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第8章 私の一番大切なもの
100 三度目
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「アリスはてめぇだけのもんなんかじゃねぇよ。だから、みんなで守るんじゃねぇか!」
壁が迫り来るように、視界を埋め尽くさんばかりだった炎に、レオは自身の炎を乗せた双剣を振るった。
剣にまとわせることで斬撃性を持ったレオの炎は、巨大な剣を形作るように膨らんで、灼熱の豪剣と化してクリアちゃんの炎に叩きつけられる。
その炎が、剣がクリアちゃんの炎を叫びごと切り裂いて、すっぱりと視界が晴れた。
「アリスを救うため、なりふり構わなくなっちまう過ちは、俺たちもしちまった。でもだからこそ言える。アリス自身を信じねぇ奴が、アリスを助けられるわけがねぇんだよ!」
「レオ……」
双剣の片方をクリアちゃんに向けるレオの立ち姿は、凛々しく、そして逞しかった。
やんちゃばっかりして、後先考えずに突っ走って、いつもアリアに怒られていた幼い日の彼とは違う。
何も案じることなくこの身を預け、心を委ねるに足る背中が、そこにはあった。
「コイツが死ぬ気で守ろうとしているものを尊重できねぇんなら、俺はお前をぶった斬るぜ、クリアランス・デフェリア!」
「なによ、また私からアリスちゃんを奪うつもり!? 三度目はないわ!」
レオの言葉で余計に気を荒立てたクリアちゃんは、ヒステリックな声をあげてレオに向けて一直線に火炎を放った。
しかしあまりにもストレートな攻撃に、レオは自らの炎をぶつけてそれを難なく抑え込んだ。
「おいおい単調だぜ。そんなんで────」
レオが余裕の笑みを浮かべた瞬間、彼の頭上から豪速の火の塊がいくつも降り注いだ。
正面しか気にしていなかったレオの死角を突き、直線的な攻撃の影に潜んで放たれた上方からの攻撃は、何にも阻まれずに雨のように打ち込まれる。しかし────
「まったく、アンタは本当に周りが見えてないんだから」
攻撃がレオに到達する直前、アリアが張った障壁が全ての火の塊を受け止めていた。
そしてそれは防ぐだけには留まらず、勢いをそのままにクリアちゃんに向けて弾き返す。
全ての火の塊は弧を描いてクリアちゃん目掛けて飛んでいき、彼女はそれを後方に跳び退くことで回避した。
「人のことを泥棒みたいに言ってくれるけど、今あなたが一番アリスを苦しめている自覚、ある?」
アリアは私を労るように前に立ちながら、クリアちゃんに突き刺すような視線を向ける。
立ち振る舞いや声色こそ優しげで、そこからは彼女のいつもの温かみが感じられるけれど。
でもクリアちゃんに向ける敵対心は、とても静かな怒りを孕んでいた。
「私たちだって、間違いを犯してしまった。でもそれじゃあ、アリスのことは全く救えなかった。私たちがしたことは結局、アリスを傷付けただけだから。守るべきものを見誤っているあなたに、アリスの隣に立つ資格なんてないわ」
「何を偉そうに……! アリスちゃんが苦しむきっかけを作ったのは、あなたたちなのに! あなたたちが、アリスちゃんに出会ったからなのに……!!!」
「そうかもしれない。でも、だからこそ私たちは一緒に乗り越えたんだ。そこで培った絆が、沢山のすれ違いの先にも、再び私たちを繋げてくれた。独りよがりのあなたとは、違うのよ!」
アリアが大きく腕を振るうと、クリアちゃんの周囲の地面から大量の鎖が伸び上がった。
しかもそれだけではなく、壁や天井、はたまた何もない空間からも更に鎖が飛び出して、夥しい量がクリアちゃんに飛びかかる。
先端が槍のように尖った鎖は、まるで生きているかのように正確にクリアちゃんを狙って、ランダムに入り乱れて突き放たれる。
