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8歳

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僕の手合わせは終わったからテオ様と一緒にルディの手合わせ見てる。普通な…基本を大事にしてる戦い方。騎士のような戦い方だけど先生から1歩も引いてない。僕はあれだけ足技使ったのになぁ。剣術だけでよくもまぁ先生と渡り合えるもんだ。


「ルディはすごいね。僕ああいう騎士っぽい戦い方できないや。」

「ですが戦場で使えるのはクラウス様のような戦い方ですよ。綺麗なものは泥臭いところでは役に立ちません。持っていたとしても次第に汚れます。」

最近までこの国も戦争してたもんね。
実体験なのかなぁ。あんまりそういうとこ感じさせない人だから勘違いしそうになる。

「戦争なんて起こらなきゃいいんだけどね。それでも可能性は考えとかないと。最近獣王国と南のどっかの国が戦争はじめたでしょ。」

「そうですね。獣人が奴隷として流れてきています。」


その獣人を昨日拾ったんだよね。
テオ様は僕のことをじっと見て眉を下げてる。たしかに昨日のことがバレたらやばいよ。でもさ。別に奴隷市で買ったなら問題ないの。気にすることもない。

「ではテオ様。質問です。獣人は身体能力が高いです。では、魔法はどうでしょう。」

「見た感じ魔法は苦手なように思いました。身体能力に魔力を使い切っているのではないでしょうか。」

へぇ。テオ様ってめちゃくちゃ考えてるんだ。僕はそういう遺伝子かなんかだと思ってた。なるほどね。魔力を身体能力に変える…か。説明はつく。
実際身体能力をあげる魔法もある。その魔法。使いながらほかの魔法を合わせて使うことは難しいと言われてる。よく考えたな。!思いつきだとしてもそういう発想が魔法や戦いでは必要になる。さすがテオ様だ。

「ほぅ…。そんな考えをもったことはなかったですね。ですが正解です。獣人は魔法はあまり使えません。とはいえ、個人差はありますが。」

そうマーティンは言ってから僕を見つめてきた。
なに。不敬で引っ捉えようか。

「獣人を飼いはじめたんですか?」

「昨日ね。」

察しがいいな…。それともそれくらい獣人が欲しかったのかな。

「シルヴェスターには奴隷はいなかったでしょう?新しい扉でも開きましたか?」

錬金術の素体にいいとか将来現れる僕の弟の護衛にちょうどいいとか言えないな。言ったら頭おかしいと思われそう。

「まぁね。身体能力がちょっと気になってさ。あそこまで動けるなら護衛としても使えるし、もしその体質が解明出来れば人間はもっと強くなれるでしょ?」

「体質、ですか。」

「同じ思考ができて、半人間半獣人の子供もいる。ならあれは体質だよ。」

今まで静かにしてたテオ様が盛大に舌打ちした。めっちゃ響いたよ。先生だって「えっ??」って顔してら。

「げがらわしい。なぜあんな獣とまぐわえるのでしょうか。」

まぁ変人って言うのはどこにでも一定数いるものだし。
獣人は獣の身体能力とケモ耳としっぽ、それに牙とか爪があるだけの人間だ。たしかに遠吠えとか生肉好きらしいけど獣ではないみたい。
なにより言葉が通じるんだから。


これが貴族も平民も一致の考えだとしてもせめて視野は広めて欲しいからね。

少しだけ諌めようと口を開いた時に後ろからドンッとぶつかられた。僕にこんなことするのは皇族しかありえない。


「あ"ー!づがれだぁ!!!クラウスてめぇサボってんなよ!!」

うっるっさい。
負けたの?邪魔なんだけど。

「ルディ。邪魔。負けたの?」

「はぁ?見てなかったのかよ!」

「見てるわけないでしょ。邪魔。」


ぎゃあぎゃあと僕を罵る。使用人に僕の隣に椅子を持ってこさせてそこに座りやがった。
僕とテオ様の会話を邪魔しやがって。
ほんとーーーーうに邪魔!!!


「今日の訓練はここまでにしましょうか。いい機会ですし話したいこともあったんです。」

僕の魔力を感じ取ったのか先生が少しだけテオ様側に寄った。テオ様に気安く近づかないで欲しい。

紅茶を飲んでその気持ちを沈めるけどなんかムカムカすんな。



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