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第26話 【ちょいエロ回】 ゴーレム技師、新たなクエストを受注する&美少女ゴーレムに魔力供給する
しおりを挟む――新居に引っ越した翌日。
僕とアルカは、クエスト依頼書が張り出されている掲示板を見ている。
僕の当面の目標は、プラチナ級冒険者になること。
そのためにやらないといけないことは2つ。
1つ目は、クエストをクリアすると得られる貢献度ポイントを稼ぐこと。
2つ目は、社会奉仕系クエストを10回以上受注すること。
冒険者とは、その力で街の人々の暮らしに貢献するものだ。モンスターと戦うだけが冒険者の仕事ではない。
しかし中にはそういった初心を忘れ、街の人々の生活なんぞどうでもいいぜ! と言い出してしまう困った連中もいる。
冒険者の本分を思い出させるべく、こうした社会奉仕系クエストのクリアがゴールドランクへの昇格条件となっている。
だが、
「ありませんね、社会奉仕系クエスト……」
社会奉仕系クエストの代表的なものは、草むしりやどぶさらいだ。
最近は人手不足が解消されているらしくそんなクエストは発注されていない。
「あ、1つだけありましたよマスター。”アダマンタイト原石の採掘”ですって」
聞いたことがある。
確か、アダマンタイトは鉄にほんの数パーセント混ぜるだけで強度が跳ね上がるので、鍛冶屋にはとても重宝されている。
が、なかなか取りに行くのが難しく、冒険者も中々行きたがらないので鍛冶や自らが仕方なく採掘に行くことが多いらしい。
「ナットさん。アダマンタイト採掘に興味がありますか? 駄目ですよ! そのクエスト、とっても危険で毎年何人も死者が出ているんですから!」
いつもの受付のお姉さんが慌てて声をかけてきた。
「まず、アダマンタイトの原石は非常に重いです。火山まで馬車で行けませんから、歩いてアダマンタイトを運んでくることになります」
「大丈夫ですよ、私は力が強いですから」
と、アルカ。
「それだけではありません、火山には強力なモンスターが――」
「大丈夫ですよ、私ならキキさんやカカさん程度の強さのモンスターであれば軽く蹴散らせます」
「――火山はとても暑く、場所によっては気温50度を超えて――」
「大丈夫ですよ、私はゴーレムなので気温200度までなら問題なく活動できます」
「――火山ではあちこちから有毒なガスが噴き出していて――」
「大丈夫ですよ、私はゴーレムなので毒ガスは効きません」
……数秒の沈黙の後。
「あれ? アルカさんなら問題なく採ってこれそうですね」
受付のお姉さんの顔が明るくなる。
「僕も、アルカなら大丈夫だと思います」
「お任せください、沢山アダマンタイトを採ってきますよ、マスター! 過酷な環境なので、マスターは家でくつろぎながら待っていてくださいね」
というわけで。
アルカ1人にアダマンタイトの採掘を任せることになった。
出発は明日。朝一番の馬車で火山のふもとまで向かい、そこから歩きで火山を登る。
アダマンタイトが採掘できる場所まではかなり歩くので、帰ってくるまでに2,3日かかる。
今日はダンジョン探索にはいかず、火山での採掘に必要なものを準備することにした。
(アルカなら素手で採掘できるだろうが)ピッケル、登山ブーツ、耐熱性素材のリュック、等々。
僕は火山での採掘は全く経験がない。情報を仕入れながらあちこちの店で買いまわっていると、あっという間に日が暮れてしまった。
家に帰って、シャワーを浴びる。
……そしていよいよ、最後の準備に取り掛かる。
「じゃあアルカ、魔力供給をするぞ」
「はい、お願いします、マスター」
リビングのソファに腰掛ける僕の膝の上に腹を乗せ、アルカがうつ伏せで寝転がる。
――上半身裸の状態で。
そして僕は、アルカの背中に触れて、魔力を送り込んでいく。
アルカは食事からでも魔力を得ることができるが、あまり効率的ではない。
僕がアルカの背中越しに魔力を供給すると、アルカの中で何十倍にも増幅されるみたいだ。
他のゴーレムと比べるとアルカは魔力を増幅できる分凄いのだが、欠点もある。
それは、僕以外の魔力を受け付けないことだ。
普通のゴーレムは、ある程度魔力がコントロールできる人であれば誰からでも魔力をもらって動くことができる。
しかし、アルカは僕以外の魔力を一切受け付けない。前にモンスターの魔石から魔力を取り出してアルカに与えようとしたのだが、駄目だった。
というわけで、僕は毎日1回、こうしてアルカに魔力を供給している。
「明日から2,3日の間アルカ1人で火山に行ってもらうからな。念入りに魔力を送っておくよ」
「はい、ありがとうございます。マスター」
しかし、毎日やっているのにいまだにアルカへの魔力供給作業は慣れない。
まず手のひらから伝わってくる、アルカの背中の柔らかくて、それでいて陶器にも似た滑らかな感触。
そして視界いっぱいに入り込んでくる、アルカの真っ白な裸の背中。
僕の膝にアルカの腹を乗せてもらう体勢で魔力供給しているのだが、太ももの外側にやわらかで豊かなものが当たっている。
そのうえ、何故か花のような淡い香りが時折ふわっと立ち上ってくる。
刺激が強すぎる……!
僕は心を無にして、集中しながら魔力供給する。時折そっと緊張で汗ばんだ手のひらをシャツで拭く。
「私、こうしてマスターから魔力を注ぎ込まれている時が、一番好きです。体の中が、じんわりと満たされていく感覚です」
一方のアルカは僕の膝の上でとてもリラックスしている。
「マスター、お願いがあります。マスターの顔が見えないのが淋しいので、向かい合って座る姿勢で魔力供給をして頂けませんか?」
「しません!」
こんな格好でこれ以上接触面積が増えたら、僕の心臓が負荷に耐えかねて潰れてしまう。
僕は心を無にすることに集中しながら魔力供給をするのだった。
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