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同盟パーティー編

魔法使いさん、初めての横恋慕に戸惑う 1

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 冬になると、魔の山岳地帯は強い風が吹きすさぶ。
 山頂には雪が積もり、空はいつも灰色だ。

「相変わらず、寒いわねえ。ライアン、はぐれないでよ。この時期、よそ者が一人でこの山をうろついたら、簡単に遭難そうなんするからね」

 しっかり防寒着を着込み、カリンはすぐ後ろにいるライアンを振り返る。本当は手をつなぎたいところだが、崖ぞいの道は、馬が一頭通れるほどの狭さなのだ。足を踏み外す危険があるので、そんな真似はできない。
 貸し馬は山のふもとの村に預け、カリン達は徒歩で隠れ里に向かっている。

「大丈夫ですよ。カリンさんは前を見ていてください。ドジをしそうで怖いです」
「失礼ね! 私にとっては庭よ。目をつむっていても歩けるわ。試してあげましょうか?」
「やめてください! 私の心臓がもちませんっ」

 寒さのせいだけでなく、ライアンの顔は青ざめている。高所が苦手なライアンにとって、この道はさぞ苦痛だろう。

「冬があけてから行けばいいのに。歩きづらいでしょ?」
「私も勇者一行の一人ですよ。難所はいくつも越えてきました。これくらい、なんてことはありません!」
「そんなにうちに来たいの?」
「カリンさんをほうっておくとろくなことがないので、早く安心したいんですよ」

 今回の旅はいつもと違い、ライアンがカリンの父に婚約の許しをもらうためのものだ。
 ローズマリーの件以降、カリンの身を引く潔さがライアンには不安でしかたないらしく、暇があると顔を見に来るようになった。

 そして、カリンが魔法設計の学会と新刊の書き写しを終えて、故郷に帰省すると切り出した時、ライアンは婚約しようと言い出した。本当はすぐに結婚したいそうだが、神官は半年の婚約期間を設ける決まりがあるんだそうだ。

「付き合って半年もないけど、婚約して大丈夫なの?」

 そう聞いたカリンに、ライアンは強く頷いた。

「何年、一緒に仲間をしていると思うんですか? 私達は、勇者様も含め、お互いのことをその辺の友人よりずっとよく分かっていますよ。そもそも、命を預けられるほどの信頼があるんですから、十分でしょう」

 ライアンの答えに、それもそうだなとカリンは納得して、婚約の提案を受け入れた。
 おかげで、今、カリンの左の薬指には、ガーネットがついた銀製の指輪がはまっている。指輪を落としたくないので、その上から手袋をしていた。宝石は台座に埋まっているから、引っかかることもない。
 住人だけが知るルートを通って魔の山岳地帯を進むと、突然、風が消えて静かになった。
 岩山に囲まれ、結界に守られる隠れ里に到着した。

「帰ってきたわ、〈岩の祭壇セント・ロック〉!」

 段差のついた岩山がまるで祭壇のようなので、住人は親しみをこめてそう呼んでいる。一番下の平坦な場所に家が建ち、奥には村長の家と小さな広場がある。岩山の段差には畑があり、山岳地帯から流れ込む地下水が村をうるおしていた。

「おお、お帰り、歩く爆弾娘。みんな、カリンが帰ってきたぞー!」

 門番があいさつをして、カリンとライアンが通れるように、仕掛けをいじって結界の一部に隙間をあけた。
 二人が中に入ると、すぐに結界が閉じられる。

「カリン?」
「帰ってきたって」
「本当? 洗濯物を入れておかなきゃ」

 あちこちから住人が顔を出し、忙しく動き始めた。

「もうっ、考えなしに魔法を使わないってば!」

 カリンは怒ったが、住人達は笑うばかりでとりあわない。
 カリンが家事に魔法を使おうとして、周りが被害をこうむっていたのも事実だ。

「神官様も一緒に来たんだね」
「お姉さんに会っていきなよ、おめでとう!」
「ありがとうございます?」

 ライアンは首を傾げて礼を返す。その理由は、鍛冶屋から顔を出したライアンの姉・マリアの登場で分かった。

「ライ、久しぶりね」

 夫であるギリウスに支えられ、大きなお腹を抱えたマリアがゆっくり出てくる。どう見ても妊娠にんしん中だ。

「ええっ、姉さん!? なんで教えてくれないんですか!」
「ふふ、ごめんなさい。安定期に入るまではって思っていたのだけど、そのうち冬になってしまって」

 魔の山岳地帯を冬にうろつくのは危険だ。下山できなかったのだろう。マリアの言うことは理解できる。
 カリンはマリアに心からのお祝いを口にする。

「おめでとう、マリアさん。そうだと分かっていたら、プレゼントを用意したのに」
「ふふ。この子が生まれた後、楽しみにしてるわね」

 マリアは感じが良く微笑み、ギリウスがはらはらとマリアに問う。

「もういいか? あんまり体を冷やすと良くないからな」
「あら、これくらい大丈夫よ」
「俺が大丈夫じゃない!」

 ギリウスのほうがひっくり返りそうなので、いったんカリン達は鍛冶屋の母屋おもやに入り、ライアンはマリアに今回の訪問について報告した。
 マリアは両手を合わせて、花のような笑みを浮かべる。

