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連載 / 第二部 塔群編

 05

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 荷物を全て魔法のバッグである籠バッグにしまってから、木綿のネグリジェの上にショールをかけた格好で戻ってきたりあは、部屋の前まで来て立ち止まった。
 平気を装ってはいるものの、内心、どぎまぎしている。口から心臓が飛び出しそうだ。

(だ、大丈夫よね? レクスってなんだかんだ真面目だし、なんにもないよね!?)

 女としては一大事だ。しかし元のりあならともかく、ユーノリアの外見は一級品である。

(駄目だーっ。私が男なら、押し倒すわ。ぜん食わねば男の恥ってやつよ。どうしよ、やっぱりアネッサの部屋に戻って……)

 扉の前で右往左往うおうさおうしていると、突然、内側から扉が開いた。

「ひゃっ」

 飛び上がるりあに、レクスが不審げに見る。彼は白い亜麻あまのシャツとズボンという寝間着姿だ。いつも付けている銀製のアクセサリーがないので、なんだか新鮮だ。

「何してんだ、あんた」
「なんで私だって分かったんですか?」
「人の気配くらい読める」
「はあ」

 とんでもないことを平然というのを聞くうちに、りあは気が抜けた。どんな時でも、レクスはレクスである。とりあえず中に入り、部屋の鍵を閉める。

「あれ、ラピスさんは?」
「荷物の支度は終えたからな、風呂に入って休むように言った」
「そ、そうですか……」

 いきなりの二人きりで、ものすごく気まずい。

「あのぅ、ハナやエディを呼んでもいいですか?」
「気持ちは分かるが、やめておけ。これから嫌な話をする」
「ええっ、なんですか、その前置き。嫌だなあ」

 促されるまま長椅子に移動すると、レクスは水差しの中身をにらんでいる。

「何してるんですか?」
「ん? 何か混ぜられてないか、においを確認してる」
「慎重ですね」
「グラスは洗っておいた。やっぱりこれも捨てるか」

 レクスは宣言するや、洗面所に行って、すぐに戻ってきた。

「リア、これに魔法で水を入れてくれ」
「ええ」

 りあは言われるまま、呪文を唱えて小規模の水魔法を使う。レクスはその水をグラスについで、自分とりあの前に置く。

「これでいい。で、話だが、この部屋は見張られているようだ」
「えっ」

 りあがきょろきょろすると、レクスは手を振る。

「いや、今はいない。あっちの壁の向こうに空間があってな。そこの肖像画の目から覗けるようになってるみたいだ」
「ええっ、寝室を覗くなんて悪趣味なっ」

 絶句するりあに、レクスも不愉快だと同意する。

「応接室にこういう仕掛けをすることもあるが、質の良い宿では珍しいな。たまにあるんだ、そういう変態がやってる宿」
「うわあ、怖すぎます。あ、でも。聞いたことありますよ。私の国でも、部屋に隠しカメラや盗聴器……ええと、こちらでいうメカマジみたいなものが仕掛けられてることがあるって。どこの世界にもそういう犯罪する人っているんですね、気持ち悪い」

 怖気でぶるりと震える。そんな悪意の中に、今、りあはいるのだ。

「でも、よく気付きましたね」
「わざわざ部屋を移動させたんだ、何かあると思うのが普通だ」
「おおー、レクスってすごい」
「あんたが無防備すぎるだけだからな?」

 パチパチと拍手して褒めると、レクスにちくりと釘を刺された。りあはしょんぼりと肩を落とす。

「すみません。私の国って平和だから、まだ慣れないんですよね。レクスのほうは、これまで大変だったみたい」
「俺は王族だから、幼い頃から自衛のすべは叩きこまれてる。家族仲は良いが、貴族連中の思惑までは分からないからな。お前も、ちょっとずつ知っていけばいい」
「はい、そうします」

 りあは頷いた。レクスは厳しいが、良い教師だ。彼からは学ぶことが多い。

(良い仲間と出会えたわよね。ラッキーだったと思う)

 幸運に感謝していると、レクスがさも当然と問う。

「そういうわけだから、芝居しばいに協力しろよ?」
「……はい?」

 え……? 何? 芝居?
 よく分からぬうちに、就寝する流れになり、りあはダブルベッドの端に座って頭を抱えていた。すでに部屋の明かりは落ち、サイドチェストに置いたメカマジのランプの中で、魔法の明かりが揺れている。

