断片の使徒

草野瀬津璃

文字の大きさ
上 下
81 / 178
本編

 4

しおりを挟む




「よっ、暇してんのな」
「シーク……」

 ガタンと音がして、本から顔を上げて見つけた顔に、修太は反射的に顔をしかめた。

「お前、その反応、めちゃくちゃ失礼」
「……お前、うるさいから」

 理由を簡潔に述べ、また視線を本に落とす。ここの歴史はなかなか面白い。
 文面に視線を固定しつつ、ぼそりと問う。

「なんかボロボロじゃね? ダンジョン、そんなにきつかったのか?」

 シークの白い髪や黒い服のあちこちに砂埃がついている上に、額はれ、手にも包帯を巻いている。

「ちげーよ。昼間に師匠に稽古つけて貰って、それでな」
「相変わらず容赦や加減の文字がないよね、師匠……」

 またガタンという音がして、シークの隣りにトリトラが座った。

「投げ飛ばされて、近くの水路に突っ込むわ、畑に穴あけるわ。分かってたけど、あちこち打ち身だらけだ」

「うん。分かってたけどね、こうなるの。師匠も、稽古付けてって頼んだら不思議そうにしてたし」
「二年経ったんだから、少しくらいまともにやりあえるかと思ったんだけどなあ」

「間合いに入ったら、気付いた時には吹っ飛ばされてるもんねえ。動作が見えないってどういうこと」

 溜息混じりに言い合う二人。グレイの戦闘センスは流石らしい。
 まあ、それくらいなくては、砂漠の悪魔デザート・サーペントなんて大蛇を一人で相手したりしないだろう。砂漠での旅を思い出し、修太は、勝負を挑む勇気がある少年二人の無謀さを思った。

 しばらくぼやいていたが、トリトラがどこからか羊皮紙と羽ペンとインク壺を取り出した。前も酒瓶を取り出していたのを不思議に思って問うと、腰に引っかけているポーチの中に、紐で繋がっている小さな保存袋を百ばかり折りたたんで入れていると教えてくれた。ポーチ内に手を突っ込んで、紐を丸ごと掴んで、取り出したい物を想像すれば出てくるようだ。

 見せて貰うと、小指くらいの小さな袋に、赤い糸で魔法陣が刺繍されていて、それが麻紐で幾つも縛られていた。前にピアスが言っていた、冒険者は持っているのが基本という道具だ。値は張るが便利が良いので、トリトラやシークは金が貯まる度に買っていたらしい。セーセレティー精霊国の冒険者ギルドなら、どこでも売っているとのことだ。

「ねえねえ、暇なら文字教えてよ。文字。ほら、絵本もあるよ」

 今日は仲間は誰も帰って来ないから、読書して夕飯時にでも帰ろうかと思っていたのに、これだ。基本的に待合室のテーブルは、冒険者や修太みたいに帰りを待つ人が使う物らしいが、修太がバイトを始めたので、隅っこなら自由に使っていいと大人達は言ってくれていた。急に代筆のバイトが入った時に呼べるから便利らしい。たぶん、こっちの意見の方を優先してるんだと思う。

「おい、見てみろよ。ほら、これだけ書けるようになったんだぞ!」

 シークも羊皮紙を取り出して、目の前でさらさらと覚えた文字を書きだした。本、インク、紙、ギルド、朝、夜、おはよう、お姫様、王子様。統一性の無い単語が並ぶ。最後の単語は、たぶん、絵本から覚えたんだろう。
 とはいえ、まだまだである。

「私も混ぜて欲しいな」

 気付けば、エアが遠慮なく隣りの席に座ってきた。

「あたし、横で軽く食べてるわね。頑張って学びなさいよ、エア」

 ヒルダが偉そうに言い、エアの隣りに座って骨付き肉をかじりだした。美味そうだ。
 見ていたら、お腹がぐうと音を立てた。

「う……」

 つい顔を赤くしてうつむくと、それを見たヒルダがきゃらきゃら笑いだす。

「正直ね、少年!」
「ふふ。私の分だけどあげるよ、シューター君」
「食べ物で釣るなんて卑怯だよっ! 分かった、じゃあ僕はお茶を買ってきてあげる」

 対抗心を燃やしたらしきトリトラが、ギルドを出て行き、すぐに木の実のカップを手にして戻って来た。ギルド前にある飲食店からテイクアウトしてきたらしい。

 この辺りは、中身は食べられないけれど柔らかく、皮が固い赤い実がなるアーシェルークというカッコイイ名前の木が多く生えている。荒野でも育つらしく、テイクアウト用のコップやスープ皿代わりによく使われているのだ。実の中身自体は、ケテケテ鳥の餌になるんだそうだ。ケテケテ鳥は、ケテケテと鳴く真っ黒い羽毛の鳥だ。七面鳥くらいの大きさがあり、この辺で出る鳥肉料理は主にケテケテ鳥だ。レステファルテで隊商の馬車を曳いていたクルクルといい、なんともネーミングセンスが安直である。……分かりやすくていいけど。
 そして、ヒルダが持っている骨付き肉もまた、ケテケテ鳥のハーブ焼きである。

