推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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8歳

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もう片方の準々決勝も流石の戦いだった。全部知ってたけど精度が違う。僕もあそこを目指したいな。同じ初級魔法でも密度が濃くて殺傷力も高い。
魔法塔塔主の弟子は3種類の魔法を持ってるらしい。全部とは言わないが水魔法の質が1番高い。これなら独自の魔法も隠し持ってそう。
いいなぁ水魔法。闇とか光よりも土魔法とか水魔法の方が使い勝手いいんだよね。畑を耕すのも土魔法でできるし、探知系だって土魔法は特化してる。水もポーション代わりにもなるし、応用効くからね。

あ。弟子の方と目があった。決める気だな。

《ウォーターボール》

そう呟いた。水の玉?なんて思ってたけど笑えないな。相手が水の塊に飲まれて揉みくちやにされてる。洗濯機に人入れたらあんな風なんだろう。

その魔法が止んだら中にいは人はくたりとして動かない。防ぐ方法考えとかないとなぁ。


「勝てそうですか?公子様。」

フレーミヒ卿。急に馴れ馴れしいな。この人もこの人で分析してたんだろうけど。

「もちろん、最善を尽くします。その上で勝つかどうかは運任せですね。」

微笑みを乗せて答えてあげる。ゲームのクラウスも外ズラだけはいいからね。

「貴方の戦い方はそういったものは感じませんでしたね。魔力から全部計算尽くされたものと見えました。…私の時に詠唱するつもりはなかったんでしょう?」

「バレてましたか。えぇ。あまりにも舐めてました。さすが皇宮主催の大会だ。」

フレーミヒ卿は僕と同じ段に昇ってきて耳に口を近づけてきた。ほんと不敬罪で殴ってやりたいんだけど。あんまり人にベタベタされるの好きじゃないんだよ。テオ様以外ね。



「…私が思うに平民も入れた方が良いと思うんです。」

それは…下手したら不敬罪だよ。生まれがどこかなんて知らないけど僕にそれを関わらせないで欲しい。

「日の下に出られなくなるのと下に降りるのどちらが良いですか?」

「降ります。」

「いい子は好きだよ。」

さっきまでの不敬な態度と違ってすごい早く降りてった。なんか面白い。別に皇宮の話じゃなきゃ乗ってたけど皇族に手を出すのはヤバいからね。さすがに乗らないよ。

少し面白くてくすくす笑ってたらフレーミヒ卿もなんかツボったのか上品に笑った。お互い多分何に笑ってるのか分かってないけど2人でくすくす笑う。

もう!やめてよ。なんかツボに入ってやめらんないじゃん。







2人で笑いあってたら試合が終わって僕の番になった。
あー笑った。なんか疲れちゃった。

「こーし様!ふぁいとー!!」

ほんとにこいつ不敬だな。もう。気に入っちゃったじゃん。でもまぁ返事はしてあげないけど。

テオ様は今のどう思ってんだろと観客席を見たら眉間に皺を寄せてフレーミヒ卿を見てた。ぶちゃいくな顔になるはずなのにテオ様は相変わらず可愛らしい。にしてもあんな顔できるんだ。かっわいい~!!!!!!

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