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第1章

オスカーの居る朝食。

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 熱も下がり、体調もすっかり元通りになった私は、消化の良い料理から、食卓に並ぶようないつも通りの料理を食べられるようになった。


食べる場所も、部屋からダイニングルームへと変わり、着々と倒れる前の日常に戻って来ている今日この頃。


 「あ、おはよう。アイヴィ。今日もいい天気だね。」


朝食をとる為にダイニングルームへ行けば、何故かオスカーが居た。


彼もウィンストン公爵家の人間だから、此処に居ても何らおかしくはないのだが、普段は居ないからこそ目立つというか。見慣れない光景だなと思う。


 「おはよう。オスカー。」

 「アイヴィ、熱出したんだって?大丈夫?」

 「もう平気。」

 「そっか、それなら良かった。」


にこりと笑った後に、私の頭に当てられたガーゼが気になったのだろう。オスカーは、きょとんとした顔で『それ、どうしたの?』と聞いてきた。私は簡潔に、『ぶつけた』とだけ答えて、自分の席に着く。


タブーというわけでもないけれど、この傷についてはあまり奥様の居る前で触れないでほしい。悲しそうに顔を歪めるから。


 「あれ!?オスカー叔父さんが居る!何で!?」


後から入って来たカーシーも、オスカーが居ることに少し驚いている様子だった。“叔父さん”と言われたのが嫌だったのか、オスカーの顔が引き攣る。


 「カーシー。叔父さんって言うの止めてよ。俺、まだ28歳だから。」

 「もう28歳、の間違いでしょー?オスカー叔父さんまだ独身なんでしょ?婚約者も居ないの?早く世帯持ちなよ。」

 「五月蝿いよ!」


ぷんすこ怒った様子で『俺は仕事に生きるって決めてるの!』と発言を続けるオスカー。


生まれも顔の良さも文句の付け所がないような彼だけれど、自ら独身という生き方を選んでいるらしい。


自分自身で決めた生き方に、第三者である私がどうこう言うつもりはないけれど、勿体無いな、とは思う。


オスカーなら女性からの人気も高いだろうに。まあ、仕事に生きたいというのであれば、それもまた良しなのだろう。


 「そもそもお前だって、婚約者居ないだろ。」

 「俺はまだ8歳だから。あ、あと数カ月で9歳になるけど。」

 「8歳でも9歳でも、既に婚約者が居る奴は居るよ。」

 「兄さんヒューゴも、エイダンも、まだ誰とも婚約してないし。三男である俺が、最初に婚約するのもなんかあれじゃん。」


2人の言い争いに突如として巻き込まれたヒューゴとエイダン。長男であるヒューゴは苦笑し、次男であるエイダンは心底面倒くさそうな表情を浮かべている。


そんな中で、我関せずの態度で食事を進めていた私を今度はオスカーが巻き込んだ。










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