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第10話 美少女ゴーレム、新しい形態を試す&火力が高すぎて試験監督をドン引きさせる
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「――試験開始!」
ついにやってきた僕らの番。試験の火ぶたが切って落とされる。
「アルカ、形態変更だ!」
「了解しました!」
アルカの身体が虹色の光に包まれる。
光の中で、アルカの魔法によって異次元に格納していた武装を現実世界に呼び出していく。
光が消えると、アルカの姿は先ほどと大きく変わっていた。
先ほどまでの普段着ではなく、深紅のフレアスカートを纏っている。フレアウルフの素材を使った、耐火装備だ。
アルカの右腕は大きく変形し、手のひらの代わりに狼の頭を象った武装が付いている。
この火炎放射形態のアルカは、剣を握れない代わりに超強力な火炎魔法を発動可能だ。そして、その熱からアルカ自身を守るために熱に強いフレアウルフの防具を装備する。
アルカが右腕の武装を、空高く浮くターゲットに向けて構える。
「行きますよ、フレアブラスト:ストレート!」
”ゴオオオオオオオオオオオォ!!”
アルカの右腕、狼の口腔から、一直線に業火が放たれる。
炎は天高く登っていき、動かないターゲットを焼き払う。
1つ、2つ、3つ。炎の渦がターゲットを片っ端から飲み込み、灰に変えていく。
――14つ。動かないタイプのターゲットは全て破壊できた。
アルカの形態変更の試運転は、上々といったところだ。
「「な……!?」」
一方で、周りの受験者と試験監督は、全員言葉を失っていた。
「なんだよ、なんだよあれ!」
「魔力量がバケモンじみてやがる」
「俺たちとはまるで桁が違う……!」
受験者たちが次々に感想を口にする。
「あの、マスター。私もこんな武装だとは聞いていなかったのですが……!」
アルカが震える左手で右手の武装を指さしている。
「あれ、『手から火が出る#形態_モード_#を追加したよ』って説明しなかったっけ? 説明し忘れたかな? それとも、火力が物足りない?」
「火力が凄すぎますよ! ……いえ、その分マスターの力になれるので、不満は全く無いのですが。火力が出過ぎてびっくりしてしまいました」
アルカが右手の武装を左手で撫でる。気に入ってくれたのなら良かった。
アルカは再び空のターゲットの方を見る。
残るは、複雑に動き回るターゲット。
普通なら、1つ1つの動きを見切って撃ち落としていく必要がある。
しかし、アルカには超高性能な演算機構が内蔵されている。計算能力と魔法のコントロール力は、人間とは比べ物にならない。
ターゲットの複雑な動きを計算。最適な軌道を算出し、放つ。
「行きます、フレアブラスト:カーブ!」
今度はうねる炎が空へ向かって放たれる。
ターゲットの動きを先読みして、破壊。
「や、やるな!」
受験者の誰かが口にした。
しかし、まだこれでは終わらない。
炎が空中で捻じ曲がり、次のターゲットを飲み込む。
そして次々と、ターゲットを破壊していく。
「う、嘘だろおい……」
教官はポカンと口を開けていた。
ターゲットの動きを完璧に読み切っているため、まるでターゲットの方から炎に飲み込まれに来ているようだ。
他の受験者も全員目がアルカの魔法に釘付けになっていた。
「す、すげぇ。俺の魔法とレベルが違い過ぎる……」
「ゴールド冒険者でもあんなのできる人いないでしょ」
「オイまじかよ、このままだと……!」
炎が、最後のターゲットを飲み込んだ。
周りの受験者から歓声が沸き上がる。
「ハハハ、マジかよ。動くターゲットを魔法一発で全滅させるなんて」
試験監督の口からは乾いた笑いが漏れている。
「よくやった、アルカ」
アルカのおかげで大量得点できた。しかし、これではまだ十分かわからない。
念には念を入れて、地上の固定ターゲットもできるだけ破壊しておこう。
アルカには十分働いてもらったし、地上にあるターゲットは僕が受け持つことにしよう。
新しい戦術も試してみたいことだし。
ついにやってきた僕らの番。試験の火ぶたが切って落とされる。
「アルカ、形態変更だ!」
「了解しました!」
アルカの身体が虹色の光に包まれる。
光の中で、アルカの魔法によって異次元に格納していた武装を現実世界に呼び出していく。
光が消えると、アルカの姿は先ほどと大きく変わっていた。
先ほどまでの普段着ではなく、深紅のフレアスカートを纏っている。フレアウルフの素材を使った、耐火装備だ。
アルカの右腕は大きく変形し、手のひらの代わりに狼の頭を象った武装が付いている。
この火炎放射形態のアルカは、剣を握れない代わりに超強力な火炎魔法を発動可能だ。そして、その熱からアルカ自身を守るために熱に強いフレアウルフの防具を装備する。
アルカが右腕の武装を、空高く浮くターゲットに向けて構える。
「行きますよ、フレアブラスト:ストレート!」
”ゴオオオオオオオオオオオォ!!”
