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エピローグ
エピローグ 1
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『始まりの魔女』ドルミーレは潰えた。
彼女によってもたらされた呪い、『魔女ウィルス』もまた消え、その力を糧として巡っていた魔法はその形を失った。
第七の神秘。最後にして最大の神秘であるドルミーレの力。魔法。
それは、ドルミーレの消滅とともに二つの世界から跡形もなく消失した。
魔法によって起こされていた事象は全てほどけ、人間は再び神秘の恩恵を受けられなくなった。
『まほうつかいの国』は、長らく繁栄をもたらしてきた神秘を失ったのだった。
その真実、過程を知るものは多くはない。
しかし世界を脅かした未曾有の魔物、ジャバウォックから世界を救ったものが誰なのかを、『まほうつかいの国』の住人はみんな知っている。
そしてその尊き英雄が失われたことを、みんなが知っている。
彼女が世界を守るために、そこに生きる人々を守るために戦い、そしてその果てに魔法は砕けるしかなかったのだと。
人々はそう言い聞かされ、誰もがそれを疑うことなく聞き入れた。
その勇姿を、誰もがその目に焼き付けていたからだ。
故に『まほうつかいの国』の人々は、魔法が失われた国を受け入れた。
受け入れがたくとも、受け入れた。
それが、愛おしき姫君が守った世界なのだから、と。
────────────
一週間後、『まほうつかいの国』。
「おっす。二人とも、調子はどうだ?」
王城は、半壊しながらも辛うじて形を保っていた。
人々はそこを拠点として、国の復興に励んでいる。
そんな城の医務室に、赤毛の男とポニーテールを揺らした少女が訪れる。
レオは軽快な挨拶と共に、ベッドに横たわる二人の女に笑いかけた。
「お陰様で順調に回復に向かっています。けれど、医務室ではお静かに。私たち以外にも、沢山の方が休まれているんですから」
そう答えたのは、落ち着いた笑みを浮かべたシオンだ。
片目を隠すほどに長い茶髪を簡素にまとめ上げて、ゆったりと体を落ち着けている。
「やーい、怒られてやんの。アンタは相変わらず、お子ちゃま感が抜けてないねぇ」
「そう言うネネさんも騒がない。あなたは怪我人なんだら尚更ですよ」
キシシと笑ってレオをからかうネネを、アリアが咎める。
それをまた笑うレオを肘で小突いて、姉妹のベッドの間の小机に見舞いの果物を置く。
「何にしても、二人ともご無事で何よりです。かなりの重傷でしたから、本当に心配していましたよ」
「ご迷惑をおかけしてすみませんでした。魔法がまだ残っている間に一通りの処置を受けられたのが、幸いでした」
シオンは本当に申し訳なさそうに、ペコペコと頭を下げる。
自分たちがしたこと、そして不甲斐ない愚かさを、彼女たちはずっと謝り続けている。
「最後の最後も、役に立てなくてごめんね。私たちがもっと頑張れてれば、もう少しマシな結果になってかもしれないのに」
「アンタらが気に病むことじゃねぇよ。ジャバウォックはとんでもねぇ災害みたいなもんだったし、誰がどうできるもんでもなかった。アンタらが生き延びられただけでも儲けもんだ」
ジャバウォックによる世界の爪痕は多く、世界中が大きく荒れ、乱れた。
それはこの国以外にも大きな被害を及ぼしたが、実際にジャバウォックが出現した『まほうつかいの国』の王都は、他とは比べ物にならないほどの損害を受けた。
城は奇跡的に残っているが、城下の街はそのほとんどが損壊している。
建物の崩壊はもちろんのこと、地面の隆起や地割れも起こり、人の生活をそのまま続けるのはかなり難しい。
魔法使いと魔女が必死で非難誘導したお陰で救われた命も多かったが、失われた命もまた多かった。
それは人がどうにかできるものではなく、小さき者は起こることを受け入れるしかない。
それでも必死に足掻いて切り開いた未来なのだから、これが最善なのだと、彼らは納得することにしていた。
「────ところで、復興作業の方はどうですか? この国は、この街は、また人々が栄えられるでしょうか」
