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七章 コルベルク公国編
44 愛の女神は愛そう
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「結界」
「クリス殿下?」
梨奈は『愛とエロスと豊穣の女神』であった。ちゃんと愛さないで、可愛がらないでどうする。せっかく向こうから来てくれたのに愛情を示さないでどうする。愛の女神は愛すればいい。お飾りになどしていたら、それこそ梨奈は思い切りよく何処かへ行ってしまう。
異界の女性は大人しいのか、遠慮がちなのか、要求するのを恥ずかしいと思っているらしい。じゃあちょっと上に乗ってもらって、積極的になって貰って──。
クリス殿下は違う方向に向かって走り出した。
引き寄せて抱き締めてキスの雨を降らせる。頬に顎に瞼に額に「リナ」と囁きながら耳朶を軽く噛む。ついでに耳に舌を入れて、息を吹きかけて「愛してる」と熱く囁く。
ゆっくり着ている服の中に手を入れて、肩とか背中を撫で、腰からお尻へとさわさわと撫でながら手を下ろしてゆく。服を脱がすと抱き上げてベッドへ運ぶ。
胸を揉んで乳首を舌で転がしながらゆっくりと途中の愛撫も忘れずに、蜜壺へと指を滑らせていく。身体のあちこちにキスをしながらずり落ちて行く。舌で花芯を嘗め蜜壺の中に指を入れいい所を探る。
「ああん……クリス……」
可愛い喘ぎ声が漏れる。
予定変更。一戦目はこのまま行こう。自分の方が余裕がなくなって、クリスティアンは梨奈の片足を抱えて乗り上がり自分の屹立したモノを梨奈のソコに宛がいゆっくりと押し入っていった。
「リナ……、全部入った」
「ああん、いっぱいよ」
「動くね」
ゆっくりと、次第に激しくなる抽挿に梨奈の喘ぎ声が止まらない。最後に梨奈の身体を抱きしめて欲望を吐き出す。
二戦目は梨奈が上になった。
こういうのしたっけ? と思いつつ梨奈はクリス殿下の上に跨った。すでに二戦目に向けて準備の整ったソレを手に自分の入り口に宛がい試行錯誤の末収める。
「入ったわ」
「うん、動いて」
「私が動くの?」
腰を動かしてみる。うまいこと行かない。時々いいとこを掠めるのだけれど。
なんか、あーでもないこーでもないと動いていたら、彼が下から梨奈の腰を持って、どんどん突き上げてくる。なかなか深いところまで突かれて仰け反った。その後、梨奈の身体をひっくり返して後ろから攻める。
どんどん盛り上がって、三戦目をして、四戦目があって訳が分からなくなった。
スライムはベッド周りで応援している。もはやベッドのお守り的存在である。
梨奈とクリス殿下の様子を窺っていた教授と取り巻きたちは、結界が張られた所で胸を撫で下ろしてデバガメを止めた。
「どうなる事かと思った」
「本当に帰れないのですか」
「さあねえ」
* * *
翌日。
「わたくし、肌の調子がいいですわ」
「わたくしも見て、艶々」
美肌の湯の効果来たーー!
「疲れが取れてしゃっきりした」
「足腰の調子がいいです」
「風邪気味だったのがすっかり抜けてしまった」
「腹痛が良くなりました」
『元気―』
万病に効く万能の湯の効果来たーー!
「ここは女神の湯でいいだろう。この地に宿など作ればよいな」
艶々になってスッキリ元気になったクリス殿下も頷いている。後ろの梨奈は少しよれっとしているが。
* * *
温泉から街道に戻って、また馬車の旅だ。公都が近くなるとだんだん開けて、牧場や農場が広がっている。所々、牧草地や農地に穴ぼこが見えるのは、魔法攻撃を受けたのだろうか。街道も整備された道と、中途半端に補修した道が交互にある。
あと少しで公都に着くという日に、騎士のギードと魔族のアルタとトニョが来た。
「クリス殿下、ご報告に参りました」
「そうか、ご苦労だった」
ここまで公都カランタニアのルーカス・ファン・コルベルク侯爵から、何の使いもないし、何の挨拶もない。何らかの攻撃もなかった。
まるっきり、なしのつぶてである。
ギードが迎えに来たので緊張したが、コルベルク侯爵側から出迎えの様子は無さそうだ。もちろん軍隊とか、迎撃の気配もない。あと二日で公都カランタニアに着くというが、まだはるか遠くに見える、大公宮殿があると思しき山は静まり返っている。
ホルム氏たちが渡りを付けてくれて、公都の手前の町が宿を用意してくれるという。移動も大分スムースになっている。彼らは一緒に町の会議場で報告を聞くことにするようだ。
「リナたちは少し待っていてくれ」
「じゃあ、炊き出しの用意をしていますわ」
「そうか」
クリスティアン殿下たちを見送って町の広場に出る。
「わたくしたちは聞かない方がいいのでしょうか」
クロチルドとイルマは会議場の方をチラリと見る。玄関に神殿の柱が何本も立った、なかなか立派な建物だ。この建物は無事だったらしい。
「さあ、殿下が聞かせたくないお話だと、私は別部屋で他の事をしておりますが」
「そうですか、あちらのあまり良くない噂かもしれませんわね」
「あ、そういう事もあるのかしら。何かの作戦かと思いましたが」
「やっぱり殿方の……?」
意味深な発言だ。うーん、そっち方面なのか。
「クリス殿下?」
梨奈は『愛とエロスと豊穣の女神』であった。ちゃんと愛さないで、可愛がらないでどうする。せっかく向こうから来てくれたのに愛情を示さないでどうする。愛の女神は愛すればいい。お飾りになどしていたら、それこそ梨奈は思い切りよく何処かへ行ってしまう。
異界の女性は大人しいのか、遠慮がちなのか、要求するのを恥ずかしいと思っているらしい。じゃあちょっと上に乗ってもらって、積極的になって貰って──。
クリス殿下は違う方向に向かって走り出した。
引き寄せて抱き締めてキスの雨を降らせる。頬に顎に瞼に額に「リナ」と囁きながら耳朶を軽く噛む。ついでに耳に舌を入れて、息を吹きかけて「愛してる」と熱く囁く。
ゆっくり着ている服の中に手を入れて、肩とか背中を撫で、腰からお尻へとさわさわと撫でながら手を下ろしてゆく。服を脱がすと抱き上げてベッドへ運ぶ。
胸を揉んで乳首を舌で転がしながらゆっくりと途中の愛撫も忘れずに、蜜壺へと指を滑らせていく。身体のあちこちにキスをしながらずり落ちて行く。舌で花芯を嘗め蜜壺の中に指を入れいい所を探る。
「ああん……クリス……」
可愛い喘ぎ声が漏れる。
予定変更。一戦目はこのまま行こう。自分の方が余裕がなくなって、クリスティアンは梨奈の片足を抱えて乗り上がり自分の屹立したモノを梨奈のソコに宛がいゆっくりと押し入っていった。
「リナ……、全部入った」
「ああん、いっぱいよ」
「動くね」
ゆっくりと、次第に激しくなる抽挿に梨奈の喘ぎ声が止まらない。最後に梨奈の身体を抱きしめて欲望を吐き出す。
二戦目は梨奈が上になった。
こういうのしたっけ? と思いつつ梨奈はクリス殿下の上に跨った。すでに二戦目に向けて準備の整ったソレを手に自分の入り口に宛がい試行錯誤の末収める。
「入ったわ」
「うん、動いて」
「私が動くの?」
腰を動かしてみる。うまいこと行かない。時々いいとこを掠めるのだけれど。
なんか、あーでもないこーでもないと動いていたら、彼が下から梨奈の腰を持って、どんどん突き上げてくる。なかなか深いところまで突かれて仰け反った。その後、梨奈の身体をひっくり返して後ろから攻める。
どんどん盛り上がって、三戦目をして、四戦目があって訳が分からなくなった。
スライムはベッド周りで応援している。もはやベッドのお守り的存在である。
梨奈とクリス殿下の様子を窺っていた教授と取り巻きたちは、結界が張られた所で胸を撫で下ろしてデバガメを止めた。
「どうなる事かと思った」
「本当に帰れないのですか」
「さあねえ」
* * *
翌日。
「わたくし、肌の調子がいいですわ」
「わたくしも見て、艶々」
美肌の湯の効果来たーー!
「疲れが取れてしゃっきりした」
「足腰の調子がいいです」
「風邪気味だったのがすっかり抜けてしまった」
「腹痛が良くなりました」
『元気―』
万病に効く万能の湯の効果来たーー!
「ここは女神の湯でいいだろう。この地に宿など作ればよいな」
艶々になってスッキリ元気になったクリス殿下も頷いている。後ろの梨奈は少しよれっとしているが。
* * *
温泉から街道に戻って、また馬車の旅だ。公都が近くなるとだんだん開けて、牧場や農場が広がっている。所々、牧草地や農地に穴ぼこが見えるのは、魔法攻撃を受けたのだろうか。街道も整備された道と、中途半端に補修した道が交互にある。
あと少しで公都に着くという日に、騎士のギードと魔族のアルタとトニョが来た。
「クリス殿下、ご報告に参りました」
「そうか、ご苦労だった」
ここまで公都カランタニアのルーカス・ファン・コルベルク侯爵から、何の使いもないし、何の挨拶もない。何らかの攻撃もなかった。
まるっきり、なしのつぶてである。
ギードが迎えに来たので緊張したが、コルベルク侯爵側から出迎えの様子は無さそうだ。もちろん軍隊とか、迎撃の気配もない。あと二日で公都カランタニアに着くというが、まだはるか遠くに見える、大公宮殿があると思しき山は静まり返っている。
ホルム氏たちが渡りを付けてくれて、公都の手前の町が宿を用意してくれるという。移動も大分スムースになっている。彼らは一緒に町の会議場で報告を聞くことにするようだ。
「リナたちは少し待っていてくれ」
「じゃあ、炊き出しの用意をしていますわ」
「そうか」
クリスティアン殿下たちを見送って町の広場に出る。
「わたくしたちは聞かない方がいいのでしょうか」
クロチルドとイルマは会議場の方をチラリと見る。玄関に神殿の柱が何本も立った、なかなか立派な建物だ。この建物は無事だったらしい。
「さあ、殿下が聞かせたくないお話だと、私は別部屋で他の事をしておりますが」
「そうですか、あちらのあまり良くない噂かもしれませんわね」
「あ、そういう事もあるのかしら。何かの作戦かと思いましたが」
「やっぱり殿方の……?」
意味深な発言だ。うーん、そっち方面なのか。
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