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8歳
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良い出会いがあったなぁ。
早く帰ってアルと話しないと。あと一ヶ月後にはテオ様の誕生日だからね。その日に領主を集めてテオ様と顔合わせっていうのも悪くないかも。
錬金術師の答えを聞きに行って今は帰り。
いい返事を貰えたよ。カイロもどきは改良できなかったけどチョコレートの粉砕機&混ぜる機械は改良されてた。
本当に粉砕できたからね。もうさ、粉々。あちこちから少ない魔力を飛ばして粉砕してるらしい。でも使う魔力は少ない。
原理としてはホースを遠くに飛ばすみたいに穴を小さくして同じ量でも飛ばす勢を強くしてるらしい。
前世もないのによく作ったと思う。
これに関しては金額10枚返したよ。1人1枚ね。
実力があるならそれに合わせてあげないと。何よりこのままじゃテオ様の誕生日に間に合わなかったからもっとあげたいくらい。でも公爵家にお金が無いからなぁ。そこは謝るよ。
もうほくほく。溜まってた仕事も終わった。テオ様の誕生日に間に合わないかもと焦ってたからそこの余裕もできる。
明日からはまた訓練と領地経営の案出しの日々。
やっと体を動かせる。もう腰も肩もバキバキだよ。
屋敷に着いてすぐに調理場に向かう。チョコレート研究してる子いると思うんだけどいなかったら1回持って部屋に戻ろ。
当然のように今日のおやつ用の茶色いドロドロしたものをかき混ぜる子がいた。作ってる途中だったか。毎日毎日飽きもせずに僕の理想のチョコレートを作ろうとしてくれるこの子には頭が下がる。
「これ、新作。良かったら使ってみて。」
混ぜる機械と粉砕機を渡して僕は部屋に戻る。
今日はゆっくり本でも読もうかな。
▽
▽
▽
「クラウス様、昨日持ち寄られた魔法具で作られたチョコレートケーキどのことです。」
魔法具ね。くわしくは魔法具じゃないけど。
まぁいいか。錬金術具だなんて言えば使ってくれないだろうし。
アルはいつものように僕の前に自分の紅茶も準備してチョコレートケーキを置いて座った。
もういいよ。隠れて食えなんて言わないよ。本当に困った子だな。
僕もまずは紅茶に口をつけてケーキの皿を手に取る。どうかな。
おぉ。あの混ざってない時のザラザラ感がない。
前世のチョコレートには遠く及ばないけど舌の上でとろけるこの感じ。それでずっと甘さが口に残る。
美味し~。やっと美味しく食べられるものができた。
でも甘すぎるかな。苦くするにはカカオを増やすべきだよね。ここはテオ様の好みで変えるとして…一旦は合格点かな。
最悪これを誕生日に出して残りはテオ様に合うように少しずつ改良を加えようか。テオ様の好みは僕が聞き出せばいいし。
チョコレートの甘味を暖かい紅茶で胃に流す。
「アル、どう?」
「美味しいです。」
反応薄いな。
顔を上げてアルフレートをみたら黙々と食べてる。
紅茶も無駄話もする気がなくなるくらい美味しかったのかな。
今度カカオ多めのケーキ作ってもらお。ビターチョコってことで売り出してもいいかも。今の甘さはホワイトチョコくらい甘い。嫌いじゃないんだけどミルクチョコくらいが好きかも。甘いの苦手な人はビターチョコで。
「食べ終わったら作った子連れてきて。」
「承知致しました。」
次の二口目も味わって飲み込む。あまっ。でも癖になる味だね。美味しいや。
そういえばチョコレートには幸せに感じる成分が入ってるらしい。テオ様と一緒に食べたらもっと幸せだろうな。早く一緒に食べたいな。
早く帰ってアルと話しないと。あと一ヶ月後にはテオ様の誕生日だからね。その日に領主を集めてテオ様と顔合わせっていうのも悪くないかも。
錬金術師の答えを聞きに行って今は帰り。
いい返事を貰えたよ。カイロもどきは改良できなかったけどチョコレートの粉砕機&混ぜる機械は改良されてた。
本当に粉砕できたからね。もうさ、粉々。あちこちから少ない魔力を飛ばして粉砕してるらしい。でも使う魔力は少ない。
原理としてはホースを遠くに飛ばすみたいに穴を小さくして同じ量でも飛ばす勢を強くしてるらしい。
前世もないのによく作ったと思う。
これに関しては金額10枚返したよ。1人1枚ね。
実力があるならそれに合わせてあげないと。何よりこのままじゃテオ様の誕生日に間に合わなかったからもっとあげたいくらい。でも公爵家にお金が無いからなぁ。そこは謝るよ。
もうほくほく。溜まってた仕事も終わった。テオ様の誕生日に間に合わないかもと焦ってたからそこの余裕もできる。
明日からはまた訓練と領地経営の案出しの日々。
やっと体を動かせる。もう腰も肩もバキバキだよ。
屋敷に着いてすぐに調理場に向かう。チョコレート研究してる子いると思うんだけどいなかったら1回持って部屋に戻ろ。
当然のように今日のおやつ用の茶色いドロドロしたものをかき混ぜる子がいた。作ってる途中だったか。毎日毎日飽きもせずに僕の理想のチョコレートを作ろうとしてくれるこの子には頭が下がる。
「これ、新作。良かったら使ってみて。」
混ぜる機械と粉砕機を渡して僕は部屋に戻る。
今日はゆっくり本でも読もうかな。
▽
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▽
「クラウス様、昨日持ち寄られた魔法具で作られたチョコレートケーキどのことです。」
魔法具ね。くわしくは魔法具じゃないけど。
まぁいいか。錬金術具だなんて言えば使ってくれないだろうし。
アルはいつものように僕の前に自分の紅茶も準備してチョコレートケーキを置いて座った。
もういいよ。隠れて食えなんて言わないよ。本当に困った子だな。
僕もまずは紅茶に口をつけてケーキの皿を手に取る。どうかな。
おぉ。あの混ざってない時のザラザラ感がない。
前世のチョコレートには遠く及ばないけど舌の上でとろけるこの感じ。それでずっと甘さが口に残る。
美味し~。やっと美味しく食べられるものができた。
でも甘すぎるかな。苦くするにはカカオを増やすべきだよね。ここはテオ様の好みで変えるとして…一旦は合格点かな。
最悪これを誕生日に出して残りはテオ様に合うように少しずつ改良を加えようか。テオ様の好みは僕が聞き出せばいいし。
チョコレートの甘味を暖かい紅茶で胃に流す。
「アル、どう?」
「美味しいです。」
反応薄いな。
顔を上げてアルフレートをみたら黙々と食べてる。
紅茶も無駄話もする気がなくなるくらい美味しかったのかな。
今度カカオ多めのケーキ作ってもらお。ビターチョコってことで売り出してもいいかも。今の甘さはホワイトチョコくらい甘い。嫌いじゃないんだけどミルクチョコくらいが好きかも。甘いの苦手な人はビターチョコで。
「食べ終わったら作った子連れてきて。」
「承知致しました。」
次の二口目も味わって飲み込む。あまっ。でも癖になる味だね。美味しいや。
そういえばチョコレートには幸せに感じる成分が入ってるらしい。テオ様と一緒に食べたらもっと幸せだろうな。早く一緒に食べたいな。
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ですので、作中に古いものが登場する事が多々あります。
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