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本編
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しおりを挟む「で、おねーさん。俺は何を手伝えばいい?」
冷めた顔をして次から次にモンスターを屠り、襲われていた兵士達を助け、安全地帯に退避させてまた突っ込んでいくフランジェスカを見送り、よくやるよと呆れ混じりに思いつつ、修太はあっけにとられている灰髪黒目の女を見上げる。
肩越しに船尾の光景が目に飛び込んでくる。そちらでは、いかにも重そうなハルバートを軽々と振り回してモンスターを倒しているグレイの姿があり、右手側には船長らしき男や兵に指示を出しながら、時折手すさびのようにファルシオンでモンスターを斬り伏せているサマルの姿がある。あんな優男が、重量感のある剣を片手で扱っているのは違和感がある。人は見かけによらない。
「あっ、そ、そうだったわね。あいつらが狂ってるから私一人じゃ厳しいの、だから手伝って欲しいのよ。モンスター達を落ち着かせるの。出来るわよね?」
若干優しい物言いに変わった女が、けれど当たり前のように問うので、修太は困惑する。
「いや、落ち着かせるってどうやって?」
「どうやってって、落ち着かせるのよ! 今までどうしてたの?」
「何もしなくてもモンスターは襲ってこねえから、何もしてない」
「うー! どんだけ力強いのよ!」
説明下手らしき灰髪の女は頭を抱えてうなる。
「でもほら、あんたがここにいてもあいつらの勢いは止まらないじゃない。やっぱり落ち着かせなきゃ。いーい? 落ち着いてって、あいつらに頼むのよ。魔力をまじえてね」
……どうしよう、神様。
修太は途方に暮れた。
ここだけ言葉が通じてません。何を言ってるのかさっぱり分からないんですが、どうしたらいいんですか。
言葉は分かるのに理解出来ないなんて初めてだ。
修太は言葉を失くして、女の彫りの深い面立ちを見上げる。こんな砂漠の国の人間なのに、肌が白いんだなと場違いに頭の隅で考えた。これを現実逃避という。
二人の所だけモンスターの襲撃がないのは、周りで兵士達が頑張って阻止してくれているからだ。
「もー! とにかく! 落ち着けって叫ぶなりなんなりしなさいよ!」
とうとうぶち切れた灰髪の女は修太の背中をどんと押した。
え? なに、教えるの無理だからとりあえず実行しろって?
思わずうろんな目を向けてしまうが、どぎつい睨みが返ってきただけだった。
修太は思った。
――ほらみろ、やっぱり苦手なタイプだ。
とにかく、こうして突っ立っていても邪魔だろうし、やるだけやってみよう。
無茶苦茶な方法でも、しないよりはマシだろう。
モンスター達は減る様子がなく、次々に海から上がってくる。長期戦になったら、こっちが負けるのは目に見えている。
まず、目を閉じ、息を深く吸う。こっちが落ち着かないと、誰かを落ち着かせるのは無理だろう。
脳裏に穏やかな草原を思い浮かべる。長閑な春の景色と、乱舞する蝶。だんだん気持ちが落ち着いてくる。
大きく息を吐き、景色を思い浮かべたまま目を開ける。漆黒の目に青い魔法陣が灯のように浮かんだ。修太はそれには気付かず、小さい子どもに言い聞かせるようにとりわけ静かな声を出す。
「――落ち着け」
その瞬間、無音の衝撃が修太を起点として周囲へ円状に拡散した。
ぴたり。
まるで時が止まったかのように、魚のモンスター達の動きが止まる。そこをチャンスと眼前のモンスターを倒す者、今にも牙を突き立てられようとしていた者、傷を負って倒れながらもモンスター達を見ていた者――兵士達は驚きに目を丸くしていた。
修太の隣でやきもきしていた灰髪の女もまた驚き、呆然と呟く。
「さ、流石、漆黒は違うわね……。まさか一言で“落ち着かせられる”なんて思わなかったわ」
修太は軽い目眩と疲労感を覚えて息を吐きながら、女に問う。
「漆黒? あんたも〈黒〉だろう?」
「色が濃いほど、力が強い。カラーズの常識でしょ。黒って一口に言っても色々あるわよ。私は黒灰色だからね」
