推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん

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8歳

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テオ様とアルフレートが選んだ執事を連れて馬車に乗る。ほんと遅いよね、この馬車。それにガタガタとおしりが痛い。
どうにかしないとなぁ。おしりが痛くない馬車作れば売れるかな。でも面倒だしな。僕のとテオ様のだけでいいか。欲しいならルディにも売り付けよ。


僕の家から1番の街は貴族街。相も変わらずドレスのご婦人。それに煌びやかな馬車。お金持ちは自由なことで羨ましい。

儲けを出すなら貴族相手。長期的に見るなら市街。
1番いいのは平民、貴族両方にウケる商品。

チョコは試作品いくらか作ってる。けど高いから貴族か商人相手にする方がいい。まだザラザラしてるし苦いしで売り物にならないけど。

あと考えてるのはパン。もちもちのパン。ここのパン固くて顎が疲れる。もちもち食べたいって言う願望。それにテオ様が喜ぶ顔がみたいという欲望のため。

レーズンとリンゴ、まぁまだ衛生面の問題から出来ないけどヨーグルトっていう手もある。ヨーグルは作るとこから始めないといけないから他と比べるとしたくない。

あとは生物実験が上手く行けばシルクを作れる。
蚕に似た魔獣をひっとらえてきたからね。まぁちょっと毒を吐くけど交配でなんとかなるでしょ。
毒を吐かない魔獣を錬金術で作り出せばいいだけ。魔獣という名前だけど遺伝子あるっぽいし魔法と錬金術を掛け合わせれば問題なさそう。そこが1番の難点だけどね。
でも糸の質もいいし。ちゃんと生まれた時は芋虫でサナギになって蛾の形の魔獣になる。

これこそ上手く行けば金の成る木だ。



貴族街を過ぎれば市場が見えてくる。いつもは景色としてみたけど、よくよく見ると治安は悪そう。

そういや獣人の奴隷の競売があると聞いた。ゲームになにか関係があっただろうか。獣人なら護衛としても盾としても使い所は多いから金があれば欲しい。錬金術の人体実験用にするには高いけど悪くはない素体だよ。

ゲームに出てくるのは人間だけなんだけどね。獣人もいるってことはエルフとかドワーフとかもいるにはいるらしい。へぇって感じ。ゲームが全てな訳では無いんだよね。気が抜けないなぁ。


市街の賑やかなところで馬車が止まる。先に執事画降りて手を差し出してくる。まだ僕もテオ様も小さいから仕方ない。大人しく手を取って馬車をおりる。まぁどう見ても貴族だ。視線が痛いのは仕方ない。

「テオ、サロンで言ってた買い食いをしてみたい。」

「はい。兄上。」

テオの手を握って案内させる。まぁ護衛は…今の僕の家には門番くらいしかいないからね。連れてきても意味ないし。何より僕、それなりに強いし。


正直前世でも病院生活。家に帰るまでの道中で流れみた街だって降りたことはなかった。


だから人目には分からないかもだけど今めっちゃドキドキ超えてどっくどっくんしてる。前世の心臓なら死んんでた。


「テオ、人が沢山いるね。どこから行くんだい?」

「兄上はなにを食べたいんですか?」

「そうだね。そうだね。お肉がいいな。あの人が持ってる串が美味しそうだよ。」

「であればあちらですね。」


そう言って手を引いてくれるテオ様。かわかわ。なんて可愛いんだろう。今はまだ性格もいいし。
天使の生まれ変わりだね。きっと。美しすぎて神に嫌われたのかもしれない。

屋台に着いて金貨を渡そうとしたら執事に止められた。迷惑になるんだって。ふぅんって感じ。貴族っぽくやろうと思ったんだけど迷惑なら仕方ない。
外で買い物も初めてかも。いつもアルかメラニーに頼んでたし。前世ではベットから出られなかったし。
こう考えてら僕なにもできないな…。








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