避けようがないほどの無数の攻撃を、しかしクリアちゃんは周囲に炎を吹き回すことで牽制し、僅かな隙間をすり抜けて辛うじて回避する。
それでも止めどない連撃が彼女を襲い続け、クリアちゃんはまるで夜空を踊る花火のように、炎を爆ぜさせながら身をかわす。
「本当にアリスを想うなら、この子の気持ちに全力で寄り添ってみなさい!」
防戦一方になっているクリアちゃん目掛け、アリアは大量の鎖をまとめ上げた一撃を撃ち放つ。
大質量の攻撃は、まるで巨人の拳のように轟々と空を切り、飛び回っているクリアちゃんを襲う。
乱撃を回避し続けているクリアちゃんに、それを避けられる余裕はないように思えた。
しかしクリアちゃんは、あえてその攻撃目掛けて突撃をかけた。
自殺行為に見えるそれだったけれど、クリアちゃんは鋭く研ぎ澄ませた熱線を鎖の束の正面に打ち込み、それに続くように自らも突っ込んでいく。
すると、熱線を打ち込まれた鎖の束が内部から破裂して、拡散したことで一直線の道ができてしまった。
「しまった────!」
アリアは咄嗟に意識を切り替えて、迫り来るクリアちゃんに対応しようとする。
けれどクリアちゃんは炎をジェット噴射のように吹き鳴らして、凄まじい速度で迫っていて。
爆風をまとっての急接近は、アリアに時間を与えなかった。
「私の邪魔をする奴は、例えアリスちゃんの友達だろうと、殺す!」
「そんなこと、させない!」
即座にアリアを庇おうとしたレオよりも早く、私が前へと乗り出す。
クリアちゃんが膨れ上がらせている炎の魔法、その全てを『掌握』し、逆噴射させて押し返す。
主導権を完全に私に握られたクリアちゃんは、向かってきた勢いをそのままに、後方へと吹き飛ばされた。
「アリス、ありがとう」
「ううん。二人こそ」
たらりと冷や汗を流すアリアは、少し焦りを浮かばせながら私に身を寄せた。
「クリアランス・デフェリア……やっぱり規格外の魔女だよ。魔法使いの私たちでも、彼女の魔法を簡単に払うことができないんだから」
「確かにそうだな。普通の魔女相手なら、魔法の力比べをする以前に、俺らにとっちゃ容易くあしらえる。でもアイツの魔法は、どちらかというと魔法使い寄りで、地盤がしっかりしてやがる。おまけに出力がこうも高いとなると、厄介だぜ」
レオもアリアも、理解し難いものを目の前にした様子で顔をしかめている。
元々クリアちゃんは高い実力を持つ魔女だって話だったし、不意打ちとはいえロード・デュークスを倒してる。
でも飽くまで魔女だから、真正面からの戦いとなったら基本的な相性関係が働くのかなと思っていたけれど。
確かに今二人は、彼女の攻撃を防いでいたけれど、他の魔女にするように魔法を振り払えてはいなかった。
しかし確かにそうじゃなければ、魔女狩りの中でトップクラスの実力を持つシオンさんとネネさんの二人を、あんなコテンパンにはできないだろうし。
戦いにおいて、全く気を抜ける相手じゃないんだ。
「でもちょっと妙な気もするんだよね。なんか、さっき会った時よりも、力の振り幅は狭い感じがする」
「どういうこと?」
「うーん。はっきりとは言えないけど……今の彼女は、本来の力を出せる状態じゃないんじゃないかな。だとしたら、今のうちに倒しておかないと」
吹き飛ばされながらも綺麗に着地したクリアちゃんを警戒して見ながら、アリアは訝しげにそう言った。
クリアちゃんは今本体がない状態だから、それが力が制限させているのか。
でもそれはさっきもそうだったから、氷室さんを拘束していたり、ジャバウォックの魔法を使おうとしていることが関係しているのかもしれない。
「あぁ、もう! アリスちゃん、どうして拒むのよ! 私は、あなたに全てを捧げてきたのに……!」
三人で身を固める私たちに、クリアちゃんは苛立ちをそのまま吐き出した。
