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8歳
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しおりを挟む次の挨拶は皇后陛下。一緒に第2皇子。
あの二人いつも一緒にいる。ルディは逆にいつも1人。
第2王子はルディと同じ金の目と金の髪。でも薄い金色だから才能はないんだろう。彩度が高いほど魔力があるからね。
光魔法なら、光のような金色とかインゴットのような金色ともく言われる。
ルディがいい例。光るような金。薄い金と何が違うのかって聞かれたら困るけど…光魔法はまじで物理的に光ってる。光が当たったら蛍光灯みたい。
ほら。夜に白い服の人いたら目立つじゃん。あんな感じでなんか光ってる。サイドの高い人はみんなそう。なんか光ってる。暗闇だろうが日の下だろうがなんか光ってる。
僕の中でのあだ名は蛍。おしりじゃなくて頭が光ってるけど。
だから第2皇子は光ってないから目にいい。結構すきだよ。
「皇后陛下、第2皇子殿下にご挨拶申し上げます。」
「ご機嫌よう。」
「久しぶりだな。シルヴェスター公子。」
本当に目に優しいお2人だな。光ってなくてとってもいい。
「今回の優勝おめでとう。お祝いはアレで良かったの?もう決まっていることなのに…。」
「義弟が怖いのか?」
第2皇子はなんか僕のこと嫌ってるんだよなぁ。こんなのでも攻略対象。仲良くしておきたいんだよね。
無理ならテオ様に頼んで取り入ってもらうけど。テオ様は友人を売るようなタイプでは無いからなぁ。
そこがテオ様のいいところだけど。
なんなら僕と友人の間で苦悩するテオ様も好み。これ、2次元創作のやつね。ヨダレもんだよ。好きだったなぁ。僕基本雑食だから推しが出てたらなんでもいけちゃう。
推しならどんなものでも愛でられる自信がある。可哀想なのは可哀想…ってなるけどまぁうん。見たくないほどではない。
「弟は才能の塊ですからね。すぐにでも私なんて追いつきますよ。ただ…つい先程自分が約束だと信じていたことが破られたんです。」
いつもの仮面を脱ぎ捨てて少しだけ眉を下げて下を向く。
「そんなことが?信用ならない人ね。さっきと言うことはここにいる人?」
案の定乗っかってくれる皇后様。
多分可哀想な子供を庇う優しい女を演じたいんだろう。乗ってくれるなら続けるけるけど。子供って便利だよね。
「陛下までもそんなことしないのは分かっているんです。ただ信じていたぶん…ショックで…。」
「酷い人。クラウスは私の子供のような子なのに…。私が懲らしめて差し上げます。」
「ありがとうございます。ですがこれも勉強ですから。陛下のお優しい心だけいただきますね。」
握ってくれた皇后の手をゆっくりと離す。そこまで許したつもりはない。
「騙される方が悪いんですよ。母上。」
第2皇子、それは思っていてもここで言うべきじゃないよ。
貴族は見栄だけで生きてるんだから。だからそれは貴族社会から追い出されるよ。可哀想な人には言葉だけでも寄り添うことが必要なの。
案の定僕らの周りだけ音がしなくなった。第2皇子だから非難もできないし、宥めることもできないってところだろう。
「皇子!!なんてことを…!」
顔を真っ赤にした皇后が声を震わせてなにか言おうとする。言葉になってないから何を言いたいのか分からないけど。
「いえ、殿下の言うことにも一理ありますから…。」
ここまで第2皇子を貶めたなら今回はいいかな。地位から落とすなら徐々にだよ。
「クラウス騙されたのか?どんなやつだよ。お前騙した強者。」
ルディ…お前は向こうで待ってて欲しかった。いくら母親がいてもここに来て欲しくなかった。
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