少し重くなった空気の中で、シオンがパッと話題を変えた。
その言葉に、アリアが慌てて口を開く。
「順調、とは言えませんが、みんな頑張っています。元通りにはできなくても、何とかこの国を蘇らせようって。まだまだ先は長いですけど。王族特務と一緒にロード・スクルドが指揮をとって、みんなを引っ張ってくれていますよ」
「そうですか。それは、よかった」
『まほうつかいの国』は、人間は魔法を失った。
それは、魔法に縋って繁栄したきた人間にとっては、大きな打撃となった。
しかし魔法使いは神秘の使い手であると同時に、学徒でもある。
結果として、元魔法使いたちはさまざまな分野で人々を牽引する立場を取り、国のために励んでいた。
いずれは、魔法使いという階級は意味をなさないものになるだろう。
しかし今は、それぞれが持てる力を合わせ、国の復活に励んでいる。
魔女狩りは魔法の使い手であると同時に戦闘のプロでもあったため、肉体面が強固な者が多い。
そんな彼らを、唯一残った君主であるロード・スクルドがまとめ上げ、率先して復興活動に取り組んでいる。
ロード・デュークスは、ジャバウォックという禁忌を犯し、その果てに力尽きた。
ロード・ホーリーは、自らの運命を全うし、友と共に旅立った。
そしてロード・ケインは、混乱に乗じてどこぞへと流れていってしまった。
魔女狩りだった者を率いることができるのは、スクルドしかいなかったのだ。
最年少の君主は、未だ気苦労が絶えない。
「私たちも早く元気になって、手伝えるようにならなくちゃ。みんな、前を向いて頑張ってるんだからね」
「ああ、頼むぜ。エドワードのやつなんかは、あの人形が動かなくなっちまったって落ち込んでたけどよ。そういう奴のことも支えて、みんなでこれからを生きてかなきゃな」
軋む体でガッツポーズをして見せるネネに、レオはそう言って頷いた。
せっかく親友が残してくれた世界なのだから、多くの人たちで手を取り合って、より良い未来にしていかないといけないと。
魔法がなくなって、魔法使いもなくなって、魔女もなくなった。
神秘は失ったが、同時に『まほうつかいの国』が長年抱えていた問題は無くなった。
全てがすぐには解決しないだろうが、もう無用な争いは起こることはなく、いずれみんな元へと戻っていくだろう。
そんな国を、花園 アリスは願っていたのだから。
『まほうつかいの国』は、再び姫君を失った。
王位を持つ者が消え、また国を支えていた神秘が無くなった今、国はかつてないほどに不安定だ。
しばらくは王族特務をはじめとした、元魔法使いの君主たちが国を動かすだろうが、いずれは新しい形を強いられる。
しかしそれも、未来へと進むということだ。
「アリス様のことは、本当に残念です。あの方は、真に英雄たる、立派な姫君でした」
レオとアリアを見上げ、シオンがポツリとこぼす。
その言葉に二人は少し言葉を詰まらせて、しかし下を向くことはなかった。
「アリスとは、今でもこの心で繋がっています。私たちは、ずっと友達。だからこそ、彼女が夢見た理想を私たちが叶えて。いつの日かまた会える時、自慢できるようにしたいんですよ」
アリアはそう言って笑いながら、隣のレオの腕を掴んだ。
前を向かなければならないと気丈に振る舞っていても、心が痛むことは避けられない。
アリスを見送った後、二人はまだ残っていた時空の歪みに飛び込んで、何とかこちらの世界に帰還した。
彼女を偲ぶためにはただ悲しみに暮れるだけではなく、その夢を叶えることが一番だと、そう信じたからだ。
それでも、思ってしまうことがある。あの時、何とかして彼女を救う方法はなかったのかと。
あのままあちらの世界に居続ければ、何かできることがあったのかもしれないと。
でも全てに後悔はしないと、二人で決めたのだった。
「俺たちは、アリスの親友だ。昔アイツがいなくなってた間も、ずっとこの気持ちは消えなかった。だから、これからだって同じだ。俺たちはずっと、アイツを大切に思ってる。それは永遠に変わらねぇ」
そんなレオの言葉に、全員が頷く。
手が届かなくなっても、会えなくなってしまっても、繋がりは消えないのだと。
そうして彼らは、花園 アリスを想う。
