120 / 212
12歳《中等部》
17
しおりを挟む勘と風魔法で速さを上げてテオ様の剣を迎え撃つ。剣筋をそらしてテオ様目掛けて闇魔法を打ち込む。最悪防御できるでしょ。
テオ様は防御するまでもなく避けちゃって僕が砂埃を被っただけになった。
反射神経すごいよね。義母様もプッツンした瞬間に手が出てたから遺伝なのかな。あ、切れたって思った時には手を振りかざしてたか物を握ってたもん。アレの相手するメイドは大変だったろうな。もう昔の話だけど。
土埃の中を僕はテオ様を目指して駆け抜ける。今度はこっちからだよ。テオ様。
風魔法を付与した剣を右から左にテオ様にぶつける。少しズレたけど止められた。さすがテオ様。ぎゅんぎゅんする感情と兄としてかっこいい所を見てもらいたい気持ちがせめぎあっちゃう。
どう見ても緊張してるテオ様。僕の力を抜いてもう1回テオ様の剣を地面に落とす。力が入りすぎてるから簡単だった。
せめて戦闘不能にしないといけないから闇魔法で檻に閉じ込めようと影を動かす。それと同時にテオ様が剣を振れないように手首に向かって樋を叩き付ける。こういう時日本刀なら刃の逆使えばいいから楽なんだけど。日本刀が恋しいかも。
テオ様はそれでも剣を離さない。体術で脱臼でもさせようかな。でもここで剣を手放したくない。後ろにはルディがいる。対処法はあるけど…周りにバレたくない技だ。いざと言う時の手の内にしたい。でも出し惜しみで負けるのは嫌だからいざとなったら使うよ。
キッと僕の魔法を睨んでるテオ様。体術より剣が上手いから警戒心が魔法に向いてる。いくら得意でも気をつけるべきは両方だろうに。
ちょうど魔法に気が取られてるなら…風魔法で強化した回し蹴りでテオ様をぶっ飛ばす。剣は置いて行ってもらうために魔法で影に取り込んで動かなくした。
だから剣を置いてテオ様は飛んでった。そこで闇魔法を発動させて檻に閉じ込める。背中に僕の檻が当たって空中で止まるテオ様を閉じ込めるように闇魔法を動かした。
そこまで…そこまで準備できたんだけどなぁ。
《ライトスラッシュ》
ルディの邪魔が入る。
ルディの使う光魔法と闇魔法は相性が悪いから僕の魔法も一瞬で無効化される。そもそもの魔力の量はルディが多いし一撃の量もルディの方が上。僕は質で頑張ってるけど簡単に追いつける才能じゃない。
それにしてもテオ様の味方するなんて。混戦なんだからそれはダメでしょ。
ルディに向けても檻を作るように影を動かす。時間稼ぎに過ぎないけれどこういう時の時間稼ぎって意外と侮れない。
テオ様も動けるようになっちゃったしなぁ。テオ様の剣はとりあえずここに置いとこう。万が一空間魔法で仕舞って壊したりして僕のこと嫌いって言われたら立ち直れないし。
左手にある宝石に魔力を貯めていく。ルディも同じように手のひらに魔力を貯めてる。僕はこの錬金術具があるから楽だけどルディにこれ渡したら一生勝てないだろうなっておもうよ。それだけルディの魔法の才能は恐ろしい。
《ダークスラッシュ/ライトレイン》
お互い防御魔法は戦いが始まった時にかけてるから相手の防御魔法を崩すためだけの攻撃魔法を繰り出す。
防御魔法が破られたら瀕死なんだろう。そんなことする皇子様怖すぎ。
274
お気に入りに追加
1,755
あなたにおすすめの小説
モブらしいので目立たないよう逃げ続けます
餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。
まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。
モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。
「アルウィン、君が好きだ」
「え、お断りします」
「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」
目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。
ざまぁ要素あるかも………しれませんね
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
悪役令息の死ぬ前に
やぬい
BL
「あんたら全員最高の馬鹿だ」
ある日、高貴な血筋に生まれた公爵令息であるラインハルト・ニーチェ・デ・サヴォイアが突如として婚約者によって破棄されるという衝撃的な出来事が起こった。
彼が愛し、心から信じていた相手の裏切りに、しかもその新たな相手が自分の義弟だということに彼の心は深く傷ついた。
さらに冤罪をかけられたラインハルトは公爵家の自室に幽閉され、数日後、シーツで作った縄で首を吊っているのを発見された。
青年たちは、ラインハルトの遺体を抱きしめる男からその話を聞いた。その青年たちこそ、マークの元婚約者と義弟とその友人である。
「真実も分からないクセに分かった風になっているガキがいたからラインは死んだんだ」
男によって過去に戻された青年たちは「真実」を見つけられるのか。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
異世界に召喚されて失明したけど幸せです。
るて
BL
僕はシノ。
なんでか異世界に召喚されたみたいです!
でも、声は聴こえるのに目の前が真っ暗なんだろう
あ、失明したらしいっす
うん。まー、別にいーや。
なんかチヤホヤしてもらえて嬉しい!
あと、めっちゃ耳が良くなってたよ( ˘꒳˘)
目が見えなくても僕は戦えます(`✧ω✧´)
迷子の僕の異世界生活
クローナ
BL
高校を卒業と同時に長年暮らした養護施設を出て働き始めて半年。18歳の桜木冬夜は休日に買い物に出たはずなのに突然異世界へ迷い込んでしまった。
通りかかった子供に助けられついていった先は人手不足の宿屋で、衣食住を求め臨時で働く事になった。
その宿屋で出逢ったのは冒険者のクラウス。
冒険者を辞めて騎士に復帰すると言うクラウスに誘われ仕事を求め一緒に王都へ向かい今度は馴染み深い孤児院で働く事に。
神様からの啓示もなく、なぜ自分が迷い込んだのか理由もわからないまま周りの人に助けられながら異世界で幸せになるお話です。
2022,04,02 第二部を始めることに加え読みやすくなればと第一部に章を追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる