推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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8歳

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「それでいい。で?俺達にはどんな教師がつくんだ?」

おぉ。さすがルディ。気が合うね。幼い頃から一緒なだけある。

「殿下には魔法の教師を思いっきり撃てる魔力の大きい方に任せようと思います。クラウス様には精密な魔法を使える魔法師がつき、お2人とも実践が主になるかと思います。」

「新しい教師は2つとも経験してるか?」

「はい。」

「ならいい。クラウスは?」

「いいかな。さすがに今よりいいでしょ。」

「厳しい方を準備しておりますよ。」

それが嫌なんだけどね。
でも実践が許されるなら欲しい薬草とか魔物とか手にいられるかもしれない。


「剣術の方は?」

ルディがそう聞く。

「殿下には貴族出身の騎士を。クラウス様には俺のライバルの冒険者を準備しようと思ってます。」

まぁ悪くは無い。
でも僕はもっと実践的な勉強をしたい。冒険者も悪くない。でもさ、昨日あった野党みたいなやつら。あいつらはもっと人の道を外れてた。
強くなるなら正当な戦い方じゃダメだ。昨晩、僕は魔法が強くなきゃ殺られてた。剣術ももっと頑張らないといけない。 
そうは思うけどしんどいのは嫌だから今みたいな無理やり動かしてくれる先生が僕には合ってると思う。だからさ、もっと鬼気迫る練習をしたい。でも身の安全もある練習。

「犯罪者とかいないの?」

少しだけ笑いもあったテーブルで音がしない。
意見は言っといた方がいいよね。僕は早く強くなりたい。昨日の事件で実感した。
今の僕は到底ゲームのクラウスに及ばない。


技量どころか度量すらも。


「僕は死に際でも身を守れる剣術が知りたい。鬼気迫る練習をしたい。2人をみててそう思ったの。」

「将来の戦争に向けてですか?」

「え?戦争するわけなくない?他国の援助ならまだしも自国なら経済が止まるし人が死ぬ。そんか国として不効率なことしないよ。」

僕の意見はあくまで平和に生きること。
テオ様を危険に晒せない。
だからそんな戦争なんてことしないよ。まぁルディを皇帝にするためならやりかねないけど…。他にもいろんな手は準備してるから最悪の状況の手だ。

それなのに先生とルディは顔を見合せて眉をしかめる。

「そういう噂があるんだよ。シルヴェスター公爵が海外に行き来してるって。陛下は何も言わねぇけどアレだぞ?信用できねぇだろうが。」

魔法の先生は魔法塔でそれなりの地位にいる。剣術の先生は貴族社会の騎士団で好かれてはないけど実力で副団長の地位にまで上り詰めた天才だ。たしかにそういう・・・・話が耳に入ることは有り得る。

「公爵のお金の流れは取り締まってるつもりだったけど…確かにそうだよね。新しい事業を始めてたなら把握してないよ。」

シーンとなるテーブル。眉を下げてテオ様がキョロキョロしてる。可愛いけど堂々として。今は殿下と変人2人だからいいけど野心の高い貴族なら引きずり下ろされる。

それはそれとして可愛いからテオ様を許すよ。可愛いもん。仕方ない。

「学んでて損はねぇからな。犯罪者はクラウス様の身の安全上無理だが実践多めで組んでやる。そこは安心しな。」

よかったー!今回は何とか乗りきったかな。後で父様に話を聞かないと。信用が大事な貴族だからね…。
本気でいらないことしないで欲しい。でも皇帝陛下が許してるならなにかの重要な任務とかだったとか?


乾いた喉を紅茶で潤して切り替える。僕は完璧超人のクラウス・フォン・シルヴェスターなんだから。

テオ様に好かれるために失敗は許されない。


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