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12歳《中等部》
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しおりを挟む僕のクラスは完璧に2分されてる。男は僕とルディの派閥。
男も女もどっちかに別れてる。僕らで色んな人と知り合いになるために学園では離れようって作戦。
ただ護衛役だから一緒にいる時間は長いけど。ルディじゃなくてテオ様なら幸せなのになぁ。
それはそれとしてだ。今日は人前でルディをお茶に誘おう。その流れで僕の家でお茶会でも開けたらいいよね。
僕の周りに群がってる紳士淑女を笑顔で押しのけてルディの前に立つ。この学園に入学して結構経つけどこうやって教室でわざわざ話しかけに行くの初めてかも。
いつも目が合ったら護衛役として一緒に帰ってたくらいだ。物心着く前から一緒だから大抵の事は分かりあってるつもりだよ。
目の前にたった僕を丸い目で見つめてくる。
まだまだ幼い顔つき。ゲームのルディは精端な顔立ちって感じなのになぁ。まだ可愛いって印象だ。
「ルディ殿下、良ければ今日の放課後、西のサロンでお茶でもいかがですか?異国のボードゲームを手に入れたのでよろしければ、弟と僕と3人で。」
「久しぶりだな。クラウスの入れた茶とテオがやってるケーキで手を打ってやるよ。」
「ありがとうございます。」
それでもニヤリと笑った顔はゲームのルディと一緒。やっぱり同一人物なんだよね。なんだか…なんというかゲームだなぁって思っちゃう。
僕も微笑みでその顔に返すけど目まで笑ってる気がしない。
「仲がよろしいんですね。」
「幼馴染だからな。」
あまり学校で話さないもんね。わざわざ時間作ってあっても話ししない時は本当にしないか喧嘩してるかお互い黙ってるかの二択だもん。
仲良いというか落ち着くから一緒にいるの方が正しいかも。それとお互いの打算。
それに人前でルディを誘ったのにもわけがあるし。
「今度僕の家でお茶会でもしようか。少しバタバタするからだいぶあとになるかもしれないけれど…。」
社交の場を作りたかったんだよね。こう言えば滅多にないシルヴェスターのお茶会。口約束でもしたくなるでしょ。
「その時は喜んで出席します!」
「ありがとね。また招待状を出すよ。」
ワラワラと虫のように集まって来る取り巻き。可愛い女の子ですら僕に微笑みかけてくれる。三、四年前じゃ有り得なかった。所詮は金と顔か。
「クラウス様のお菓子と言えば有名なお菓子店を経営してらっしゃいますよね?」
「有名なお店ですわ。数量限定のケーキ、なかなか手に入らなくてやきもきしてますの。」
「懇意にしてくれて嬉しいよ。弟の誕生日にあのお店とレシピごとあげたんだ。ケーキの味の改良は弟が、お茶は僕が手掛けたものだから自信あるんだ。」
「甘いものは苦手で近寄れなかったのですが…甘すぎないものもありますか?」
「あるよ。僕のおすすめはビターケーキだね。」
腰が引けてる男の子たち。性別で言えば圧倒的に貴族の令嬢や夫人が多いんだよね。悪くはないんだけど富裕層みんなを対象にした方が儲けられるから限定されるのはちょっとね。
持ち帰り用のケーキは圧倒的に男の人が多いからお店に入れないだけだとは思う。別の店舗を建ててもいいと思うけどそれはテオ様が決めることだから口出さないようにしてるけど。あのテオ様につけた秘書は何してるんだが。
ちゃんと仕事して欲しい。
「へぇ…。なぁ一緒に行かないか?ご令嬢の中に1人だけっていうのは気が引けるんだ。」
「実は僕もなんだ!」
なんか僕抜きで仲良くなられた。僕がおすすめのケーキ言ったよね?
僕を入れてくれてもいいのにな。つまんないの。
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