推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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はぁ疲れたぁ。ルディとテオ様と魔法で混戦。その後はチェスと将棋でみんなを倒す。ゲームでもルディに負けるなんてさすがにプライドが許さない。

将棋だってルール覚えたら上手く駒を動かしてたし。兵法も習ってるからそういのも関係するのかな。テオ様にも習わした方がいい?いつか剣技を使えるようになったら嫌でも戦に駆り出させる。公子って立場もあるから指揮官だ。いつまでも僕が守る訳にもいかない。僕だって1人だし強いひとは分散する方がいい。戦場では一緒にいられない。

「兄上、ルディ様は帰られましたがどうしますか?」

いけない。ぼーっとしてた。ルディを見送ったならここにいる意味もないし帰るけど。
僕ルディに挨拶したっけ?記憶にないな。

「…帰ろうか。」

「はい。兄上。」

シルヴェスターの馬車も到着して中に乗り込む。
帰ってからも気が重いなぁ。義母様、怒り狂ってないといいけど。テオ様に母親に向かって剣を振れなんて言えないし…。仮にも公爵夫人に獣人で動きを止める訳にも…ね。僕しかいないわけだけど。

…魔力持つかな。

ルディの時に使いすぎたしテオ様にも分けたから今立ってるのは気力だけの方が正しい。テオ様の前で無様なまねできないし。


「多分アルフレートが父様の件を母様に伝えてる。気をつけてね。」

「…アルフレートは大丈夫でしょうか。」

やっぱり心配するのはアルの方なんだ。
アルは使用人だから義母様に手は出せないもんね。変に魔法で自分を庇ったら義母様を傷つける可能性もあるから使わないだろうし。

「魔法の才能もあるから最悪の事態にはならないよ。」

頭のいい子だしどうにかはするでしょ。

屋敷に着くまで僕とテオ様はずっと外を見てた。なにも変わらない。平穏そのものだけど屋敷に帰ったら屋敷が燃えてるとかないよね。
あの人ならやりかねない。





屋敷についたらいつもより少ない出迎えの使用人。特にアルやメラニーといった魔法が使える僕専属の使用人がからっきし。義母様何したんだろ。報告聞くの怖いなぁ。

「テオ、疲れたでしょ。お風呂でも入って部屋に戻ってて。」

「母上がまたやらかしたんですよね。俺にも関わることです。手伝わせてください。」

ほんとうに優しい子。不甲斐ない兄でごめんねとしか言えないよ。

「テオ


━━━━━━ドンッ

すごい音がしたな…。2階からだったけどあの方向義母さまの部屋の近くだよね。また屋敷壊したのかな。魔力回復薬でも飲んどこうか。

「報告は?」

空間魔法に閉まっておいた自家製の魔法薬。錬金術で作ったやつ。やっと市販の魔法薬に追いついたってところかな。北でも重宝してると報告は上がってる。

「公爵夫人がこの屋敷から出ていくと申しております。」

テオにも1本渡す。あんまり飲みすぎて酔ったら困るから1本ね。テオ様の酔っ払ってる姿も見てみたいけれど。
今ではないよね。でも見てみたいなぁ。

「今は執事長とメイド長を含めた魔法師達で足止めしていますが…。公爵夫人が怒りに任せて魔力を暴発しているようで近寄れません。」

あぁ。なるほど。
義母様の意志とは関係なく魔力が暴発してんのか。それなら僕の洗脳も役に立たないはずだ。
それにしてもどうしたもんかなぁ。

「義母様の拘束を解くようにアルに伝えに行って。」

「はっ!」

僕の屋敷をめちゃくちゃに壊してくれたなぁ。一応光魔法で修復魔法はかけてるから治るとは思うけど…。父様が帰ってくる前に治るかなぁ。










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