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8歳

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なるほど。テオ様の考えは悪くない。むしろとっても使える。

一周まわって錬金術の栄える都市とするのもありかも。今は錬金術は詐欺まがいと忌避されてるけどすごく儲けられる仕事に変わりはない。詐欺の都市と言われても魔法具と偽って錬金魔具を売ってもいい。
そもそも魔法具と錬金魔具の違いなんて魔法師が作ったか錬金術師が作ったかの違いだ。ほとんど変わりがない。

いけるな。

ゲームで課金アイテムばかり売ってた店屋がスラムにあったはず。そこの店主が確か錬金術師だ。ハブられまくったけど錬金術師という職業に誇りを持っててスラムに追い詰められても錬金術師を名乗ってるらしい。そう攻略本に書いてあった。ちょっとそそのかせば使えるかも。

商業ができるってことは少し学ばせれば領地経営も出来るかもしれない。そうなったら北の領主代理は僕の手元に置いて面倒な仕事を任せるのもありだ。

そ今から動けばゲームが始まる頃には領主代理をこっちに呼べる。さすがテオ様。僕の救いの神だ。


「テオ。」

「は、はい!」

ピシッと背筋を伸ばすテオ様はとても可愛らしい。本当にこの子がいるだけで僕の将来は明るくなる。
なにより可愛いから僕の癒しでしかない。

あまり好きじゃない義母にでさえ、産んでくれた恩からできる限り恩返しをしてあげたい気持ちになる。

「さすがだね。感心しちゃった。」

そうと決まれば動かないと。返事は待ったほうがいいのかな。いや、さっさと動いた方がいいかも。
スラムの錬金術師が手に入ったら北の領主代理も呼び出して動いてやろう。これを作って民たちに恩を売れば受け入れやすくなるだろうし。

テオ様に関係ないからあまり素性は覚えてないけど全部書出す必要があるかも。場合によっては情報屋に頼んで情報を掻き集めるのもありか。

「兄上、閉山した山が必要なんですか?」

「それよりも知識のある人間だね。目当てはいるんだけどどうやって取り込もうかなって。」

「獣人にした脅しは難しい相手ですか?」

テオ様は過激だなぁ。過激というか効率厨というか。剣術も魔法も効率が大事だから武闘派のテオ様はそう考えちゃうのかな。
そこもかわいいけれど。

「やってもいいけど。どっちかって言えば情とか利点で縛りたいんだよね。」

「情が必要ですか?」

「恐怖なら逃げたくなるでしょ?返せないくらいの恩。もしくは誰かのために働かせるとか。」

僕はテオ様のために働いてるからね。テオ様のためだと思えば終わらない仕事も天国だ。

「誰か…。」

「僕なら家族の為にとかね。これさえあれば逃げようなんて思わないよ。」

「なるほど。俺が兄上のために仕事を手伝いたいと思うのと同じですね。」

そんなこと思ってたの??かわいい。すっごくいい子。 

でもシルヴェスター公爵家の仕事なんて皇家の尻拭いばかりだよ。それか領地経営。
大層な仕事なんてない。紙を見てため息ついて対処の仕方を捻り出して。終わったと思ったら次の領地の報告書。たまにルディからの無茶ぶり。

僕が公爵家から居なくなるまで続く終わることの無い仕事だ。嫌になる。

本当にテオ様がいなかったら全部投げ出してたかもしれない。
推しってほんと偉大。










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