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8歳
14
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神官が取り出した紙はまずアルフレートに手渡されてからテオ様にわたる。テオ様がザッと見てから僕を見てきた。
「ほかの書類と一緒に僕から陛下に渡すよ。そのうちお茶会顔見せに付き合わ…呼び出されるから準備お願いね、アル。」
「承知致しました。」
「それではこれで私も失礼致します。」
「そう?今からお茶でも準備しようと思ってたんだけど…一緒にどう?」
「仕事も立て込んでおりますので。」
そう。まぁ本人がそう言うならいいけど。
メイドを鈴で呼び付けて案内させる。見た目くらいは高位貴族やんないとね~。仕方ない。
僕はテオ様とお茶会♡
これって言わゆるお家デートかも。
……。
ごめん浮かれすぎたね。
でもまぁテオ様とのお茶会はこのくらい嬉しいから。仕方ない。
2人して黙ってお茶を飲んでたらアルフレートが出しゃばってきた。黙って壁になってればいいのに。チラチラこっちを見てくるテオ様を眺める時間を返して欲しい。
「クラウス様。明日はテオ様も皇宮にお連れになるのですか?」
「うん。連れてくね。」
「え…。聞いてません。」
「言ってないもん。いつもお見送りしてくれるし起きれるでしょ?」
「そういう問題ではありません。気持ちの問題です。」
「ふぅん??」
向こうの気持ちの問題かな。でも一応言ってはある。今日、皇帝と皇后に許可とったし。
あ。先生たちには言ってないな。
それにしてもなんかテオ様に怒られちゃった。可愛いね。怒った顔まで可愛いとか何が一体可愛くないんだろう。
「クラウス様。予定より早く、テオ様の準備が整っておりません。」
え?アルがそんな失敗する?
それにだいぶ前に言ったと思うんだけど?
「随分前に言ったよね?」
「ものはできているらしいのですが…。」
じゃあ行けばいいのに。
「お2人で取りに行かれるというのは如何でしょうか?」
「兄上と2人でですか?」
久しぶりに見るテオ様のキラキラ顔。最近じゃお菓子をあげてもこんな顔見せてくれなくなったのに。
この屋敷に来て1ヶ月。もうお菓子にも飽きちゃったのかなぁ。
「テオとお出かけは嬉しいけどさ。アル、主を顎で使うなんていい度胸じゃない。」
「気分転換は大事でしょう?」
なに考えてんの?この人食えないからなぁ。
「テオ様の好みを知る機会になるのでは?もうすぐお誕生日ですからね。」
こいつ…。いや僕もアルに何あげるか相談してたからね。それを踏まえてこう言ってくれてるのは分かる。でもニコニコ笑ってる顔が気に食わない。
「覚えてなよ。」
「給料が上がりますか?」
ほんともう…黙って。払う金がないの知ってるでしょ。今だってギリギリ。これからの事業への投資を考えると少ないくらいだ。
そうは言っても普通の男爵家くらいの金はある。テオ様にプレゼントを用意するくらいはあるんだよ。
「アル、メラニーに服の用意させて。アルは馬車の準備を。」
「仰せの通りに。」
音もなく忍者みたいに消えてったアルフレート。それを茶をしばきながら見送る。テオ様はクッキー食べてた。可愛いね。
「テオ、急に出かけることになったけど良かったの?」
「俺に予定は無いので大丈夫です。それに兄上との初めてのお出かけですから。」
「夕ごはんも外で食べようか。」
「2人でですか?」
いやなら義母でも呼ぶけど。
あの人といてもご飯美味しくないからなぁ。できれば2人っきりがいい。
「義母様も呼ぶ?あの人怒り狂って死にそうだよ。」
誰が平民の食べ物を口にするものか!馬鹿にしてるの!って怒りそう。そう考えたらゲームのテオ様の怒り方に似てるな。