「ふうん」
そういえばそんなことを前にフランジェスカが説明していたなと思いつつ、くらくらする額に手を当ててその場にしゃがみこむ。本格的に気持ち悪くなってきた。
「ちょ、ちょっと。大丈夫?」
灰髪の女はやや焦った声を出して問う。
「シューター、まだ水があるのなら飲め」
足音を立てずに歩いてきたフランジェスカの言葉に、修太は水筒のことを思い出し、旅人の指輪から呼び出した。何も無い所から現れた水筒に灰髪の女は目を丸くする。
残っていた湧水を飲むと、気分の悪さは少し薄らいだ。
「水って。まさか魔力欠乏症だったの? やだ、あたしったら何てこと頼んじゃったんだろう!」
突然うろたえだす灰髪の女。
「ごめんねぇ! その病気の人って、魔力が減りすぎると死んじゃうこともあるのに。あたしったら、ああどうしよう!」
頬に手を当てて取り乱している女を、修太は唖然と見る。さっきまでの強気な態度はどこへ行ったんだ。対し、フランジェスカはどこか煩わしそうに眉を寄せている。
「リコ? どうかしたのかい」
「サマルさん! どうしよう!」
目敏く気付いたサマルがカツコツとブーツを鳴らして近付いてくるのに、リコという名らしき灰髪の女は泣きそうな声で必死に訴えた。
事情を聞いたサマルはリコの頭をぽんぽんと軽く手で叩いてなだめ、落ち着かせるように笑う。
「そんなに慌てていると、彼が驚くよ。まずは君が落ち着きなさい」
「ずっ、ずみまぜんっ」
話しているうちに本当に泣きだしてしまったリコは、鼻声で謝って、手の甲でごしごしと豪快に目元を拭う。
「彼女を手伝ってくれてありがとう。感謝するよ。まあ、勝手に動いたのは褒められることじゃないけど、こっちとしても助かった」
「いや、俺も助けて貰ったから別にいい」
「そうかい? そりゃありがたいね。ついでに周りにいるオーガー達も、どかしてくれると嬉しいんだけどな」
ずけずけと追加注文を口にし、ひょいと海のほうを親指で示すサマル。
そちらを見れば、襲ってくる気配はないが船の周りを取り囲んでいる魚モンスター達が、海面から顔を覗かせている。不気味だ。
というか、この金魚もどきがオーガーなのか。
修太は頬を引きつらせる。
「お前ら、どっか行けよ!」
手すりにへばりつき、やや背伸びをして海面を見下ろして怒鳴る。
オーガー達は「ギョギョ?」と首を傾げている。
「ほう、〈黒〉がいれば、全てが人の言葉を話すわけではないのだな」
横に並んだフランジェスカがしげしげとオーガーを睥睨する。
聖なる森やサーシャリオンの住む地底の塔などと、その辺の区域ではモンスターの質も違うのかもしれない。修太は内心で呟く。
「ギョギョギョ」
「ギョギョ?」
「ウギョギョギョギョ」
何か話しているオーガー達。やがてその中の一匹が海に潜った。
「何だ……?」
海を食い入るようにじっと見る。
やがて、バシャーッと水飛沫が上がって巨大な影が海から顔を出した。――修太達の背後で。
「って、そっちかよ!」
どんなフェイントだ!
修太は思わず突っ込みつつ振り返り、ひくりと顔を引きつらせる。
巨大な影は、青銀に輝く蛇だった。いや、よく見ると顔は竜だ。“竜”というより、“龍”が正しい。頭にはさっきのオーガー(だと思う、たぶん)が乗っている。
――ふあああ。なんじゃい、うるさいのう。
「く、口きいたぞ!」
「ひいっ」
渋い声でうなる龍に、兵士達はどよつく。
「ギョギョギョ、ウギョギョギョ」
――あん? なに? あの童を幽霊船に連れてけ? あの残留思念を片付けるのに良いコマだと? んん~?
龍はもしかして老眼なのだろうか、目を細めてじっくりとこちらを見、ふんと鼻息を漏らす。
――どれか分からんわ。人の子なんぞ、みんな子どもみたいなもんじゃろう。いつ見ても変わりばえせぬし。
「ギョギョギョ! ギョーギョッギョゴッ!!」
――ああもう、頭の上でうるさいのう! あの残留思念にはワシだって困っておるわ! ったく、三百年も、海に落ちた恋人探してうろうろうろうろ。呼んでる女の方もどうかと思うが、三百年も見つけきらんとは腰抜けめが! そんなんだから海賊なんぞに殺されるんじゃ、戯けめ!