結局私は彼女を押し返しただけだから、クリアちゃんは未だ無傷で、怯む様子を見せずこちらを睨む。
その身を作り出す炎は、まるで彼女の嫉妬を燃料にしているかのように、おどろおどろしく見えた。
壁が迫り来るように、視界を埋め尽くさんばかりだった炎に、レオは自身の炎を乗せた双剣を振るった。
剣にまとわせることで斬撃性を持ったレオの炎は、巨大な剣を形作るように膨らんで、灼熱の豪剣と化してクリアちゃんの炎に叩きつけられる。
その炎が、剣がクリアちゃんの炎を叫びごと切り裂いて、すっぱりと視界が晴れた。
「アリスを救うため、なりふり構わなくなっちまう過ちは、俺たちもしちまった。でもだからこそ言える。アリス自身を信じねぇ奴が、アリスを助けられるわけがねぇんだよ!」
「レオ……」
双剣の片方をクリアちゃんに向けるレオの立ち姿は、凛々しく、そして逞しかった。
やんちゃばっかりして、後先考えずに突っ走って、いつもアリアに怒られていた幼い日の彼とは違う。
何も案じることなくこの身を預け、心を委ねるに足る背中が、そこにはあった。
「コイツが死ぬ気で守ろうとしているものを尊重できねぇんなら、俺はお前をぶった斬るぜ、クリアランス・デフェリア!」
「なによ、また私からアリスちゃんを奪うつもり!? 三度目はないわ!」
レオの言葉で余計に気を荒立てたクリアちゃんは、ヒステリックな声をあげてレオに向けて一直線に火炎を放った。
しかしあまりにもストレートな攻撃に、レオは自らの炎をぶつけてそれを難なく抑え込んだ。
「おいおい単調だぜ。そんなんで────」
レオが余裕の笑みを浮かべた瞬間、彼の頭上から豪速の火の塊がいくつも降り注いだ。
正面しか気にしていなかったレオの死角を突き、直線的な攻撃の影に潜んで放たれた上方からの攻撃は、何にも阻まれずに雨のように打ち込まれる。しかし────
「まったく、アンタは本当に周りが見えてないんだから」
攻撃がレオに到達する直前、アリアが張った障壁が全ての火の塊を受け止めていた。
そしてそれは防ぐだけには留まらず、勢いをそのままにクリアちゃんに向けて弾き返す。
全ての火の塊は弧を描いてクリアちゃん目掛けて飛んでいき、彼女はそれを後方に跳び退くことで回避した。
「人のことを泥棒みたいに言ってくれるけど、今あなたが一番アリスを苦しめている自覚、ある?」
アリアは私を労るように前に立ちながら、クリアちゃんに突き刺すような視線を向ける。
立ち振る舞いや声色こそ優しげで、そこからは彼女のいつもの温かみが感じられるけれど。
でもクリアちゃんに向ける敵対心は、とても静かな怒りを孕んでいた。
「私たちだって、間違いを犯してしまった。でもそれじゃあ、アリスのことは全く救えなかった。私たちがしたことは結局、アリスを傷付けただけだから。守るべきものを見誤っているあなたに、アリスの隣に立つ資格なんてないわ」
「何を偉そうに……! アリスちゃんが苦しむきっかけを作ったのは、あなたたちなのに! あなたたちが、アリスちゃんに出会ったからなのに……!!!」
「そうかもしれない。でも、だからこそ私たちは一緒に乗り越えたんだ。そこで培った絆が、沢山のすれ違いの先にも、再び私たちを繋げてくれた。独りよがりのあなたとは、違うのよ!」
アリアが大きく腕を振るうと、クリアちゃんの周囲の地面から大量の鎖が伸び上がった。
しかもそれだけではなく、壁や天井、はたまた何もない空間からも更に鎖が飛び出して、夥しい量がクリアちゃんに飛びかかる。
先端が槍のように尖った鎖は、まるで生きているかのように正確にクリアちゃんを狙って、ランダムに入り乱れて突き放たれる。
避けようがないほどの無数の攻撃を、しかしクリアちゃんは周囲に炎を吹き回すことで牽制し、僅かな隙間をすり抜けて辛うじて回避する。
