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12歳《中等部》
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しおりを挟む「義母様珍しいですね。」
いつもの赤じゃなくて青色を取り入れてる。隣でエスコートしてる父様も青色の刺繍が入ったジャケット。義母様のお願いなのかな。
それにしても今日の僕らめちゃくちゃカラフルなんじゃない?
テオ様は黒に赤の刺繍。
僕は黒に金の刺繍。
義母様と父様は黒に青の刺繍。
ネヴィルは僕らと全く違った黒と青がトントンで入ってる服装。
この中の子供全員腹違いとか闇深すぎ。
その割には仲良くしてるからまぁ。僕としてはストレスないよ。テオ様いるし。
逆にネヴィルは心配かも。早く剣術とかなにかストレス発散方法考えてあげないとな。なんなら島国の孤児院から友達連れてくるとかでもいいけど。
「今日はルディが来たら護衛に回るよ。父様、場所を離れる時は僕かテオに声をかけてくださいね。」
「わかってる。」
ならいいけど。
でもこう見たら義母様の子供ネヴィルみたい。この3人は黒に青の刺繍だもん。次に服を作る時はテオ様のジャケットの刺繍金色にしようかな。僕の色。ネヴィルの色はちょっとね。嫉妬しちゃう。テオ様がそうしたいって言うなら別だけどね。
「テオ、父様が挨拶のために離れる時は2人をよろしくね。」
「はい兄上。」
うん、いい子。
夕方……もうすぐ集まってくるだろう招待客に挨拶しながらフロアに案内しないとね。
これで第1皇子派か第2皇子派かわかれるだろう。
来なければ中立派か第2皇子派だ。こればかりはね。仕方ないよ。
伯父上どうするんだろ。僕の方に来たら少しは許してあげなくもないかな。スパイなんてしたら倍返しにするけどね。
▽
▽
招待客の対応は父様に。義母様も初めてだけど任せてみた。いいんじゃない。義母様の笑顔引きつってるけど父様がフォローしてるし問題なさそう。
諜報の任務してるだけあって父様の外面本当にいいな。確かにこれなら父様の愛人たちも落ちるかも。
「父様、意外と人望あるんだね。」
「そうですね。こう見てると兄上と表情の作り方が似てますね。」
「最近雰囲気作りとか教えて貰ってるんだ。テオはポーカーフェイスは無表情だけど、ネヴィルと僕は笑顔だからね。一緒にネヴィルも勉強しょうね。」
ネヴィルは引きつったような笑顔を返してくれた。頑張ってるらしいけどこの子の性格は貴族向きじゃないみたい。
僕は向いてないなりに頑張ってるし。クラウスの才能あるから程々にできてるのが大きい。クラウスの頭とか体ってすごい便利。
「俺もします。」
えぇー。テオ様は今で完璧だからしなくていいのに。
「ふふ。テオはそのままで十分だよ。可愛いし。無表情は騎士っぽくてかっこいいよ。」
「嘘ですよね。」
僕ってば信用ないなぁ。
「ほんとだよ?そもそも顔つきがね。ほら、テオ様が微笑んだら義母様だよ。威圧感あるじゃない。僕が無表情なら舐められるし。」
「そんなことは無いと思いますが…。」
あるよ。
僕の顔は優しい系だし。キツめのかっこいい顔のテオ様とは違う。
「それに僕怖がられてるから真顔でいたらもっと怖がられるよ。」
ネヴィルはそっと目を逸らしてきた。いつも僕のことを優しいって言ってくれるテオ様ですら無言。無言の肯定ってこういうことなんだね。
…つら。
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