転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。 だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。 そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。 弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。 そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。 颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。 「お前といると、楽だ」 次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。 「お前、俺から逃げるな」 颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。 転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。 これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!

めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。 ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。 兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。 義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!? このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。 ※タイトル変更(2024/11/27)

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

処理中です...