それでも止めどない連撃が彼女を襲い続け、クリアちゃんはまるで夜空を踊る花火のように、炎を爆ぜさせながら身をかわす。
「本当にアリスを想うなら、この子の気持ちに全力で寄り添ってみなさい!」
防戦一方になっているクリアちゃん目掛け、アリアは大量の鎖をまとめ上げた一撃を撃ち放つ。
大質量の攻撃は、まるで巨人の拳のように轟々と空を切り、飛び回っているクリアちゃんを襲う。
乱撃を回避し続けているクリアちゃんに、それを避けられる余裕はないように思えた。
しかしクリアちゃんは、あえてその攻撃目掛けて突撃をかけた。
自殺行為に見えるそれだったけれど、クリアちゃんは鋭く研ぎ澄ませた熱線を鎖の束の正面に打ち込み、それに続くように自らも突っ込んでいく。
すると、熱線を打ち込まれた鎖の束が内部から破裂して、拡散したことで一直線の道ができてしまった。
「しまった────!」
アリアは咄嗟に意識を切り替えて、迫り来るクリアちゃんに対応しようとする。
けれどクリアちゃんは炎をジェット噴射のように吹き鳴らして、凄まじい速度で迫っていて。
爆風をまとっての急接近は、アリアに時間を与えなかった。
「私の邪魔をする奴は、例えアリスちゃんの友達だろうと、殺す!」
「そんなこと、させない!」
即座にアリアを庇おうとしたレオよりも早く、私が前へと乗り出す。
クリアちゃんが膨れ上がらせている炎の魔法、その全てを『掌握』し、逆噴射させて押し返す。
主導権を完全に私に握られたクリアちゃんは、向かってきた勢いをそのままに、後方へと吹き飛ばされた。
「アリス、ありがとう」
「ううん。二人こそ」
たらりと冷や汗を流すアリアは、少し焦りを浮かばせながら私に身を寄せた。
「クリアランス・デフェリア……やっぱり規格外の魔女だよ。魔法使いの私たちでも、彼女の魔法を簡単に払うことができないんだから」
「確かにそうだな。普通の魔女相手なら、魔法の力比べをする以前に、俺らにとっちゃ容易くあしらえる。でもアイツの魔法は、どちらかというと魔法使い寄りで、地盤がしっかりしてやがる。おまけに出力がこうも高いとなると、厄介だぜ」
レオもアリアも、理解し難いものを目の前にした様子で顔をしかめている。
元々クリアちゃんは高い実力を持つ魔女だって話だったし、不意打ちとはいえロード・デュークスを倒してる。
でも飽くまで魔女だから、真正面からの戦いとなったら基本的な相性関係が働くのかなと思っていたけれど。
確かに今二人は、彼女の攻撃を防いでいたけれど、他の魔女にするように魔法を振り払えてはいなかった。
しかし確かにそうじゃなければ、魔女狩りの中でトップクラスの実力を持つシオンさんとネネさんの二人を、あんなコテンパンにはできないだろうし。
戦いにおいて、全く気を抜ける相手じゃないんだ。
「でもちょっと妙な気もするんだよね。なんか、さっき会った時よりも、力の振り幅は狭い感じがする」
「どういうこと?」
「うーん。はっきりとは言えないけど……今の彼女は、本来の力を出せる状態じゃないんじゃないかな。だとしたら、今のうちに倒しておかないと」
吹き飛ばされながらも綺麗に着地したクリアちゃんを警戒して見ながら、アリアは訝しげにそう言った。
クリアちゃんは今本体がない状態だから、それが力が制限させているのか。
でもそれはさっきもそうだったから、氷室さんを拘束していたり、ジャバウォックの魔法を使おうとしていることが関係しているのかもしれない。
「あぁ、もう! アリスちゃん、どうして拒むのよ! 私は、あなたに全てを捧げてきたのに……!」
三人で身を固める私たちに、クリアちゃんは苛立ちをそのまま吐き出した。
結局私は彼女を押し返しただけだから、クリアちゃんは未だ無傷で、怯む様子を見せずこちらを睨む。
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