「想像がつきますね。ご自慢の赤い髪を振り乱すんでしょう。いくら自慢とて乱雑に扱えば痛むものなのに。それはそうとて、俺は兄上と2人がいいです。」
「僕も2人がいいね。」
あったりまえじゃん。ほかになにもいらないよ。
「なにか食べたいものとかある?」
「兄上、もしかして市街に降りたことがないんですか?」
「魔獣狩りに行く途中で見たことはあるけど降りたことは無いね。」
「なら今回は俺が案内しますね。」
「本当?楽しみだねぇ。」
幸せ。これはデートかも。
テオ様が自慢げに市場のことを話してくれる。可愛い。他人に自慢げにされたら腹立つけどテオ様は別格だね。ただただだ可愛い。
━━━━━━コンコンコン。
「クラウス様、失礼致します。」
思ったより早かったかな。
「うん。メラニー、僕は自分で着るからテオのを手伝ってあげて。」
一瞬だけ目頭に皺を寄せたをメラニー。
まぁ気に食わないんだろうね。僕がテオ様を可愛がってることも、テオ様が男爵家の父親がいない子供だったのに一気に公爵家の次男に成り上がったことも。
「はい。」
「メラニー。生まれや血筋がどうだろうとテオはもう公子だよ。その子の乳母は僕のメラニーと同等だ。あまり虐めないでおくれよ。」
そもそもの話。僕も母様もアルフレートやメラニーを信用しているわけではない。信頼はしてるけど。
この2人は母様が拾った捨て子だ。
…いや、違うな。捨てられかけた人達だ。母様の傍系の下っ端の家紋。金もなく、権力もなく、生きていく力のない家紋。そんな家紋が縋ってきた。実力主義の母様の家は無視しようとしたけどその中から母様が選んで育てた2人。それがアルフレートとメラニー。姓も捨てさせ、生きていく力も捨てさせ、意思も捨てさせた。母様の玩具で忘れ形見で遺産。
皇后と同じだ。母様の玩具。
母様の娯楽の1つなのかもね。
僕には洗脳魔法があるけれど母様も持ってたんじゃないかと疑うほどの手際の良さ。
残されたいまだからよく分かる。母様の人心掌握術は本物だ。洗脳の魔法を持つ僕が嫉妬するくらいには。
本当に我が母ながら尊敬する。
本来なら部屋に戻る方がいいんだろうけど持ってきてくれたんだから着替えてもいいってことでしょ。
テオ様はメラニーがついてるから1人で着替えてる。僕基本的に貴族向いてないなぁってこういう時思う。
「ほかの書類と一緒に僕から陛下に渡すよ。そのうちお茶会顔見せに付き合わ…呼び出されるから準備お願いね、アル。」
「承知致しました。」
「それではこれで私も失礼致します。」
「そう?今からお茶でも準備しようと思ってたんだけど…一緒にどう?」
「仕事も立て込んでおりますので。」
そう。まぁ本人がそう言うならいいけど。
メイドを鈴で呼び付けて案内させる。見た目くらいは高位貴族やんないとね~。仕方ない。
僕はテオ様とお茶会♡
これって言わゆるお家デートかも。
……。
ごめん浮かれすぎたね。
でもまぁテオ様とのお茶会はこのくらい嬉しいから。仕方ない。
2人して黙ってお茶を飲んでたらアルフレートが出しゃばってきた。黙って壁になってればいいのに。チラチラこっちを見てくるテオ様を眺める時間を返して欲しい。
「クラウス様。明日はテオ様も皇宮にお連れになるのですか?」
「うん。連れてくね。」
「え…。聞いてません。」
「言ってないもん。いつもお見送りしてくれるし起きれるでしょ?」
「そういう問題ではありません。気持ちの問題です。」
「ふぅん??」
向こうの気持ちの問題かな。でも一応言ってはある。今日、皇帝と皇后に許可とったし。
あ。先生たちには言ってないな。
それにしてもなんかテオ様に怒られちゃった。可愛いね。怒った顔まで可愛いとか何が一体可愛くないんだろう。
「クラウス様。予定より早く、テオ様の準備が整っておりません。」
え?アルがそんな失敗する?
それにだいぶ前に言ったと思うんだけど?
