推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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8歳

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はぁ…疲れた。

義母様からの返答はないから勝手にこっちで進めてる。
テオ様はいい反応だったから土地自体を準備させて内装はテオ様に決めてもらう予定。テオ様に権利をあげる予定のチョコレートはまだザラザラ感が残ってて奮闘中。

料理人もだけど僕もカカオもどきを粉砕して砂糖を上手く混ぜる道具に手を加えてる。ここばかりは僕の作業だろう。

カイロもどきは使えそうだと。もっと大きいものがいいらしい。だから公営として廃鉱に行って砂鉄を集めさせるって仕事を北の領地に割り振った。もっと言えば土。錬金術の分解の段階で砂鉄と土は分離できるからね。土を送ってくれればこっちで何とかする。
でも向こうで終わらせて欲しいから信用できる錬金術師を向こうに置きたい。

早くスラムに行った方が仕事は早く進みそう。息抜きも兼ねて話し合いに行くか。

「休憩ですか?」

「いや。街に気分転換に出るよ。」

「承知致しました。服装は如何されますか?」

「このままでいいよ。貴族ってわかる方がいい。」

アルは一礼して部屋から出ていった。少ししたら身なりを整えるためにメラニーが来るだろう。

背伸びをすればパキパキと腕と背中が音を鳴らす。

よし。できる所まで進めよ。






コンコンコンという音が響く。来たか。

「どうぞ。」

「失礼致します。」

案の定メラニーが来てた。アルは馬車の用意でもしてくれたかな。

僕も立って隣の衣装部屋に移動する。
ここもハンガーに外行きの服と訓練用の服を吊り下げてるだけ。他人どころかテオ様も入れられない。はしたないなんて軽蔑されたら泣く。でもこの家無駄に広いから時間短縮になるから辞められない。

「クラウス様、いい加減止めませんか?」

「もっと家を狭く建て替えるなら考えるよ。」

「はぁ。」

そんなため息つかないでよ。母様いないし好き放題してる自覚はある。でも少しくらいいいじゃんね。アルとメラニーしか入んないから外に漏れることもないんだし。

そんな態度でもテキパキと手を動かすメラニー。さっすがだね。母様のお気に入りで僕の乳母だけはある。あの母様がよく息子とはいえ僕に貸してくれたな。

「どこを見ても素晴らしい貴族です。クラウス様。」

「ありがとね。宝石類は置いてくよ。」

「ではこちらの耳飾りはいかがですか?」

「そのくらいなら…。いいよ。」

スラムに行くのに宝石とか襲ってくれって言ってるようなものじゃない。
おおこわ。

いつもの魔力循環を良くする指輪と件を刺して鏡の前で一回転。悪くないね。ピアスは黄色。なんだったかな。あれだよ。ほら。

…シトリン?そうシトリン。

社交性って石言葉もあったはず。ちょうどいい。


外を確認すれば馬車が入口に鎮座してる。本当に仕事が早くて助かるよ。

今日はメラニーを連れ立って玄関に向かう。アルもメラニーも無駄話しないから好きだよ。アルは無駄話というか、ちょっとアホっぽいことするからそこも逆に利点かな。テオ様がアルになら言ってもいいって判断下すようになってきた。

いいことだよ。僕に言えないこともあるだろうしね。アルはなんでも報告してくるからテオ様の秘密なんて筒抜けなんだけど。

なんと言っても、2人とも僕が考え事してる時には話しかけてこないよ。空気読める子たで好き。









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