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第1章
第2部隊 隊長。
しおりを挟む食事が終わり、自分の部屋に戻ろうとしたところを、「あ!アイヴィ!」オスカーに引き止められた。私は視線を彼へと向けると、何用だと聞く。
「実は今日、エイダンと騎士団の拠点で剣の修練に付き合う約束をしててね。もし良かったら、アイヴィも一緒に来ない?」
「騎士団…?」
「此処へ連れて来て以降、俺達、会ってなかっただろう?叔父としては、姪とお喋りしたいんだ。そしてあわよくば、カッコイイ姿を見せられたらと思っている。」
「…。」
「女の子が来るような場所ではないけど、女の子が来ると士気が上がるんだ。どう?そんな矛盾した場に、少しは興味ない?」
私がついていってもいいのだろうか。
そう思っていることを察したのか、エイダンが、ぶっきらぼうな口調で『お前が来たければ来いよ』と言う。私は少し考えて、ついて行くことに決めた。
騎士団に興味がわいたとかではなかったけれど、屋敷に居たところで、教材を返してもらえていない今、特にやることもない。それならいっそのこと外出してみるのもありかと思ったのだ。
公爵様は、私が騎士団の拠点に行くことにかなり反対して見せたけれど、オスカーは一切の聞く耳を持たなかった。
一方的に『じゃあ、そういうことで』と会話を切りあげると、彼は私とエイダンを連れて、騎士団の拠点がある王宮へと向かったのだ。
王宮に行くのは、パーティーがあった日以来だ。
騎士団の拠点へと続く道を歩きながら、オスカーから投げ付けられる質問に、淡々と答えていく私。
自分と会わなかった間は何をしていたのか~だとか、この間のパーティーはどうだったのだ~だとか。会えなかった分を埋めるかのように、ここ2ヶ月半のことを、怒涛のように聞いてくる。
一応聞かれたから答えてはいるけれど、私のの話を聞いたところで楽しくとも何ともないだろうに。
質問されては、答えて。また質問されては、答える。そんなことをしている間に、私達は騎士団の拠点とされる場所に到着した。
剣の撃ち合いをしていた騎士達が、オスカーに気づくなり、その手を止めて挨拶をする。
「おはようございます!隊長!」
「うん。おはよう。」
隊長…?
聞き慣れない呼び名に目をぱちくりさせていた私に『この人、こう見えて、第2部隊の隊長なんだよ。』とエイダンが教えてくれた。
オスカーが私を此処へ連れて来た時点で、彼の職業が騎士だということには気づいていたけれど、まさか隊長と呼ばれる立場に居ただなんて。
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