「随分前に言ったよね?」
「ものはできているらしいのですが…。」
じゃあ行けばいいのに。
「お2人で取りに行かれるというのは如何でしょうか?」
「兄上と2人でですか?」
久しぶりに見るテオ様のキラキラ顔。最近じゃお菓子をあげてもこんな顔見せてくれなくなったのに。
この屋敷に来て1ヶ月。もうお菓子にも飽きちゃったのかなぁ。
「テオとお出かけは嬉しいけどさ。アル、主を顎で使うなんていい度胸じゃない。」
「気分転換は大事でしょう?」
なに考えてんの?この人食えないからなぁ。
「テオ様の好みを知る機会になるのでは?もうすぐお誕生日ですからね。」
こいつ…。いや僕もアルに何あげるか相談してたからね。それを踏まえてこう言ってくれてるのは分かる。でもニコニコ笑ってる顔が気に食わない。
「覚えてなよ。」
「給料が上がりますか?」
ほんともう…黙って。払う金がないの知ってるでしょ。今だってギリギリ。これからの事業への投資を考えると少ないくらいだ。
そうは言っても普通の男爵家くらいの金はある。テオ様にプレゼントを用意するくらいはあるんだよ。
「アル、メラニーに服の用意させて。アルは馬車の準備を。」
「仰せの通りに。」
音もなく忍者みたいに消えてったアルフレート。それを茶をしばきながら見送る。テオ様はクッキー食べてた。可愛いね。
「テオ、急に出かけることになったけど良かったの?」
「俺に予定は無いので大丈夫です。それに兄上との初めてのお出かけですから。」
「夕ごはんも外で食べようか。」
「2人でですか?」
いやなら義母でも呼ぶけど。
あの人といてもご飯美味しくないからなぁ。できれば2人っきりがいい。
「義母様も呼ぶ?あの人怒り狂って死にそうだよ。」
誰が平民の食べ物を口にするものか!馬鹿にしてるの!って怒りそう。そう考えたらゲームのテオ様の怒り方に似てるな。
「想像がつきますね。ご自慢の赤い髪を振り乱すんでしょう。いくら自慢とて乱雑に扱えば痛むものなのに。それはそうとて、俺は兄上と2人がいいです。」
「僕も2人がいいね。」
あったりまえじゃん。ほかになにもいらないよ。
「なにか食べたいものとかある?」
「兄上、もしかして市街に降りたことがないんですか?」
「魔獣狩りに行く途中で見たことはあるけど降りたことは無いね。」
「なら今回は俺が案内しますね。」
「本当?楽しみだねぇ。」
幸せ。これはデートかも。
テオ様が自慢げに市場のことを話してくれる。可愛い。他人に自慢げにされたら腹立つけどテオ様は別格だね。ただただだ可愛い。
━━━━━━コンコンコン。
「クラウス様、失礼致します。」
思ったより早かったかな。
「うん。メラニー、僕は自分で着るからテオのを手伝ってあげて。」
一瞬だけ目頭に皺を寄せたをメラニー。
まぁ気に食わないんだろうね。僕がテオ様を可愛がってることも、テオ様が男爵家の父親がいない子供だったのに一気に公爵家の次男に成り上がったことも。
「はい。」
「メラニー。生まれや血筋がどうだろうとテオはもう公子だよ。その子の乳母は僕のメラニーと同等だ。あまり虐めないでおくれよ。」
そもそもの話。僕も母様もアルフレートやメラニーを信用しているわけではない。信頼はしてるけど。
この2人は母様が拾った捨て子だ。
…いや、違うな。捨てられかけた人達だ。母様の傍系の下っ端の家紋。金もなく、権力もなく、生きていく力のない家紋。そんな家紋が縋ってきた。実力主義の母様の家は無視しようとしたけどその中から母様が選んで育てた2人。それがアルフレートとメラニー。姓も捨てさせ、生きていく力も捨てさせ、意思も捨てさせた。母様の玩具で忘れ形見で遺産。
皇后と同じだ。母様の玩具。
母様の娯楽の1つなのかもね。
僕には洗脳魔法があるけれど母様も持ってたんじゃないかと疑うほどの手際の良さ。
残されたいまだからよく分かる。母様の人心掌握術は本物だ。洗脳の魔法を持つ僕が嫉妬するくらいには。
本当に我が母ながら尊敬する。
本来なら部屋に戻る方がいいんだろうけど持ってきてくれたんだから着替えてもいいってことでしょ。
テオ様はメラニーがついてるから1人で着替えてる。僕基本的に貴族向いてないなぁってこういう時思う。
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