「ちょっと、この流れはおかしくないですか!? 私、長椅子で寝ます」

 奥側にすでに寝転がっているレクスは、面倒くさそうに返す。

「俺の話を聞いてたか? 見張りがいるって言っただろ。別にいいけど、恋人同士が嘘だってバレて困るのは、俺じゃねえし」
「うっ」

 ぴたりと動きを止め、りあはうめく。

「俺と芝居するのと、あの野郎の部屋に連れ込まれるのと、どっちがいい?」
「……こっちがいいです」

 しおしおとうなだれ、りあはダブルベッドの端っこに戻る。小声で念入りに注意する。

「何もしないでくださいよ!」
「芝居以外は」
「……レクス」
「まだなんかあんのか?」

 うるさげに問うレクスに、りあはベッドの上で正座して、ぺこりと頭を下げて謝った。

「女性が苦手なのに、お芝居でもごめんなさい」

 しばしの沈黙の後、レクスは深いため息を吐く。

「お前がそんなだから、放っておけないんだ。ここで意気揚々と便乗してくるタイプだったら、ここまでしねえよ」
「本物のユーノリアだったら、きっとレクスも大喜びだったんじゃないかと思うと、申し訳なくなります」
「俺が見た目しか見ない馬鹿だって?」

 皮肉を返すレクスに、りあは話を続ける。

「美人になれたら素敵だろうなって思ったことありましたけど、実際、入れ替わってみると、元の体のほうが好きみたい。あの平凡な私がここにいたら、こんなに親切にしてくれたのかなって思うことはありますよ?」
「さあな。でも、お前は中身が入れ替わってここにいるんだ。推測なんか話してなんになる?」

 全く慰めもしないレクスの言葉に、りあは噴き出した。

「ふふっ。レクスは正直ですね。優しくないけど」
「俺が言えるのは、相手が誰だろうと、人が落ちてきたら助けるし、拾った手前、世話もするってことだけだ」

 意外な言葉だった。
 レクスは相手が誰でも、対応を変えないのか。もしかしてりあが自分のままでこの世界に来ても、こんなふうに仲間になれていたのだろうか。そんなことを想像すると、所詮しょせんは偽物だと落ち込む気持ちが、少しは慰められる気がした。

「そうですか。じゃあ、もういいです。――でも、いつか私が私として、レクスと会えたらいいな」

 りあがレクスを見下ろすと、灰色の長い髪が一房落ちた。レクスがその髪を摘まんで、つんと引っ張り、にやりと笑う。

「きっとすぐに分かるだろうぜ。あんた、ドジだから分かりやすい」
「なんですか、それ。まったく……きゃっ」

 文句が途中で悲鳴に変わった。レクスに右腕を引っ張られ、ベッドに倒れ込む。気付くと天蓋の天井が見え、顔の両側にレクスが両手を着いている。こちらを見下ろす目は、どう見ても獲物を見つけた狼のようで。

「え、ちょ、何もしないって……!」

 食われる! と青ざめたりあは、あたふたと押しのけようとした。が、レクスが耳元に顔を近付けてきて、息を飲む。

「……静かに。来た」
「えっ」

 一瞬、なんの話かと戸惑った。

(来た? 来たって何が?)

 その後、そういえば見張りが来る可能性があるのだと思い出した。

(恋人のふりをすればいいのね!)

 りあはすぐに映画で見たロマンスシーンを思い出し、レクスの首に両手を回す。そして、ひそひそとささやき声で問う。

「い、いるんですか? 今? そこに?」
「一人。この気配の感じだと、主人な気がするな」
「ひーっ、気持ち悪い。魔法をぶっ放していいですか?」
「芝居してる意味がねえだろ。……俺もぶん殴ってやりたいけど」

 二人して物騒な会話をしつつ、レクスが明かりに手を伸ばす。明かりを消し、ついでに天蓋を閉じてしまうと、壁の向こうで誰かが舌打ちした気がした。
 しばらくして、レクスが横へとどいた。