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『始まりの魔女』ドルミーレは潰えた。
彼女によってもたらされた呪い、『魔女ウィルス』もまた消え、その力を糧として巡っていた魔法はその形を失った。
第七の神秘。最後にして最大の神秘であるドルミーレの力。魔法。
それは、ドルミーレの消滅とともに二つの世界から跡形もなく消失した。
魔法によって起こされていた事象は全てほどけ、人間は再び神秘の恩恵を受けられなくなった。
『まほうつかいの国』は、長らく繁栄をもたらしてきた神秘を失ったのだった。
その真実、過程を知るものは多くはない。
しかし世界を脅かした未曾有の魔物、ジャバウォックから世界を救ったものが誰なのかを、『まほうつかいの国』の住人はみんな知っている。
そしてその尊き英雄が失われたことを、みんなが知っている。
彼女が世界を守るために、そこに生きる人々を守るために戦い、そしてその果てに魔法は砕けるしかなかったのだと。
人々はそう言い聞かされ、誰もがそれを疑うことなく聞き入れた。
その勇姿を、誰もがその目に焼き付けていたからだ。
故に『まほうつかいの国』の人々は、魔法が失われた国を受け入れた。
受け入れがたくとも、受け入れた。
それが、愛おしき姫君が守った世界なのだから、と。
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一週間後、『まほうつかいの国』。
「おっす。二人とも、調子はどうだ?」
王城は、半壊しながらも辛うじて形を保っていた。
人々はそこを拠点として、国の復興に励んでいる。
そんな城の医務室に、赤毛の男とポニーテールを揺らした少女が訪れる。
レオは軽快な挨拶と共に、ベッドに横たわる二人の女に笑いかけた。
「お陰様で順調に回復に向かっています。けれど、医務室ではお静かに。私たち以外にも、沢山の方が休まれているんですから」
そう答えたのは、落ち着いた笑みを浮かべたシオンだ。
片目を隠すほどに長い茶髪を簡素にまとめ上げて、ゆったりと体を落ち着けている。
「やーい、怒られてやんの。アンタは相変わらず、お子ちゃま感が抜けてないねぇ」
「そう言うネネさんも騒がない。あなたは怪我人なんだら尚更ですよ」
キシシと笑ってレオをからかうネネを、アリアが咎める。
それをまた笑うレオを肘で小突いて、姉妹のベッドの間の小机に見舞いの果物を置く。
「何にしても、二人ともご無事で何よりです。かなりの重傷でしたから、本当に心配していましたよ」
「ご迷惑をおかけしてすみませんでした。魔法がまだ残っている間に一通りの処置を受けられたのが、幸いでした」
シオンは本当に申し訳なさそうに、ペコペコと頭を下げる。
自分たちがしたこと、そして不甲斐ない愚かさを、彼女たちはずっと謝り続けている。
「最後の最後も、役に立てなくてごめんね。私たちがもっと頑張れてれば、もう少しマシな結果になってかもしれないのに」
「アンタらが気に病むことじゃねぇよ。ジャバウォックはとんでもねぇ災害みたいなもんだったし、誰がどうできるもんでもなかった。アンタらが生き延びられただけでも儲けもんだ」
ジャバウォックによる世界の爪痕は多く、世界中が大きく荒れ、乱れた。
それはこの国以外にも大きな被害を及ぼしたが、実際にジャバウォックが出現した『まほうつかいの国』の王都は、他とは比べ物にならないほどの損害を受けた。
城は奇跡的に残っているが、城下の街はそのほとんどが損壊している。
建物の崩壊はもちろんのこと、地面の隆起や地割れも起こり、人の生活をそのまま続けるのはかなり難しい。
魔法使いと魔女が必死で非難誘導したお陰で救われた命も多かったが、失われた命もまた多かった。
それは人がどうにかできるものではなく、小さき者は起こることを受け入れるしかない。
それでも必死に足掻いて切り開いた未来なのだから、これが最善なのだと、彼らは納得することにしていた。
「────ところで、復興作業の方はどうですか? この国は、この街は、また人々が栄えられるでしょうか」
少し重くなった空気の中で、シオンがパッと話題を変えた。
その言葉に、アリアが慌てて口を開く。
