97 / 212
8歳
94
しおりを挟む
西と北が重かったから次の話し合いの東と南はだいぶ楽。
西は魔力のせいで元々不毛の土地。それを開拓して今じゃ豊かすぎるほどの農地だ。魔力に汚染された土地を開拓したご先祖さまには頭が上がらない。北は寒すぎて今でも不毛だけど。
東はそんな西に負けず劣らずの農地。
南は言わずもがなの貿易の街。この国で五本の指に入るくらいの都市だ。金の成る土地。手放せないよね。
人が集まれば問題も起こるってもの。そこの話し合いって感じかな。南は警備を増やして欲しいって言う要望が上がってるし、東は土の栄養分が少なくなってるって言われた。
東は錬金術でどうにかなるけど南はねぇ…。人の問題だから嫌でもお金が絡む。困ったもんだよね。
今日も今日とて秘書と執事をこき使う。
貧乏性が染み付いちゃってるな。
これからお金持ちになったとしても金持ちのお金の使い方できないや。
「兄上、お手伝いしに来ました!」
えー。可愛い。手伝いしに来たの?昨日の資料の多さを見て来たんだろうけどそんなの使用人にさせとけばいいんだよ。
あーかわいい。癒しだ。もう出会って数ヶ月だけどテオ様の可愛さは衰えを知らないね。あと数年したらここにカッコ良さが加わって僕はテオ様にならなんでもあげるようになるんだろう。テオ様になら下僕にだってなれる。今も奴隷と同じようなものだし。
テオ様のために寝る間も惜しんで働いてる。この功績全部テオ様にあげられる。
自分が汗水垂らして働いた全てを物理的に推しに貢げるなんて最高。もっと搾り取ってくれても構わない。
でもそれするとテオ様の将来が心配だから程々に貢がないとね。
「そう?じゃあ僕を連れて行ってもらえる?」
テオ様の前に手を差し出して手を引いてもらう。はぁ幸せ。フニフニおてて。もうすぐ剣の扱いになれてこの手も硬くなるんだろうね。
「俺は荷物をもちに来たんですが…。」
「使用人に任せておけばいいんだよ。」
少し目を煌めかせた2人は無視。
お前らに助けなんていらないよね。少しくらい頑張りな。僕が昨夜必死に集めた資料たちだ。大事にして欲しい。
「テオは剣術と魔法どっちが楽しい?」
「剣術が好きです。魔法も好きですが体を動かす方が好きです。」
そこはゲームと変わんないのか。じゃあ剣技を身につけるのも時間の問題か。魔獣の活発化が早いかテオ様の才能の勝利か。
あー。やになるね。
「もう少し強くなったら僕と手合わせしてもらわないとね。」
「楽しみにしています。兄上はいつもどんな訓練をしているんですか?」
「とにかく実践かな。魔物に対して魔法を叩き込みながら切り倒す。そんなことばかりしてるよ。」
「…強くなりますか?」
「どうだろう。ストレス発散にはなるよ。ただルディが今のところ一番ストレス発散になるけど。」
バッサバッサと切り倒す。魔法の制度が上がるのが分かる。すっごく楽しい。
「ルディ様はお強いですから。」
「それに魔法打ちながら動いてくれるからこっちも本気でいけるんだよね。魔法大会でもだけどみんな魔法打ってる時止まってるんだよ。狙いやすくてたまんないね。」
「もし兄上のような戦い方ができるのなら戦争になった場合、魔法師は一掃できますね。」
えー。殺伐としたテオ様もかっこいいね。
「ヤル気だね。」
「ち、違います。もしもの話です。皇国も対抗策を立てなければと思っただけです。」
「いいと思うよ。僕もよく考える。」
平和なのが1番だけどないとも言えないのがこの世界。
今だって少し離れた国は隣の国と争ってるし人は減る。宮廷も戦争にならないように一生懸命考え尽くしてるけど国の流れなんてわかんないからね。
僕は僕で色々火種の1つくらいは残しておきたい。ルディの皇太子即位のために使えるかもしれないし。
昼食の間について昨日と同じように少し豪華な昼食を終えて領地の話をする。
東には錬金術のことは控えてそういう魔法具があるから渡すと念書を交わす。南とは航路を広げて欲しいと依頼を出した。
昨日と比べて本っ当に楽。楽すぎておやつの時間の前には終わった。
昨日なんて結局夕食後もあれやらそれやらと話を続けたからね。その後は今日の資料をまとめたりして。
有意義ではあるけれど疲れる。
ハーノルトは北の領主代理が帰るときに一緒に向かうらしいからしばらくは離れで住むことになってる。
いるうちにお風呂のこと僕なりにまとめて聞いておきたいことがあるんだ。早くしないとなぁ。今日の夕食は早めに食べてテオ様と部屋に篭ろうか。
「テオ、プレゼントの話したいから後で部屋においで。僕もすることあるからゆっくり食べてね。」
キラキラとした目で見あげてくるテオ様は本当に天使。かわいい。ゆっくり食べて大きくなるんだよ。
まぁそれはそれとしてだ。
「ハーノルト。お前は今すぐ僕と来て。北に行く前に仕事終わらせてもらうからね。」
意地汚くテーブルにしがみついて離れないけら影魔法で檻に入れて引きずる。本当に手間をかけさせないで。
「お、俺のご飯…。食い溜めしないと…俺のめしぃ。」
うっるさいなぁ。
持ってこさせてあげるから黙って着いてきてよ。
西は魔力のせいで元々不毛の土地。それを開拓して今じゃ豊かすぎるほどの農地だ。魔力に汚染された土地を開拓したご先祖さまには頭が上がらない。北は寒すぎて今でも不毛だけど。
東はそんな西に負けず劣らずの農地。
南は言わずもがなの貿易の街。この国で五本の指に入るくらいの都市だ。金の成る土地。手放せないよね。
人が集まれば問題も起こるってもの。そこの話し合いって感じかな。南は警備を増やして欲しいって言う要望が上がってるし、東は土の栄養分が少なくなってるって言われた。
東は錬金術でどうにかなるけど南はねぇ…。人の問題だから嫌でもお金が絡む。困ったもんだよね。
今日も今日とて秘書と執事をこき使う。
貧乏性が染み付いちゃってるな。
これからお金持ちになったとしても金持ちのお金の使い方できないや。
