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8歳

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適当に魔法を打って魔力を流してく。調子はいいね。やっぱり朝にテオ様から贈り物を貰ったからかも。左手首につけてもらったから左で撃とうかな。

でも手首の紐が見える度にニヤニヤが止まらなくなる。
機嫌よく保管できる程度にポコポコと魔法を打つ。いい。めちゃくちゃいい。テオ様が来るから強さを見せつけるような魔法も打ちたい。

ゲームの完璧超人クラウスももしかしたら弟にかっこよく見られたくて頑張ってたのかも。

「クラウス。」

聞きなれた声だと思えばルディ。
始まってないとはいえ人目があるから臣下の礼を取っておく。初めだけね。

「第1皇子殿下にご挨拶申し上げます。」

「はよ。調子はどうだ?」

ルディは相変わらず。尊大だよね。まぁ第1皇子だから当たり前だけど。

「いいよ。今ならどんな魔法師でも一撃で潰せそう。」

テオ様パワーだね。マジでやる気にみなぎってる。
頭の中なんてふわふわ。足元もふわふわ。飛んでるみたい。

「調子乗りすぎな。クラウス、魔法塔と宮廷魔法団長の弟子が出てるんだと。あの2人仲悪ぃから弟子で落とし前つけようって腹だ。気をつけとけよ。」

めちゃくちゃどうでもいい。


「ねぇルディ。」

ルディに耳を出せと合図する。よってきたルディに防音魔法をかけて小さい声で伝える。

「僕その2人先に当たった方殺すからかっこよく生き返らせてよ。」

「はぁ!?」

うるさっ。言った通りに動けばいいのに。
第2皇子の皇帝になりたいって気持ちをズタズタにしたいの。
ルディに逆らえば僕が動く。シルヴェスターは第1皇子を押すというところを見せつけたいの。

「できるでしょ?」

「できるけどよ。なんでそんなことするんだよ。」

「僕らの力を見せつけるため。逆らったらどうなるか教えてやろうよ。」

片側の表情をしかめてくる。僕がやるんだからルディも共犯だよ。


「俺も含まれてんの?」

「うん。ルディを皇帝にするって決めたからね。今のうちに第2皇子潰しとこうよ。」

「えげつねぇの。」

嫌だったかな。仮にも弟。さすがに嫌なら僕も辞めるよ。
僕もルディにテオ様を傷つけろって言われたらルディの方殺すし。

「こういうのは嫌い?」

「大好きに決まってら。終わったら貴族つぶし手伝えよ。」

「いーよ。」

ルディはなんだかんだ正義感が強いから腐った貴族を潰したくて仕方ないらしい。
僕はよくわかんないなぁ。使えないなら使えないなりに使い潰せばいいのに。
ルディが潰したい貴族にシルヴェスターの外に言えない事案、擦り付けてやろうかな。


ルディがくつくつ笑いながら後ろ向きで手を振ってる。性格悪いよね。僕も、だけど。


またゆっくりと魔法を練って打つ。こんなもんかな。上手く3つの魔力を出力できるし。うん。調子いいね。


「では参加者の皆様こちらへどうぞ。」

参加者は見やすい席に案内される。その近くが特等席になるんだ。それで強さとかではなく身分の順にいい席になる。外との接触は許されてないからテオ様がいちばんよく見える席がいいなぁ。





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