推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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「テオ、魔力込めれるだけ込めろ。そんで1、2、3の3で撃て。俺が魔力は合わせてやる。」

ふぅん。かっこいいこと言うね。

「邪魔していい?」

「ぶっ殺すぞ。」

おぉこわ。ルディは負けず嫌いだもんなぁ。僕も人のこと言えないけど僕は知識欲の方が強いと思うんだよね。
前世やることなくて本と勉強ばかりしてたのもそのせいかも。しかもこの世界は魔法なんて面白いものがあるんだからたまんない。

テオ様も魔力を剣に溜めてる。僕が錬金術を駆使して作ったやつ。開けた直後に持ってきてくれたけど僕のイタズラだと思ったらしい。「魔力が吸い取られる」って怒られた。魔力調整できるようになったら便利だよって教えてあげたら使いこなせるようになったんだよ。ほんとさすがテオ様。才能がありあまってる。


あげたの指輪のはずなのに取り外して剣に付け直してた。しかもやったの北に送った錬金術師。テオ様も僕に言えばいいのにね。
まぁ錬金術師は仕事多めに割り振ったけど。2ヶ月くらいは忙しいかもね。

その剣に魔力を貯めていくテオ様。すっごい魔力量。テオ様と似てる僕の闇の魔力まで引き込まれる。もちろん渡さないし檻の魔力も渡さないように結界を光魔法で張る。


「やるぞ。1、2、3!」

テオ様はそれに合わせて剣を抜く。
ルディは手から魔力を放つ。

ぶわっと多すぎる魔力が闘技場を包んだ。そして僕の檻は壊された。パキパキとパラパラと崩れてく様は神々しい。

すっごいなぁ。ルディ、魔力増えてない?テオ様、片膝ついちゃってるよ。魔力が底をついたみたい。

ルディ、めっちゃ怒ってる。バチバチと光魔法が弾けてる。本気で怒ることないもんなぁ。こわ。

先手必勝かな。先に闇魔法、光魔法、風魔法で作った刃を向ける。

ルディの前で弾けて消えたけど。すごい魔力だなぁ。どうしようか。僕は魔力結構使ったからこれ以上の魔力を使えない。
魔力切れになる前に剣術での戦いに変えようか。
僕が左手をうごかしたときにボトリと腕が取れた。いやほんと。切れたとかより落ちた。元から取れかかってた人形脳でみたいに左の関節から落ちた。

やっば。ルディマジでキレてんじゃん。どこが地雷だったんだろ。多分無心だったんだろう。指輪も落ちたから自分の魔力操作だけで刻魔法を使って腕を治す。落ちた腕から自分の指輪を取り外してつける。その間に僕の周りは光魔法の結界。

…壊せないかなぁ。

少し触れたけど僕の魔法を真似したのかバチンと弾かれる。もしかして僕の腕が取れたのこの魔法失敗したからとかかな。起点か想像した位置を間違えたのか。どっちにしろ僕を試し台にしないで欲しい。
失敗したら首飛んでたよね。酷いよなぁ。もしかして怒ってたとかじゃなくて集中してただけとか?

さて、この檻壊せるかな。

《アクティース》

今持つ魔力をぶつけたけれど壊せないどころか床だけが削れた。新作の魔法試したいけどもう魔力もない。

認めたくないけど…負けたな。


「うーん。負けだね。勝ち筋がないや。」

「しゃっ!!!!」

ルディが右手と左足を近ずけてガッツポーズしてる。ムカつくけど完璧にぼくの負けだ。魔力も魔法も剣術も最前の手だった。本当に僕の魔力量の差だけだった。

僕を閉じ込めてたルディの檻も解除されたから左腕をもって外に出る。この腕どうするかなぁ。いらないけどここに捨てていいのかな。変なことに使われたくないから持って帰ろうかな。

「テオ、1と2どっちがいい?」

1なら持って帰ろ。2なら捨てよ。

「1で。」

じゃあ持って帰ろ。

「ルディ、腕を切るなんて酷い。僕でもしなかったよ。」

「お前が動くからだろ。てめぇが悪ぃ。」

知らないもん。ルディが魔法練ってることも知らなかったのに。

「ほんと…天才なんだから。」

うらやまし。
テオ様にもかっこいいすごいっておもわれなかったかも。あーあ。やった意味なかったな。ルディとの勝率は五分五分だけど…もう勝てないかもなぁ。

さっさと帰って新しい錬金術具作ろ。そしたらどうにか勝てるかもしれない。

「次は2人でも絶対に破れない檻作るね。」

「洒落になんねぇんだよ。お前のそれ。」


だって冗談なんかじゃないもん。本気だよ。


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