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8歳

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「公爵家でも不敬罪などあるんですか?」

「クラウス様は特別ですから。」

テオ様が首を傾げて直ぐに戻に戻した。
分かんなかったんだろうなぁ。癖を直そうとしているのも分かる。でも可愛いだけなんだよな。本当に可愛い。仕草一つでこんなに幸せになれるんだね。

「僕は光魔法の先祖返りのせいで皇位継承権があるんだよ。法律で僕も一応皇族の一員って訳。」

「そんなことが?」

「皇后陛下のお腹から生まれても光魔法を受け継がないと皇位継承権はないからね。逆に平民の出でも光魔法を持っていれば皇宮で暮らして皇位継承権が発生する。僕は闇魔法も光魔法もあるシルヴェスター公子だからこっちで暮らしてるけど皇位継承権はあるんだよ。しかもさ、テオも闇魔法の使い手でしょ?色々と話は出てるんだよ。」

面倒なことにね。別に皇位とか興味ないから面倒なことに巻き込まないで欲しい。

「クラウス様...。」
「兄上、俺にできることがあるなら言ってください。守られるだけなんて性にあいません。」

いい子なんだよね。ただ、今テオに表舞台に立たれるとこっちが困る。テオはできれば僕が仲良くない人達と仲良くして欲しいし。
そうすれば万が一ルディが皇太子になれなくてもテオがシルヴェスター公爵になることで公爵家自体はく守れるもん。

「...良い子だね。でもさ、ややこしいんだよ。僕もテオも、ルディもさ。どれだけ大人になるまでに立場を固められるかが鍵だ。弱みはもちろん負けたら足元をすくわれる。だから出来ることといえば、皇族よりも誰よりも強く賢く逞しく、それでいて余裕を見せることかな。」


「だからこそ公爵様が邪魔なのでは?」


本当にわかってない。
父様には今のところ情は湧いてない。12歳にでもなって僕がシルヴェスター公爵になったら種無しになる薬飲ませて領地に送る予定だ。種さえなければどこの女性と遊んぼうが駆け落ちしようが好きにすればいい。

万が一、僕やテオに新しい弟を殺したという罪に晒されるのなら父様を差し出せばいいだけのこと。
新しい弟を殺す気はないしなんならあのわんちゃんに護衛させるつもりだ。テオ様の幸せを守るためにも殺させはしないよ。


「分かってないな。切れる首は多い方がいいじゃない。」

「「そういうところですよ。」」


どういうところだよ。
なにがそんなに君たちを警戒させるんだか。

お茶を口に含んでため息を押し殺す。どうやったら母様みたいに人心掌握できるんだろ。僕には苦手だなぁ。なにもしてないのに嫌われる。
騎士団長の息子でしょ?第2皇子でしょ?

最悪テオ様に嫌われなければなんでもいいけどさぁ。

「そういえばテオは経営に興味ある?」

「母様に言ってたやつですか?」

「いや、義母様が断るならそれは僕が受け持つよ。テオはもっと別のやつ。どうかな?」

勝手にチョコのお店あげようと思ってたけど利益だけ欲しい人もいるもんね。アルに言われて気づいた。経営することが当たり前って母様のせいで思い込んでたけどそうじゃないよね。貴族だもん。パトロンとして利益だけもらうっていう手もあるもんね。

絶対に売れるとわかってるものだ。経験としてはいい店だと思うんだけどなぁ。

「テオならできると信じてるからね。でも初めてのことだから、人はつけるつもり。集まらないなら僕が確認するよ。どうかな?」

まだ早いかな。10歳にもなってないもんね。
でもここでは掛け算できたら上出来なレベルだし。テオならできると思うんだよね。

テオ様はじっと僕を見つめてきた。え~可愛いんだけど。僕もじっと見つめ返す。可愛いからね。目をそらすなんてありえない。

どうかな。好きにできる財産って貴重だと思う。パーティや学校とか公子として必要な支出は公爵家で持つし悪くないと思うんだよ。失敗しても損はないしね。代わりに僕が経営すればいいもん。

「兄上の信頼に答えます。」

しっかりとした目で見つめて心したように僕にそう言った。本当に真面目だね。それでこそテオ様。可愛くて仕方ない。

「良い子。準備が出来たら声をかけるから頑張るんだよ。」









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