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8歳
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しおりを挟む「教師はなぜ?」
「知ってること教える教師なんていらなくない?興味のある話もしないし。暗記なら1人の方が捗るよ。」
好きかって言わないでよね。
覚えてるのに横からべらべらど口を動かすのやめて欲しくて母様に言ったら次の日からいなくなっただけだ。
僕も「ちょっと口閉じれる?」と言ったのに言う事聞かないし。向こうが悪い。
だから母様から1番初めに習った風魔法は音を消す魔法。あの小うるさい教師のせい。
「私はそこから学ぶこともあると思いますね。ですよね、テオ様。」
「まぁ...兄上だからな。」
だからその僕だからって言うのやめて欲しい。
うるさいから母様が辞めさせたの。
みんな僕のこと信用しすぎなんだよね。
錬金術の才能しかないし。それも僕がクラウスの中に入ったせいで半減してる気もしなくない。
「みんなそれ言うよね。僕だって完璧じゃないんだよ。偏見ばかりしちゃってさ。」
「クラウス様は子供ながらに大人顔負けの経営をしてますからね。」
「母様の後を追ってるだけだ。誰にでもできるさ。」
本当に誰でもできるよ。僕じゃなくても代わりはいる。世界ってそういうものでしょ。
前世で僕の死を傷んでくれたのは家族だけじゃないのかな。
僕がいたら社会の金回りが少し良くなるくらいの利点しかない。家族にとったら金食い虫。いいとこなしだったもんね。
僕も死ぬのは怖かったからなんだかんだ生きてたけど、生きるのもしんどかった。体力無さすぎて眠ることも出来なかった。今じゃ毎日熟睡だもん。
それにもう悲しんでくれる家族もいないし僕がいる利点はこの世界にはない。
ただただ僕がテオ様を愛でたいがために生きてる。
なんて幸せなんだろう。前世では味わえなかった充足感。
幸せ~♡
「兄上は前公爵夫人とよく似ているのか?」
そこ気になるの?父様に似てないから母様に似てると思うけど。
「全く似ていません。」
「父様よりも母様に似ているとよく言われるよ。」
父様に似てるところなんて魔力くらいじゃないの。
魔力の質も似てないから2人と色も違うし。
母様は薄緑。父様は灰色。僕は漆黒。誰にも似てない。
別にいいけど。この髪色だけは前世の僕と同じで好きなんだ。
「幼い頃から奥様に付き従っていますが...奥様はクラウス様のように強くはありませんでしたから。」
「僕の知ってる母様は強かったけれど演技か。」
「シルヴェスター公爵夫人になられてからは別人のように強くなられましたよ。元々侯爵家のためと言って強い方ではありましたがもっと強くなられました。」
「ふぅん。そういや映像石あるよ。テオ、気になるなら見る?」
「いいんですか?みたいです。」
はわぁ可愛い~!いいよ!全部見せてあげる。
僕は母様のこと母親と見ないからあまりみないんだよね。
母様の残した映像いい機会だし見てみようかな。
死んでそこそこ経つけど思い出して悲しくなることもないしね。寂しいなはあるよ。8年一緒にいたんだもん。寂しいなぁとは思う。今でも義母様のいる部屋を開けたら義母様とは似ても似つかない静かな女性がいるんじゃないのかなって思うよ。
「母様かぁ。懐かしいな。」
「今思い出されたように言うんですね。」
「まぁね。忙しかったからろくに思い出す時間もなかったよ。」
アルフレートは少し眉を下げてそのまま部屋から出ていった。
珍しい。いつも引っ付いてくるのに。
食事が終わって部屋から出てらアルフレートは外にいた。なんかやり残した仕事でもあったのかな。
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