推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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12歳《中等部》

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『来月の上旬に帰る。新しい部屋を1つ準備しておくように。』

省略したらそんな感じ。テオ様の時もこんな感じだったな。テオ様の時は義母様とテオ様の2部屋だったけど。
今回は一部屋ってことは新しい殺される弟か。変なのが来ないといいけど。


「新しい部屋を来月までに準備しといて。それと父様の部屋の掃除。義母様にも伝えといてね。」

「奥様には私から伝えます。」

はいはい。アルフレートなら任せられる。何かあっても自衛できるだろうし。

「ついでにあの獣人を使い物にできるようにして。」

「…従者としては使い物になりますが…獣人奴隷をつけるのはいかがでしょうか。」

「僕がいいって言ってるからいいんだよ。」

あまりいい顔はしてなかったけど御意・・の返しを貰った。護衛に関してはあの子以上の人はいない。あの子を殺されたらゲームが始まる。テオ様が処刑されることだけは避けたいからあの子には生きてもらわないと。
最悪ゲームが終わるまで。僕らが卒業するまでは。


でも、新しい弟の性格が分からないんだよね。
正直ゲームでの描写あまりないんだよ。

それに主人公からの視点だから知ってる雰囲気も主人公のものだ。好きな人ならフィルターかかるものだからなぁ。僕もテオ様にフィルターかかってる自信あるし。

できるだけ気にいられるように頑張ろ。


「今日の仕事終わりね。さっさと寝て明日頑張るよ。」

僕が立ち上がれば開けてくれるアルフレート。お茶の片付けもアルフレートなんだけど一体いつ休んでるんだろ。
たまに休み取ってるけど現代の人より少ないんだよね。大丈夫かな。倒れられたら僕が困るんだけど。

「お疲れ様です。クラウス様。」

「アルも休んでね。」






朝食はテオ様と僕は絶対に一緒にとってる。今日必要なこととかいつ帰ってくるかとかの認識合わせの場。
夜はテオ様はあの騎士団長の家に食事に行ったりして仲良くしてるらしい。
僕もテオ様と毎日晩御飯食べたいのにさ。羨ましい。

「兄上、おはようございます。」

「おはよう。いい朝だね。」

テオは先にお茶を飲んでた。いつもいつも朝早いんだよね。偶にアルフレートの代わりに声掛けてくるんだよ。ちょっとやめて欲しい。僕朝は弱いんだよ。テオ様に見せれる顔にするのにいつもいつも布団の上で呻いてる。
テオ様元気だから僕が3度寝しようとしたら病気ですか?大丈夫ですか?出来ることは無いですか?って尋ねてくる。ダラダラ寝てることすらできない。
テオ様が来てくれたらすぐに目が覚めるから嬉しくはあるんだけどなぁ。顔は見せれないんだよね。ブサイクでボサボサすぎるからさ。
10分くらい天井見ながら座ってボーッとしてる。その間にカーテン開けたりお茶入れたり顔拭いてくれたり髪といてくれたりアルフレートが色々やってくれる。

テオはなぜかアルフレートの仕事とかティーダーの仕事をやりたがる。そんな面倒事しなくていいように事業とか秘書とか与えてんのにちょっと分からない。それはそれとして事業は義母様と違って成功の一途を辿ってる。自分で使えばいいのにシルヴェスターに余分な利益を渡してくるいい子っぷり。ちゃんとテオ様枠で貯めてる。テオ様に貢ぐのは僕の役目だから結婚とか爵位を貰った時にテオに返すんだ。
僕は良い子すぎて変なやつに引っ掛からないか心配だよ。

僕も席に着いたところで朝食が並べ始められる。ちゃんと暖かい。温かいご飯って幸せ感じるよね。

「テオ、悪いんだけど話があるから今日の放課後西のサロンでルディも一緒にお茶飲まない?」

「殿下もですか?」

「今日聞くけど多分大丈夫だよ。」

「承知致しました。ただ、殿下にはちゃんと聞いてくださいね。」

「テオってば可愛い。」

「もう。はぐらかさないでください。ちゃんとですよ。兄上は殿下に馴れ馴れしすぎます。」

ほんと可愛い。
ちゃんと聞いてるよ。この国で一番偉いのは皇族。2番目がシルヴェスターだ。今日休むからって言ってダメだって言えるのなんて皇帝陛下と皇后陛下くらいだよ。

シルヴェスターに限っては僕以外いないから誰もいない。

「テオは真面目だね。」

「普通のことです。部活に入って兄上が殿下に馴れ馴れしすぎることを知りました。ほんとうに不敬罪で処されますよ!」


ほんとうに可愛い。テオは皇室とシルヴェスターの関係性がわかってなさすぎるよね。ほんと可愛いや。












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