「カリンさんと婚約? それって素晴らしいことね!」
「良かったな、カリン。ライアン君なら安心だよ。即死回避スキル持ちだろ」

 無邪気に喜ぶマリアに対し、ギリウスは失礼なことを言う。

「どういう意味よ」

 カリンはツッコミを入れたが、ギリウスはほかのことが気になるようだ。

「それじゃあ、カリンは外で暮らすのか? 今はジルトさんがいるからいいが、結界の維持について、誰かに引き継いでいけよ」

 ジルトというのは、カリンの父のことだ。

「まだその辺は決めてないの。神官は婚約期間に半年が必要らしいのよね」
「そうなのか? 勇者のお袋さんは、隠れ里の神官とわりとすぐに再婚していたが」
「ここは外とは違うでしょ」

 とりあえず、先に父に会うと断り、カリン達は鍛冶屋を後にする。
 ちょうど鍛冶屋と反対にある、東側の静かな辺りに、ナルバ家はある。熊みたいな男が薪割りにせいを出していた。

「父さん、ただいま」
「カリンか。おかえり」
「話があるの、今、いいかしら?」

 寡黙な父は頷くと、中に入るように手振りで示した。



「カリンのこと、よろしくお願いします」

 話を聞くなり、ジルトは深々と頭を下げた。

「そんなにあっさり許しちゃうの?」

 反対されても嫌だが、すんなり上手くいくとそれはそれでちょっと気にかかる。カリンの問いに、ジルトは頷いた。

「神官様の人となりはよく分かってる。なんの問題もない。ただ……娘は賢いが、ときどき大真面目に馬鹿をするから、気を付けてやってくれ」

 ライアンは大きく同意する。

「ええ、身に染みて分かっていますので、それはもう注意します」

 男達は握手をした。

「ちょっと!」

 なんだ、その理解のしかたは。カリンはむくれる。

「婚約期間が半年なので、来年の夏頃に結婚式を挙げたいと思っています。決まりましたらお知らせします。それから、住まいなのですが……」
「ああ、好きにしてくれ。カリンほどじゃないが、結界の維持をできる魔法使いは他にもいるからな。できれば俺が死んだ後は、カリンがたまにここに来て、調整してくれるとありがたいんだが」

 ジルトの言葉に、カリンは顔をしかめる。

「父さんってば、まだまだ元気でしょ! 勇者一行としての旅もあるし、引退するまではあちこちうろついてて落ち着かないと思うわ」
「そうだが、何が起きるか分からんだろ。神官様も、勇者一行なんだ。出世するかもしれないしな」
「あの、私のことはどうかライと呼んでください。ジルトさんが許してくださるなら、お義父とうさんと呼ばせていただきたいのですが」

 ライアンが恐る恐る切り出すと、ジルトは眉をわずかに上げた。

「そうか、家族になるのに神官様呼びではよそよそしいか。では、ライ君と呼ぼう。そう呼んでくれてかまわない」
「うれしいです。私は幼い頃に親を亡くしたので……。実の親と思って孝行いたしますよ」
「あまり負担に思わないで欲しい。寄りつかなくなられると寂しいからな」

 二人が親しくしている様子は微笑ましいが、カリンは重大なことに気が付いた。

「あれ!? そういえばアイナちゃんも父さんも、ライ呼びじゃない! 私は呼んでない!」
「勇者様も呼んでないですよ。カリンさんも呼んでくださってかまいませんけど」
「けど?」
「ハニーとかでもいいですよ」

 ライアンはにこりと笑った。

「もう、からかわないでよ! 父さんに先を越されるなんて!」

 くやしがっているカリンを気にせず、ジルトは話を変えた。

「ライ君、親として一つアドバイスしよう。新居では家政婦を雇うべきだ」
「ええ、そのつもりです」
「そういうことで分かり合うの、やめてよね!」

 カリンはテーブルをバンバンと叩いて抗議した。



 結婚の許可はすんなり手に入ったが、カリンはどっと疲れた。

「まあでも、ライアンが父さんとうまくやれそうで良かったわ」
「ええ、本当に。立派な方ですから、緊張しました」

 そう返して、ライアンは斧を振り下ろした。まきがスコンと割れる。横に放り投げて積んでいく薪を、カリンが集めて薪置き場に持っていく。
 今日はナルバ家に泊まるため、ライアンが手伝いをすると言い出したのだ。カリンは家事を一切禁止されているので、部屋に上がるつもりだった。
 結界のおかげで、外よりは暖かい。

