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12歳《中等部》
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しおりを挟むパーティが終わって僕の仕事も終わりが見えてきた。
今日がやっと大会の日。これが終わればどう足掻いてもテオ様を屋敷において魔獣狩りに行ける。これさえ終わればテオ様は安全に生きていける。僕は死んででもあの魔獣を殺す気だ。テオ様の幸せを崩す邪魔なんて僕が全部薙ぎ払ってやる。もし死んだらゴーストとしてテオ様を守護するから問題ない。この世界じゃゴーストって魔物いるし。未練があれば僕でもなれるでしょ。
左手にいつもの指輪をつけて使い慣れた剣も腰に付ける。
大丈夫。僕ならクラウスのポテンシャルなら勝てる…はず。うん。多分勝てる。大丈夫。自信を持ってクラウス!!
「緊張されてますね。」
「本当にね。テオはどんどん強くなるし恐ろしいよ。」
「…諦めて連れて行って差しあげては?」
「ダメ。テオは僕が何かあった時の人員だよ。今僕の代わりができるのはテオだけだ。絶対に危険には晒せない。」
なによりテオ様を危険に晒すなんて推し活してる当事者からしたら自分が自分を許せない。
アルはいつも通りの落ち着いた表情でなにも変わらない。こうまで変わらないと安心するな。
大丈夫。絶対に勝つ。
あまり運動着すぎる格好で皇宮に行くわけにはいかないからシャツにジャケットを来てそれなりに見える格好。今回ばかりはテオ様も馬車の前で待ってた。仲良しこよしで家を出てくれないんだね。つら。
そういやネヴィルは後で見に来るらしい。へぇって感じ。テオ様に見られるから頑張ってるだけだもんね。
ラージャがわざわざ言いに来たけどなんて返せばよかったんだろ。「そう。水分補給はしっかりね。」ってだけ伝えた。
会場までは珍しく僕らがなんにも話さなかった。
テオ様、集中してるのかな。
うぅ。緊張する。毎回これだ。テオ様は階段型に成長してくけどその階段が2段飛ばしとか3段飛ばしで強くなるから恐ろしいのなんのって。期限もっと短くすればよかった。
「兄上、絶対に勝ちます。」
「僕も負けないよ。」
テオ様はちゃんと僕の話を聞いてから馬車から降りてった。
試合前の最後の会話がこれかぁ。しんど。
僕も馬車を降りて切り替える。
僕はシルヴェスター公爵。クラウス・フォン・シルヴェスター。絶対に負けない。テオ様もヴェルナーも今日だけは全員打ち負かしてやる。
▽
テオ様と当たるのは決勝戦。
多分だけど順当にいけば、テオ様の前に騎士団長の次男のヴェルナーと当たるはず。
今日の初回戦は名前は聞くけどそこまで気にするほど強くない。前の大会でもボコボコにしたから力量もわかる。
決勝戦の相手がテオ様とか。
ほんとルディはテオ様に甘いよね。気持ちはめっちゃわかる。
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