アルカの右腕、狼の口腔から、一直線に業火が放たれる。
炎は天高く登っていき、動かないターゲットを焼き払う。
1つ、2つ、3つ。炎の渦がターゲットを片っ端から飲み込み、灰に変えていく。
――14つ。動かないタイプのターゲットは全て破壊できた。
アルカの形態変更の試運転は、上々といったところだ。
「「な……!?」」
一方で、周りの受験者と試験監督は、全員言葉を失っていた。
「なんだよ、なんだよあれ!」
「魔力量がバケモンじみてやがる」
「俺たちとはまるで桁が違う……!」
受験者たちが次々に感想を口にする。
「あの、マスター。私もこんな武装だとは聞いていなかったのですが……!」
アルカが震える左手で右手の武装を指さしている。
「あれ、『手から火が出る#形態_モード_#を追加したよ』って説明しなかったっけ? 説明し忘れたかな? それとも、火力が物足りない?」
「火力が凄すぎますよ! ……いえ、その分マスターの力になれるので、不満は全く無いのですが。火力が出過ぎてびっくりしてしまいました」
アルカが右手の武装を左手で撫でる。気に入ってくれたのなら良かった。
アルカは再び空のターゲットの方を見る。
残るは、複雑に動き回るターゲット。
普通なら、1つ1つの動きを見切って撃ち落としていく必要がある。
しかし、アルカには超高性能な演算機構が内蔵されている。計算能力と魔法のコントロール力は、人間とは比べ物にならない。
ターゲットの複雑な動きを計算。最適な軌道を算出し、放つ。
「行きます、フレアブラスト:カーブ!」
今度はうねる炎が空へ向かって放たれる。
ターゲットの動きを先読みして、破壊。
「や、やるな!」
受験者の誰かが口にした。
しかし、まだこれでは終わらない。
炎が空中で捻じ曲がり、次のターゲットを飲み込む。
そして次々と、ターゲットを破壊していく。
「う、嘘だろおい……」
教官はポカンと口を開けていた。
ターゲットの動きを完璧に読み切っているため、まるでターゲットの方から炎に飲み込まれに来ているようだ。
他の受験者も全員目がアルカの魔法に釘付けになっていた。
「す、すげぇ。俺の魔法とレベルが違い過ぎる……」
「ゴールド冒険者でもあんなのできる人いないでしょ」
「オイまじかよ、このままだと……!」
炎が、最後のターゲットを飲み込んだ。
周りの受験者から歓声が沸き上がる。
「ハハハ、マジかよ。動くターゲットを魔法一発で全滅させるなんて」
試験監督の口からは乾いた笑いが漏れている。
「よくやった、アルカ」
アルカのおかげで大量得点できた。しかし、これではまだ十分かわからない。
念には念を入れて、地上の固定ターゲットもできるだけ破壊しておこう。
アルカには十分働いてもらったし、地上にあるターゲットは僕が受け持つことにしよう。
新しい戦術も試してみたいことだし。
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