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12歳《中等部》
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しおりを挟む新しい弟ネヴィルはラージャに任せて僕は部屋に戻る。テオ様とお茶の続きしなきゃ。お茶は冷めちゃってるだろうなぁ。
「兄上、執務室は向こうですよ。」
綺麗な指を反対方向に向けて指した。
はぁ。あの手握り締めたい。可愛い。
意外にもゴツゴツしてる手なんだよ。僕も人のこと言えないけど剣を持つ人の手って感じ。
「テオとお茶の続きしようと思ったんだけど…領地の勉強する?」
「あ…いえ!お茶会がいいです!」
「いい天気だもんね。」
ここでネヴィルも呼ぶ?なんて聞いたら気まずい思いするんだろうな。あの3人での空間気まず過ぎたもん。テオ様なんて本気の殺気向けてた。仮にも弟に。僕なら号泣してたな。あの子すごいや。
冷めた紅茶は置いておいて2人で話をする。
テオ様の口もさっきより軽くなってる。良かった。緊張してただけかな。
「新しい弟はどうだった?」
「生意気な子供です。まだ立場を理解する知能があれば可愛げがあったのに。」
「少し生意気な心意気がある方が向上心も高いよ。」
「…そうでしょうか。」
「僕だって父様から見たら目障りだよ。あの子は僕と似てるのかも…テオ?」
テオ様の魔力が伝わりすぎたのかコップが割れた。
なんか一瞬で魔力が濃くなったんだよね。僕も最近やっと制御できるようになったけどテオ様はまだみたい。
僕よりそういう事をやらかさなかったから得意だと思ってたけど違ってたかな。
「失礼しました。」
「大丈夫。アルを呼ぼう。」
使用人を呼ぶための鈴を鳴らす。父様達はもう自室だろうし暇でしょ。
どうせアルかメラニーが来るとは思う。ついでに紅茶の準備もさせないと。
「あの子供はどうするつもりですか?」
「あと2年で叩き込めるマナーと剣術、魔法、体術に勉学、語学。全て詰め込むよ。シルヴェスターにふさわしい子供にしないとね。」
「…。」
黙っちゃった。
それとだ。僕も死ぬつもりは無いけどもうすぐ西に赴かないといけないはず。少なくともゲームではそうだった。
ゲームではテオ様とクラウスで向かってテオ様が剣技を覚えた。それで最年少の剣技使いになったはず。でも僕としてはそんな危ないところに向かわすなんてできっこない。
だからテオ様は置いていきたいの。そうなれば話は変わるから僕も無事でいられるか分からない。
表面上は跡継ぎがいなくならないようにするため。意地でも一人で行って1人で鎮圧する。そのための準備は欠かさなかったし投資もした。魔法薬も武具も全部完璧だ。
「それとテオにも。西の領土のあの村で死人が増えてる。作物が作れない箇所も増えた。代替わりが終われば、僕は殿として魔獣退治に行くよ。次の大会が最後だと思ってね。」
「…はい。」
「もちろん僕も出る。魔法大会だけど相手の制圧のために剣の持ち込みも許可されてると聞いた。負けないよ。」
「俺も負けません。」
絶対に負けない。権力だろうが金だろうがなんでも使ってやる。
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