【2章完結】超古代技術【ゴーレム】を扱える世界唯一の少年、不当に勇者パーティを追放されるが、戦闘も農業も全自動化し、世界最強に成りあがる!!

音速炒飯

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【ざまぁ前フリ回】第51話 ゴーレム技師、黒幕とついに直接対決する

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 そして、ゴーレム対決当日の正午。

 僕とアルカは、いつもの闘技場にいた。

 入場すると、前回と同じくらい観客が入っている。

 勇者の称号というのも人々の関心を引いていたが、同じくらい『ゴーレム』というものにみんな興味を持ってくれているのだろう。嬉しいなぁ。

 そのうちアダマンタイト採掘以外にも、人の役に立つゴーレムでも作ってみようかな。

 正直、今日の相手が僕を勇者パーティーから追放するように仕向けたことなどは、大分どうでもよくなってきていた。

 人々にゴーレムのすばらしさを見せられることと、相手がどんなゴーレムを見せてくれるか。その2つでわくわくしっぱなしだった。

 意識を闘技場に戻す。

 闘技場中央には、木材を積み上げて簡易的なステージが出来ている。

 反対側の入場ゲートから、髭の生えた中年男性が優雅に歩いてくる。

”ずしん、ずしん”

 中年大生の後ろから、大きな足音をさせて、何かが入場してくる。

「あ、あれは……」

 勇者選抜試験の時に、僕が作った戦闘用インスタントゴーレムだ。どうしてここに? そして、何故僕が作ったのとは違う動きをしているのか。

「始めまして、ナット君。私はボイル。ゴーレム研究院の最高幹部の一人だ」

 作り物臭い笑顔で中年男性が名乗る。

 ”ゴーレム研究院”という名前は、初めて聞いた。少なくとも、僕がいた田舎にはそんな噂は流れてこなかった。

「ゴーレム研究院は、1000人以上のゴーレム研究家が集まっている組織だ。どうかね? 私たちとともに来ないかね?

 正直なところ、ゴーレム研究院はまだゼロからゴーレムを作る技術がない。だが、君ならできる。

 君と私達の力があれば、国家にも等しい力を持つことができるだろう。いや、それどころか大陸の支配も夢ではない」

「お断りします。私欲のためだけにゴーレムを使う人と手を組みたくはないです」

 僕がはっきりと断ると、ボイルは露骨に不満そうな顔をした。

「チッ! 勇者パーティーから追放させたり色々と根回ししたが、もう面倒だ。直接対決で決着をつけよう。見せてあげよう、我がゴーレム技術院の技術力を」

『両者とも気合十分ですね! それでは本日のルールを説明させていただきましょう!』

 僕とボイルの間に、どこからともなくリエルさんが現れた

『本日の勝敗は、ずばり”どちらが人の役に立つゴーレムを作れるか”です。観客の皆さんには、入場時に赤色と青色のハンカチをお渡ししています。両者のパフォーマンスをみて、ボイルさんのゴーレムの方が良いと思った方は赤色を、ナットさんの方が良いと思った方は、青色をあげてください!』

 なるほど、観客に勝敗を決めてもらうのか。

『ボイルさんが勝てば、ナットさんはゴーレム研究院に強制所属していただきます。そしてナットさんが勝った場合には、ボイルさんはS級アーティファクトを差し出します』

 そういえば、僕が勝った場合の条件について、今初めて聞いた。完全に忘れていた。

 【アーティファクト】。超古代文明の遺産で、希に古代遺跡などから見つかるのだという。

 どれも強力な固有能力を持つときくが、S級となれば一体どんな性能をしているのだろうか。

 勇者としてのダンジョン探索に役立つことは間違いない。

『これから、お互いにゴーレムによるパフォーマンスを披露してもらいます! それではまず、ボイルさんのパフォーマンスをご覧ください』
 
 ボイルの改造ゴーレムが、ステージに向かってゆっくりと動き出す。
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