ぶつぶつとぼやく龍。
オーガーと龍の会話を、修太達は唖然と見守っていたが、眉を吊り上げたフランジェスカが龍に怒鳴った。
「おい、貴様! 貴様、この金魚どものボスなのか?」
兵士達の顔色が一気に青くなり、やめてくれというように懇願の視線をフランジェスカに注ぐが、フランジェスカは気にせず視線をはね返す。
――そうじゃが。なんじゃい、お主。
「私のことなどどうでもいい。貴様、そいつらのボスなら、ボスらしく手綱を握っていろ! 迷惑だ! 一つの街が襲われているのだぞ!」
――ほーお。ワシが昼寝しとる間にそんなことになっとったんか。
「ギョギョギョ!」
――半年も寝てるのは昼寝にならない? ワシにとっては昼寝じゃわい。何年生きておると思っとるんじゃ、このヒヨッコが! お主なんぞ、こないだ生まれたばっかりのペーペーじゃろうが!
何か言い合っているオーガーと龍。
――はあ、仕方ないのう。おい、お主ら。こやつらを鎮めた〈黒〉はどいつじゃ?
龍の問いに、兵士達は思わず修太をじっと見た。
ああっ、余計な真似を!
――ほう、そやつか。ちまこいのう。ほれ、こっちに来い。安心せい、事が済めばちゃんと陸に帰してやる。
「い、嫌だ! 幽霊船になんか行かねーぞ俺は!」
修太はひしっと手すりにしがみついた。ほぼ死に物狂いである。
「そんなんは啓介に頼め! 俺はぜっったいに嫌だ!」
ぶんぶんと首を振って拒否するが、龍はカカと笑うのみだ。
――なんじゃ、童、お主幽霊が怖いのか? あんなのただの残留思念じゃ。恐ろしいのは、探しとる相手の魂が神の断片と融合してしまっての、それで妙な力を持ったことかの。ああ、人間には分からぬだろうが。
「断片だと?」
フランジェスカが眉をぴくりと上げる。
「断片でも破片でも嫌だ!」
「貴様、いつもの大人顔負けの落ち着きっぷりはどうした。どう見てもその辺のクソガキと一緒だぞ? ああ、いや違ったな。貴様もクソガキだ」
修太はキッとフランジェスカを睨む。
「うるせーぞ、フラン! てめえなんか性格最悪の通り魔騎士だろーが!!」
「人聞きの悪いことを言うなっ、礼儀知らずのクソガキが!」
「てめー限定だっ! 働いてたんだから礼儀くらい知ってる!」
ぎゃーぎゃーと言い合っていたら、ふいに甲板に影が落ちた。
「あっ、どこかで聞いた悪口の言い合いと思ったら、シュウとフランさんじゃん!」
「ん?」
「む?」
二人揃って上を向くと、巨大な鳥モンスターの背に乗った啓介とサーシャリオンが見えた。思わず目をこすってしまうが、幻覚ではない。
赤色の極彩色をしたオウムみたいな鳥モンスターは、バサバサと羽ばたいてホバリングしており、それで起こった風が頭上からごうごうと吹きつけてくる。
「ケイ殿!? サーシャ? なっ、何をしている!」
「えー? 何って、幽霊船を探しに来たんだよ。二人こそ何してるんだ? グインジエで探したのに見つからないからさ、好きに行動することにしたのに」
修太は呆れ果てた。
「お前……ほんっと自由だよなあ」
心の底から呟く。
次から次へと起こる珍現象に、船の上はまたざわついた。
――こっ、これは! クロイツェフ様ではござらんか! このような粗末な船に何の用です!
「……悪かったな、粗末な船で」
龍の言葉に、船長らしき髭のたっぷりした男がぼやく。
それを横目に、青年姿のサーシャリオンはひょいと鳥の背で立ち上がる。白いマントが風を受けてなびく。口布を押し下げると、サーシャリオンは龍に片手を上げて挨拶する。
「久しいのう、シーガルド。耄碌しておるかと思うたが、まだ健在か。して、人間の船の前でどうした?」
――いやあ、実はですのう。
龍はサーシャリオンに事情を話した。サーシャリオンは頷く。
「そうか。それならば、我らが行くゆえ気にするな」
――ええっ、よろしいのですか!