「……いただきます」

 お腹が空いていたので、遠慮なく貰うことにした。
 両手を合わせて呟き、紙袋入りの肉を食べる。茶はポポ茶だ。

「それって何? お祈り?」

 エアが不思議そうに問うのに、口の中の物を飲み込んでから答える。

「俺の故郷の、食事の時の礼儀みたいなもん。食べる前に、食べ物とそれを作ってくれた人に感謝をこめて言うんだ。で、食べ終わると、ごちそうさまって言う。宗教ではないけど、これしないと何か気持ち悪いから」

「へえ、良い風習だね。ここいらじゃ、食前の祈りで、地の精霊と水の精霊に感謝するんだけど、私やヒルダは精霊信仰はしてないからね、特に何もしないかな」

「人それぞれ、好きにすればいいと思う。宗教だってそうだ。信じたいものを信じればいいと思う。ただ、信仰を押し付けるのは良くないから、それさえ気を付けておけばいいかな」

 修太が淡々と返すと、ヒルダがシニカルに口元をひん曲げて笑った。

「へえ、信仰の押し付けか……。はは、今の言葉、白教徒の連中に是非聞かせてやりたいね」

「俺の故郷は、八百万の神様がいるって考えをしててさ。何にでも宿ってるんだ。だから、漠然とした宗教感はあるんだけど、違う土地の宗教を良いところだけ混ぜこぜにしてたりしてて、なんか信仰心に薄いんだよね。無信仰ってわけではないと思うんだけどさ。だから俺、一つの神様を盲目的に信仰するっていうのがよく分からないんだよな」

 その感覚だけは、未だによく分からない。
 でも、なんとなく漠然と、神様みたいな大きな存在はいるんだろうなという気がしている程度。
 エレイスガイアの創造主であるオルファーレンには直に会ったので、いないとは言わないが。

「ちっさいのに小難しいこと考えてんのねえ。そんなんだと、若ハゲになるわよ? 少年」
「げほっ」

 ちょっ、食べてる最中に背中を叩くな!

「……失礼なこと言わないで下さいよ、ヒルダさん」

 咳き込みつつ、茶を飲んで、焼き鳥を食べ終わると両手を合わせて「ごちそうさま」と呟いた。屑を捨てるついでに井戸で手を洗い、戻ってきたら、ここ最近でお定まりになってきた文字教習を始める。
 年上相手でやりづらいところもあるが、元々遠慮なく物を言うところがあるので、気にしない三人は助かる。



 一通り文字を教え、夕飯時になったのでヒルダやエア、ギルド職員に挨拶して宿に帰る。シークやトリトラに挨拶しなかったのは、宿が同じだから一緒に帰ると言うからだ。
 道を歩く修太の横に、パタパタと尻尾を振りながら、コウが歩いている。

(こいつ、疲れないのか……?)

 いつ見ても、ぶんぶん尻尾を振ってテンションが高い。

「お前さ、いっつもフード被ってて疲れねえの? つか、もう暗いしいいんじゃねえか?」

 確かに、シークの言う通り、周囲は薄闇に包まれている。後ろ頭を腕で支えるようにしながら、飄々と歩いているシークを、修太は見上げる。

「パスリル王国の辺境じゃ被ってないと危なかったし、レステファルテじゃ、被ってたけどちょっとした拍子にばれて海賊に誘拐されちまった。その後、官船で魔物避けしてたら、第三王子に目ぇつけられて、危うくあの王子の魔物避けにされちまうとこだったし。これだけで面倒事を避けられるんならそうする」

 修太の返事に、シークは絶句したように固まった。

「おまっ、もしかして、パスリル王国から逃げてきたのか?」
「正確には、クラ森からこっちに来たんだ」
「クラ森?」

 今度はトリトラが訊いてきた。

青空永久地帯エターナル・ブルーの真下にある森」

 まあ別に嘘ついても困る内容じゃないしな。修太はあっさり答える。

「東の島国が故郷って言ってなかった?」
「うん。気付いたら啓介とそこにいた。で、フランに殺されかけたけど仲間になって、その後、サーシャに会って、で、レステファルテでピアスとグレイとコウに会ったんだ」

「ちょっ、待て待て待て! 今、さらって言ったけど、なにげに中身がすごくねえか!? 特にあの女剣士の名前当たり!」
「馬鹿だな、シークってば。気付いたら魔の森なんかにいた方がおかしいでしょ!」