「……よし、いなくなった」
「最初からこうしてれば良かったんじゃありません?」

 それぞれ離れたものの、りあはドキドキとうるさい胸を押さえたまま、納得がいかずにレクスに小声で抗議する。

「それっぽい場面を、ちらっと見せておいたほうが良いだろ。あとは想像にお任せってな」
「うわあ、やだやだ、誰かに想像されるなんて嫌です。気持ち悪すぎっ」

 鳥肌の立った腕をさすり、思い切り悪態をつく。こちらは不愉快極まれりという気分なのに、レクスはあっさりと切り替えた。

「じゃ、俺は寝るから。お前もあっちに離れろ」
「長椅子に行きますよ」
「また戻ってきたら、誤魔化すのが面倒だ。端にしておけ」

 言うだけ言うと、レクスはさっさと奥の壁側の端に寄り、自身の左腕を枕にして、こちらに背を向けて寝入ってしまう。すぐに寝息が聞こえてきて、りあは驚いた。

「えっ、もう寝たの? お休み三秒の人って本当にいるんだ」

 念の為、レクスの顔の上で、手を振ってみる。何も反応が無い。

「すごい、本物だ。レクスって色んな特技を持ってるのね」

 感動の呟きをして、りあも反対側の端に寄って寝る体勢に移る。緊張して眠れないかと心配していたが、思っていた以上に疲れていたのか、しばらくすると眠りに落ちた。


     ◆


 りあが寝入ると、レクスは起き上がった。

「なーにが、お休み三秒の、色んな特技持ちだよ。こいつ、本当に間が抜けてんなあ」

 呆れをたっぷり込めて見下ろす。もちろん、狸寝入りだ。
 こちらを警戒していては寝れないだろうから、先にレクスが寝てしまえば安心できるだろうと配慮しただけだ。
 レクスからしてみれば、りあは親鳥についてくる雛鳥ひなどりみたいなもので、危なっかしくて目の離せない存在に過ぎなかった。
 りあはいつも能天気で周りに流されやすく、例えるなら、漕ぎ手のいない小舟みたいな感じの女だ。ゆらゆらとどこに向かうんだか分からないところが、つい目で追ってしまう。

 あまり自分の意思というものをはっきり示さないタイプなので、意見は口にするものだと思っているレクスには、たまに苛立つこともある。だが、むしろそんな彼女だったから、入れ替わりなんてとんでもない事態でも、なんとなく受け入れていられるように思える。入れ替わった相手のことを心配して泣いているのを見ていると、善良すぎて不安すら覚えた。
 どう考えても、レクスがりあを気にするのは、保護者が子どもを守るみたいな庇護欲ひごよくだ。だから、同じ部屋にいても何も問題無いと思っていた。――のに。

(さっきのは……危なかった)

 いつもは悩みなんてありませんという、のほほんとした態度なのに、急に寂しげな顔をするから、こちらまで戸惑った。しかもその内容が、元の自分でレクスに会いたいというものだったから。

(……可愛いって、思っちまったじゃねえか……っ)

 レクスは顔の下半分を、右手で覆った。何故か、妙に悔しい気分になる。
 ちらりとりあを見ると、すやすやと安らかに寝ている。こちらの気も知らずに、のんきなものだ。
 レクスは過去のトラウマのせいで女嫌いだが、そもそも、家族以外の他人全般を信用していない。幼い頃から傍にいるラピスやその一家は信じているが、政治の中枢で育ったので、嫌でも他人の思惑や悪意にさらされてきた。こちらに向ける好意的な笑顔の裏に、どんな本音が隠されているんだか分からないことを、よく知っている。

 そんな不穏な人間ばかりでないことも、冒険者として旅をするうちに知った。善人もいるが、その中でも、りあはかなり異質だ。ここまで裏表のない人間も珍しい。
 しかし、お人好しというのは、周りに利用されやすいものだ。加え、りあは周りに流されやすい性格ときた。アネッサが騎士としてりあの傍にいたがるのは、彼女の危うさを見かねてのことだろう。

(あいつもたいがい、良い奴だよな)

 ふと、レクスはアネッサを思い浮かべた。
 アネッサとは気は合わないが、長所は認めている。もし、りあがアネッサのようにさばさばしていたら、レクスもアネッサも、りあの世話を焼こうとは思わなかったはずだ。
 危なっかしいのに、りあは白の番人という役割のために、魔物に狙われている。
 レクスはもう、りあが傷つくところは見たくない。
 彼女が一度死んだのを、目の前で見送った時にこりた。奇跡に、二度目は無い。
 だから余計に、塔群の連中にはイライラさせられる。

(あのクロードって奴、気に入らねえ。しかし、奴の目的は何だ? あいつはどう見ても、ユーノリアを嫌ってる。わざわざ結婚したがる理由は?)

 前の長の願いだと、もっともらしいことを言っていたが、望まないなら公表せずに無かったことにしていただろう。現に、りあが塔群に顔を出すまで、話題にもしていなかったらしいのは、居合わせた魔法使い達の動揺ぶりからも分かる。

(狙いがあるとすれば、リアじゃなくて、白の書か?)

 白の書は、前の代の長から、ユーノリアが受け継いだと聞いている。血族主義ならば、当然、代々受け継いできたものにも執着するはずだ。

(そっか、そうだよな。そういうことなら、ユーノリアが塔群に寄りつかなかった理由も理解できる)

 考え込むにつれ、問題の渦中かちゅうにいるりあが平和そのもののお気楽さなので、肩の力が抜けていく。

(真面目に考えるのが馬鹿馬鹿しくなってきた。今日はもう何も仕掛けてこねえだろ。寝よう)

 レクスは枕を手に取り、ベッドから抜け出した。壁のマント掛けから自分のマントを取ってくると、肖像画からは死角になる位置、りあ側のベッドの下、床へと寝転がる。冒険者として野宿も多いからどこでも眠れる。だが、さすがにりあの隣で寝られるほど図太くはない。
 この様をラピスが見たら、さぞかし大笑いするだろうなと想像して、レクスは眉を寄せて目を閉じた。
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