「うむ。我は暇潰しに付きおうておるのみだが、こ奴らは別だからな」
「ってことは、サーシャ。俺達、幽霊船に行けるのか? やった! 幽霊、最高!」
話を聞いていた啓介がテンション高く言い、満面の笑みを浮かべる。
だから何でお前そんなに幽霊が好きなんだよ。
修太は手すりにへばりついて意地でも放すかと思いつつ、幼馴染に奇異の視線を注ぐ。
「行くぞ、シューター」
がしっとフランジェスカに腕を掴まれ、修太は顔面蒼白で首を高速で振る。
「断る!」
「…………。……行くぞ」
「わーっ、嫌だって言ってんだろ! いででで、この怪力女! 放しやがれ!」
「貴様が手を放せ! 女々しいぞ、幽霊ごときでなんだ、そのていたらくは!」
「お前、幽霊って、呪われたりたたられたり、金縛りにあわせたり、枕元に立ってたり、じわじわ人間追い詰めて殺したりするんだぞ! 後ろにいきなり立ってたらどうすんだよ、怖いだろーが!」
怒涛の勢いで反論する。こんなに喋ったのは初めてな気がする。
「シュウ……。そんなにトラウマになってるなんて。雪奈が無理矢理ホラー映画に付き合わせたせいか……ごめんな」
啓介は鳥の背から、申し訳なさそうに謝る。
「ユキナ? ほらーえいが?」
意味の分からないフランジェスカに、苦い顔をする啓介。
「あー、雪奈は俺の妹。ホラー映画は怪談ものの劇みたいなのだ。雪奈は、怖がってるシュウが面白いからって、無理矢理付き合わせてホラー映画を見せて、そんなシュウを見て楽しんでたんだ」
「だからお前ら兄妹に関わると碌なことねーんだよ!」
「ケイ殿の妹御は、サディスティックな趣味をお持ちなのだな。はあ、それでは無理に連れていくのも……可哀想なことは全くないが、面倒だな。いっそ海に突き落として、あの魚もどきに拾わせるか……」
手すりにしがみついてテコでも動かない修太に溜息をつくフランジェスカ。ぶつぶつと怖いことを言うので、慌てたようにリコが前に出た。
「待って! どう考えても可哀想よ! それならあたしが一緒に行くからさ、坊やは残ってなさいよ」
「「「リコさん!?」」」
兵士達の声が重なる。
「リコ、何を勝手に決めて……。君はこの船の船員なのだから、勝手な行動は慎みなさい」
サマルが眉を寄せて言うのに、リコは首を振る。
「それは無理よ、サマルさん。だって、あたしは雇用契約で、自由に行動することを約束して貰ったからね。幾ら提督でも、あたしが決めたことには口出し出来ないはずよ」
「確かにその通りだが……」
「大丈夫よ、この人達が一緒なら安全そうじゃない? ねえ、事が終わったらあたしをこの船まで届けてくれる?」
「ああ、もちろん良いぜ!」
啓介は快く了承する。
「あと龍神様、アストラテで暴れてるオーガーをどうにかして貰いたいんですが」
――アストラテ? ああ、確か陸に行った所にある人間の街かのう? よいぞ、ではクロイツェフ様達がそちらを片付けている間に、ワシは奴らをどうにかしよう。とはいえ、あの残留思念の絶望にあてられて闇堕ちしておるのでは、ワシではどうしようもないのだがのう。
龍は少し考え、そうじゃと呟く。
――それならば、童、お主がワシとともに来て、奴らを鎮めよ。それで、代わりに、その娘に幽霊船に向かってもらえばよい。そう思わぬか?
「それなら別に、いいけど……」
修太は渋々と頷く。
「ちょっと待て。となると、この船から〈黒〉がいなくなる。それは困るんだ」
サマルが口を挟むと、龍はそれもそうじゃなと頷いた。
――では主らもワシとともに来るがよい。さすれば問題ないじゃろう。クロイツェフ様、帰りはワシが迎えに参りますゆえ。
「ああ、分かった。我は別に手はいらぬがな、人間はか弱い故、気を付けねばならぬからな」
「よろしくお願いします、龍神様!」
にこっと啓介は笑い、頭を下げる。龍は頷いた。
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「行くぞ」
「ええ。じゃあね、みんな。ちょっと行って来るわ」
リコは軽いノリで手を上げると、フランジェスカとともに鳥モンスターの背中によじ登る。四人乗っても平気なほど、鳥モンスターはでかかった。
「リコ、気を付けて。無理そうなら怪我する前に帰らせてもらうようにね」
サマルの言葉に、リコは笑みを返す。
「もー、サマルさんて心配性よね。大丈夫よぉ」
快活に笑い飛ばし、気を付けてと叫ぶ兵士達に手を振るリコ。落ち着いたのを見て、啓介は鳥モンスターに頼み、鳥モンスターは空へと飛び立った。
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