「うん。でも、いたんだから仕方ねえじゃん。ま、色々あって、不思議現象を探して旅してるんだ。フランとは和解してるから平気。今は護衛についてくれてる。俺とは仲悪いけど、ケイとは仲良いから問題ない」

 腹が立つだけで問題は無い。腹が立つだけだ。………。

「小さいのに……やけに大人びてると思ったら……」

 トリトラの声が不憫そうな響きを持つ。

「帰らねえの? 人間って家族に固執こしゅうすんだろ。遠い所から来てんなら、親が心配するんじゃね?」

 シークがある意味最もな質問をした。

「それは大丈夫だ。俺の親はどっちも死んでる。一年前に事故でな」

 直後、ドコッという音がした。
 振り返ると、路面にシークが顔面から潰れていた。

「ああ、ごめんね。うちの馬鹿が」

 トリトラが爽やかな笑みを浮かべ、地面に沈めたシークの背をぐりぐりと踏みつける。
 とりあえず修太は見なかったことにした。笑顔が怖い。

「でも啓介の家は健在だからな。もう帰れないし、悪いよな……。当の本人が、不思議現象に喜んでるからまだいいけどさ」
「帰らないんじゃなくて、帰れないの?」

「なんか、扉が開くのが三百年後らしくってさ。俺は人間だから無理だな」
「? なんか複雑な条件があるわけ?」
「まあな」

 嘘は言っていないので、トリトラは不思議そうに首をひねりつつも頷いた。

「二人は帰らないのか? マエサ=マナに」
「え? 帰らないよ?」

 更に不思議そうに言われた。何で帰るのか分からないといった風情で。

「一回くらい、顔見せに帰ってやれば?」
「何でそんなめんどくさいことしなきゃいけないんだよ。どうせ追い返されるんだから、帰る必要ないと思うけど」

 なるほど。帰る場所がなくても気にしない、グレイタイプらしい。

「ねえ、シーク?」
「ああ、そうだな。この野郎っ」
「げふっ」

 シークは肯定しつつ、回し蹴りをトリトラに放つ。トリトラは油断していたのか、もろに腹に一撃をくらい、路地裏まで吹っ飛ばされた。バキャン! という、何かが割れる音が響いた。

「ふぅふぅ、ざまぁみろ!」

 鼻息荒く、シークが言い放つ。

「お前ら、俺の後ろで派手に喧嘩するのやめてくれない?」

 つい言ってしまった修太は悪くないと思うんだが、どうだろうか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【取り下げ予定】愛されない妃ですので。

ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。 国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。 「僕はきみを愛していない」 はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。 『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。 (ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?) そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。 しかも、別の人間になっている? なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。 *年齢制限を18→15に変更しました。

亡国の系譜と神の婚約者

仁藤欣太郎
ファンタジー
二十年前に起こった世界戦争の傷跡も癒え、世界はかつてない平和を享受していた。 最果ての島イールに暮らす漁師の息子ジャンは、外の世界への好奇心から幼馴染のニコラ、シェリーを巻き込んで自分探しの旅に出る。 ジャンは旅の中で多くの出会いを経て大人へと成長していく。そして渦巻く陰謀、社会の暗部、知られざる両親の過去……。彼は自らの意思と無関係に大きな運命に巻き込まれていく。 ☆本作は小説家になろう、マグネットでも公開しています。 ☆挿絵はみずきさん(ツイッター: @Mizuki_hana93)にお願いしています。 ☆ノベルアッププラスで最新の改稿版の投稿をはじめました。間違いの修正なども多かったので、気になる方はノベプラ版をご覧ください。こちらもプロの挿絵付き。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました

Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。 どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も… これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない… そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが… 5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。 よろしくお願いしますm(__)m

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?

秋月一花
恋愛
 本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。  ……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。  彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?  もう我慢の限界というものです。 「離婚してください」 「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」  白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?  あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。 ※カクヨム様にも投稿しています。

ダンジョンシーカー

サカモト666
ファンタジー
高校生の武田順平はある日、不良少年の木戸翔太や幼馴染の竜宮紀子らと共に、「神」の気まぐれによって異世界へと召喚されてしまう。勇者としてのチート召喚――かと思いきや、なぜか順平だけが村人以下のクズステータス。戦闘もできない役立たずの彼は、木戸らの企みによって凶悪な迷宮に生贄として突き落とされてしまった。生還率ゼロの怪物的迷宮内、絶体絶命の状況に半ば死を覚悟した順平だったが、そこで起死回生の奇策を閃く。迷宮踏破への活路を見出した最弱ダンジョンシーカーが、裏切り者達への復讐を開始した――

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

処理中です...