「兄上、お手伝いしに来ました!」
えー。可愛い。手伝いしに来たの?昨日の資料の多さを見て来たんだろうけどそんなの使用人にさせとけばいいんだよ。
あーかわいい。癒しだ。もう出会って数ヶ月だけどテオ様の可愛さは衰えを知らないね。あと数年したらここにカッコ良さが加わって僕はテオ様にならなんでもあげるようになるんだろう。テオ様になら下僕にだってなれる。今も奴隷と同じようなものだし。
テオ様のために寝る間も惜しんで働いてる。この功績全部テオ様にあげられる。
自分が汗水垂らして働いた全てを物理的に推しに貢げるなんて最高。もっと搾り取ってくれても構わない。
でもそれするとテオ様の将来が心配だから程々に貢がないとね。
「そう?じゃあ僕を連れて行ってもらえる?」
テオ様の前に手を差し出して手を引いてもらう。はぁ幸せ。フニフニおてて。もうすぐ剣の扱いになれてこの手も硬くなるんだろうね。
「俺は荷物をもちに来たんですが…。」
「使用人に任せておけばいいんだよ。」
少し目を煌めかせた2人は無視。
お前らに助けなんていらないよね。少しくらい頑張りな。僕が昨夜必死に集めた資料たちだ。大事にして欲しい。
「テオは剣術と魔法どっちが楽しい?」
「剣術が好きです。魔法も好きですが体を動かす方が好きです。」
そこはゲームと変わんないのか。じゃあ剣技を身につけるのも時間の問題か。魔獣の活発化が早いかテオ様の才能の勝利か。
あー。やになるね。
「もう少し強くなったら僕と手合わせしてもらわないとね。」
「楽しみにしています。兄上はいつもどんな訓練をしているんですか?」
「とにかく実践かな。魔物に対して魔法を叩き込みながら切り倒す。そんなことばかりしてるよ。」
「…強くなりますか?」
「どうだろう。ストレス発散にはなるよ。ただルディが今のところ一番ストレス発散になるけど。」
バッサバッサと切り倒す。魔法の制度が上がるのが分かる。すっごく楽しい。
「ルディ様はお強いですから。」
「それに魔法打ちながら動いてくれるからこっちも本気でいけるんだよね。魔法大会でもだけどみんな魔法打ってる時止まってるんだよ。狙いやすくてたまんないね。」
「もし兄上のような戦い方ができるのなら戦争になった場合、魔法師は一掃できますね。」
えー。殺伐としたテオ様もかっこいいね。
「ヤル気だね。」
「ち、違います。もしもの話です。皇国も対抗策を立てなければと思っただけです。」
「いいと思うよ。僕もよく考える。」
平和なのが1番だけどないとも言えないのがこの世界。
今だって少し離れた国は隣の国と争ってるし人は減る。宮廷も戦争にならないように一生懸命考え尽くしてるけど国の流れなんてわかんないからね。
僕は僕で色々火種の1つくらいは残しておきたい。ルディの皇太子即位のために使えるかもしれないし。
昼食の間について昨日と同じように少し豪華な昼食を終えて領地の話をする。
東には錬金術のことは控えてそういう魔法具があるから渡すと念書を交わす。南とは航路を広げて欲しいと依頼を出した。
昨日と比べて本っ当に楽。楽すぎておやつの時間の前には終わった。
昨日なんて結局夕食後もあれやらそれやらと話を続けたからね。その後は今日の資料をまとめたりして。
有意義ではあるけれど疲れる。
ハーノルトは北の領主代理が帰るときに一緒に向かうらしいからしばらくは離れで住むことになってる。
いるうちにお風呂のこと僕なりにまとめて聞いておきたいことがあるんだ。早くしないとなぁ。今日の夕食は早めに食べてテオ様と部屋に篭ろうか。
「テオ、プレゼントの話したいから後で部屋においで。僕もすることあるからゆっくり食べてね。」
キラキラとした目で見あげてくるテオ様は本当に天使。かわいい。ゆっくり食べて大きくなるんだよ。
まぁそれはそれとしてだ。
「ハーノルト。お前は今すぐ僕と来て。北に行く前に仕事終わらせてもらうからね。」
意地汚くテーブルにしがみついて離れないけら影魔法で檻に入れて引きずる。本当に手間をかけさせないで。
「お、俺のご飯…。食い溜めしないと…俺のめしぃ。」
うっるさいなぁ。
持ってこさせてあげるから黙って着いてきてよ。
158
お気に入りに追加
2,358
あなたにおすすめの小説
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。

嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
その男、有能につき……
大和撫子
BL
俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか?
「君、どうかしたのかい?」
その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。
黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。
彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。
だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。
大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?
更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

心からの愛してる
マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。
全寮制男子校
嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります
※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる