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六章 戦争
幕間 国王陛下と弟君
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王都イルミッツの王宮、国王陛下の私室である。
人払いをして、部屋の中には二人だけであった。
「明日、出陣する」
「父上、私も行きます」
「お前は残って、王都を守れ」
「しかし、兄上の方が」
「戦が終われば、エアハルト、お前が王太子だ」
「私が?」
「お前は王都を守り、決して女神に逆らうな」
「女神?」
「西の森離宮にいる」
「あそこには兄上の……、まさか」
国に現れる『女神』の伝説は、王家に生まれた男子に伝えられる秘事口伝であった。
国に危機が訪れた時、王国のどこかに女神が現れる。
女神はこの地に恵みをもたらすだろう。
現れた女神を決して失ってはならない。
そして、決して逆らってはならない。
「女神はクリスティアンの前に現れた」
「でも、それでしたら尚更、兄上の方が国王に─―」
「あれは出て行くと言った。国にはとどまらぬ。見守るのが私の務めだ」
「父上」
人払いをして、部屋の中には二人だけであった。
「明日、出陣する」
「父上、私も行きます」
「お前は残って、王都を守れ」
「しかし、兄上の方が」
「戦が終われば、エアハルト、お前が王太子だ」
「私が?」
「お前は王都を守り、決して女神に逆らうな」
「女神?」
「西の森離宮にいる」
「あそこには兄上の……、まさか」
国に現れる『女神』の伝説は、王家に生まれた男子に伝えられる秘事口伝であった。
国に危機が訪れた時、王国のどこかに女神が現れる。
女神はこの地に恵みをもたらすだろう。
現れた女神を決して失ってはならない。
そして、決して逆らってはならない。
「女神はクリスティアンの前に現れた」
「でも、それでしたら尚更、兄上の方が国王に─―」
「あれは出て行くと言った。国にはとどまらぬ。見守るのが私の務めだ」
「父上」
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