「疲れてるでしょ。明日でいいんじゃない?」
「私はまだ元気ですよ」
「そう? 私はくたびれたわぁ」
「中に入っていて、いいのに」

「婚約者をこき使って、のんびりはできないわね。ね、風の魔法でズバッと片づけるのはどうかしら?」
「さあ、カリンさん。家に戻ってください。ハウス!」
「犬扱いしないでよ、失礼ね!」

 ちぇっと口をとがらせていると、聞きなれた声がした。

「おい、魔法使い。家事はするなと言ってるだろ」

 勇者エドワード・クロスが、アイナとともに歩み寄ってくるところだった。腰かけていた丸太から、カリンは立ち上がる。

「エドに、アイナちゃん? えっ、天空神のお告げがあったの?」
「違いますよ~」

 てっきり勇者の旅が再開するのかと思ったが、アイナが否定した。水色のワンピースの上に、白いコートを羽織っていて可愛らしい雰囲気だ。

「お久しぶりです、カリンさん、ライ。今度、王都のパーティーに、魔物の国から同盟を記念して、親善大使が参加するんですよ。魔物の来賓は二人目なので、リリーが心配して、勇者一行にも傍にいて欲しい、と。私も招待されています」
「同盟、実現したんだ?」

 王都にいたが、そんな噂は聞かなかった。ジール王国の現女王リリーアンナの戴冠式から、二年。水面下で着々と同盟への道を進めていたようだ。

「ええ、その発表もかねているそうですよ。魔王陛下からも、くれぐれもよろしくとおおせつかっております。同盟といっても、お互いに不可侵で、それぞれの特産品を交易しようというものですから、もしジール王国が他国に攻められたからといって、魔物の国は動きませんけどね」

「だが、魔物の国と同盟を築いただけで、他国への牽制になるぞ」
「リリーはとても賢いですよね。代わりに各種さまざまな毒草を輸入するので、魔物の食事が豊かになるだろうと、魔王陛下もお喜びです」
「人間側からしたら、大盤振る舞いだよなあ」

 魔物にはたいして利益がないかと思われる内容だが、文化の大きな違いのせいで、魔物にとってもおいしい側面があるようだ。

「それで、王宮に足を運んだら、お二人が魔の山岳地帯に向かったと聞いたので、迎えにきたんですよ。予定は大丈夫ですか?」
「もちろん、国の平和のためなんだから、はりきって参加するわ」
「ええ。婚約の報告という用事も済みましたからね」

 カリンとライアンが答えると、エドワードが明るい顔をした。

「おっ、やるじゃないか、ライアン!」

 ライアンの背を叩くエドワードに近づいて、アイナがエドワードのそでをついっと引く。

「ねえ、エド。コンヤクってなんですか? 結婚のこと?」
「ちょ、その仕草、可愛すぎる! アイナの可愛さに殺される!」

 もう新婚期間は終わったはずだが、エドワードのアイナへの溺愛ぶりは相変わらずだ。
 エドワードが使いものにならないので、アイナがこちらを見た。

「婚約っていうのは、いずれ結婚するという契約をしている期間のことね。法律もかかわってくる正式なものだから、この期間中に婚約破棄することになったら、慰謝料いしゃりょうが発生したりするわ」

 理由によるけれどというカリンの説明でも、アイナは首を傾げている。

「ドラゴンに婚約なんて概念はないから、分からなくてもしかたないよな。ピンとこないと、つがいにならないんだし」

 エドワードがフォローをして、肩をすくめた。

「とりあえず、夫婦ではないけど、婚約中のカップルに手を出すのは醜聞になるってことね。相手や親に殺されても文句を言えない」
「なるほど。番という扱いをしておけばいいのですね、分かりました。ええと、そもそもお二人はやることはやってるのに、まだ番じゃないんですか?」

 アイナの素朴な疑問に、カリンとライアンは顔を赤くする。そうおおっぴらに聞かれると、ばつが悪い。

「アイナ、その辺にしておいてやれ。神官の決まりらしいから、しかたねえよ」
「はあ。人間は複雑なんですねえ」

 ちんぷんかんぷんだと言いたげに、アイナは目をまんまるにする。
 とりあえず、今日は集落に泊まり、明日には王都に戻ることに決まった。
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