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8歳

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アルフレートに着替えさせてもらった頃に朝食が届けられた。

その朝食を手に持って広めで物がないところに僕の影を広げる。
その影に僕が入って獣人を探すのだ。

僕が作った影だからどこにいるのかとかすぐに分かるけど、それっぽく現れることに意味があるんだよ。知らないけど。
やっぱりどんなメンタルでも急に人が現れたら怖いじゃん。


影の中に入ってゆっくりと、しっぽを抱えて丸まってる獣人に近づく。

《ねぇ。なんで暴れてたの?そんな子じゃないと思ったから引き取ったんだけど。》

《………。》

返事がない。顎を上げさせた。鋭い刺すような目付きだ。まだ早かったかな。

《…俺の一族を馬鹿にした。人間を信用した俺が馬鹿だった。こんなところに入れやがって。》

信用?あの一瞬で僕を信用したとでも言いたいのかな。
ふぅん。なんて馬鹿な犬なんだろう。なるほどねぇ。こりゃ、やられるわけだ。

《僕は少しなら獣人のことを知ってるけどみんなは知らないからね。なにされたの?伝えとくよ。》

グルルと喉を鳴らして威嚇してくる。


いくら強がっててもここはさすがに怖いだろう。僕なら怖い。
僕がいなきゃ真っ暗だし匂いも音も感覚すらない。ちょっと弄って味覚ないからね。
ため息をついてみれば睨みながらもビクッと肩を揺らす獣人。

《わんちゃん。ご飯欲しい?》

《……しね。》

お口が悪いこと悪いこと。
まぁ純粋にさ、僕のものになって欲しいだけだから手は出さないよ。

《まぁ持ってきたから一緒に食べるよ。僕がいないと味覚も無くなるから今食べた方が美味しいよ。》

そう伝えて影で机と椅子を出す。

アルフレートが持ってきたサンドウィッチと紅茶を並べる。2人分だからまぁまぁ量があった。
あーあ。こんな犬っころと食べるならテオ様と朝ごはん食べたかった。

《生肉じゃないのか?》

《生肉が良かったの?人間は生肉食べたらお腹壊すから食べないよ。獣人は生肉好物なんだってね。》

《…食べれなくはないが好んで食うわけがない。獣と一緒にするな。》

あ。そうなんだ。好物だと思ってた。やっぱり会話って大切だね。
獣人が椅子に座ったところでコップにお茶を注いでやる。

《そうなんだ。じゃあ伝えとかないとね。そういえば犬だと思ってたけどどんな犬種なの?》

《犬じゃない。狼だ。》

狼?犬と変わんないじゃん。
ちょっと凶暴なのかな。飼い慣らしたら犬だけど。犬って従順なイメージがあったし、この獣人は髪の毛が黒だから僕にピッタリだと思ったんだけどな。狼か。
なるほど?
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