「順調、とは言えませんが、みんな頑張っています。元通りにはできなくても、何とかこの国を蘇らせようって。まだまだ先は長いですけど。王族特務と一緒にロード・スクルドが指揮をとって、みんなを引っ張ってくれていますよ」
「そうですか。それは、よかった」
『まほうつかいの国』は、人間は魔法を失った。
それは、魔法に縋って繁栄したきた人間にとっては、大きな打撃となった。
しかし魔法使いは神秘の使い手であると同時に、学徒でもある。
結果として、元魔法使いたちはさまざまな分野で人々を牽引する立場を取り、国のために励んでいた。
いずれは、魔法使いという階級は意味をなさないものになるだろう。
しかし今は、それぞれが持てる力を合わせ、国の復活に励んでいる。
魔女狩りは魔法の使い手であると同時に戦闘のプロでもあったため、肉体面が強固な者が多い。
そんな彼らを、唯一残った君主であるロード・スクルドがまとめ上げ、率先して復興活動に取り組んでいる。
ロード・デュークスは、ジャバウォックという禁忌を犯し、その果てに力尽きた。
ロード・ホーリーは、自らの運命を全うし、友と共に旅立った。
そしてロード・ケインは、混乱に乗じてどこぞへと流れていってしまった。
魔女狩りだった者を率いることができるのは、スクルドしかいなかったのだ。
最年少の君主は、未だ気苦労が絶えない。
「私たちも早く元気になって、手伝えるようにならなくちゃ。みんな、前を向いて頑張ってるんだからね」
「ああ、頼むぜ。エドワードのやつなんかは、あの人形が動かなくなっちまったって落ち込んでたけどよ。そういう奴のことも支えて、みんなでこれからを生きてかなきゃな」
軋む体でガッツポーズをして見せるネネに、レオはそう言って頷いた。
せっかく親友が残してくれた世界なのだから、多くの人たちで手を取り合って、より良い未来にしていかないといけないと。
魔法がなくなって、魔法使いもなくなって、魔女もなくなった。
神秘は失ったが、同時に『まほうつかいの国』が長年抱えていた問題は無くなった。
全てがすぐには解決しないだろうが、もう無用な争いは起こることはなく、いずれみんな元へと戻っていくだろう。
そんな国を、花園 アリスは願っていたのだから。
『まほうつかいの国』は、再び姫君を失った。
王位を持つ者が消え、また国を支えていた神秘が無くなった今、国はかつてないほどに不安定だ。
しばらくは王族特務をはじめとした、元魔法使いの君主たちが国を動かすだろうが、いずれは新しい形を強いられる。
しかしそれも、未来へと進むということだ。
「アリス様のことは、本当に残念です。あの方は、真に英雄たる、立派な姫君でした」
レオとアリアを見上げ、シオンがポツリとこぼす。
その言葉に二人は少し言葉を詰まらせて、しかし下を向くことはなかった。
「アリスとは、今でもこの心で繋がっています。私たちは、ずっと友達。だからこそ、彼女が夢見た理想を私たちが叶えて。いつの日かまた会える時、自慢できるようにしたいんですよ」
アリアはそう言って笑いながら、隣のレオの腕を掴んだ。
前を向かなければならないと気丈に振る舞っていても、心が痛むことは避けられない。
アリスを見送った後、二人はまだ残っていた時空の歪みに飛び込んで、何とかこちらの世界に帰還した。
彼女を偲ぶためにはただ悲しみに暮れるだけではなく、その夢を叶えることが一番だと、そう信じたからだ。
それでも、思ってしまうことがある。あの時、何とかして彼女を救う方法はなかったのかと。
あのままあちらの世界に居続ければ、何かできることがあったのかもしれないと。
でも全てに後悔はしないと、二人で決めたのだった。
「俺たちは、アリスの親友だ。昔アイツがいなくなってた間も、ずっとこの気持ちは消えなかった。だから、これからだって同じだ。俺たちはずっと、アイツを大切に思ってる。それは永遠に変わらねぇ」
そんなレオの言葉に、全員が頷く。
手が届かなくなっても、会えなくなってしまっても、繋がりは消えないのだと。
そうして彼らは、花園 アリスを想う。
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