779 / 984
第0章 Dormire
62 蹂躙
しおりを挟む
黒い何か────魔物は、容赦なく町の人たちを蹂躙している。
人々は必死に逃げ惑いながら、しかし俊敏かつ獰猛なそれらに及ばず、囚われ嬲られている者も多い。
魔物の目的は捕食か、あるいは惨殺そのものか。
その辺りは定かではないけれど、人に飛びかかった魔物たちは、その黒い靄に包まれた爪や牙で、人々を躊躇うことなく切り裂いていた。
平和だった面影などどこにもなく、町は血と悲鳴に塗れた地獄と化している。
町外れに誰もいなかったのは、みんな必死に逃げていたからなんだろう。
ここに来るまでに死体やその痕跡が無かったのが幸いだけれど、しかしこの人間たちには逃げることしかできないと、そういうことの現れだ。
魔物がどういうものなのかはわからないけれど、少なくとも人間が持つ攻撃手段では歯が立たないのだろう。
町の北側へと皆一斉に逃げていく人間たちと、それに群をなして追いすがる黒い魔物。
南側からやって来た私たちは魔物の背をとっている形で、数えるのもバカバカしくなる大量のそれらに、向こう側の人間たちの様子はやや窺いにくい。
しかしこのまま魔物の進行を許しては、この町の人々を守ることは難しい。
だから私は、魔法で瞬時に空間を超え、魔物の群れと逃げ惑う人間の群衆の間に割って入った。
「っ………………」
私が現れたことで、魔物たちはその動きを静止させた。
そして皆一様に私を睨み、その悪辣な敵意を一身に向けてくる。
魔物たちと正面から対峙することで、その悍ましさをより実感した。
黒い靄によってその姿はやはり明瞭ではないけれど、直面することでその異形ぶりをありありと感じる。
ヒトのような体格をしつつ、獣のように四足で立つ。黒い靄をまとっているせいで姿形は不鮮明だけれど、よく見るとそれぞれが皆異なる形をしていて、統一感はまるでない。
ただ醜悪な気配だけを撒き散らし、悪辣な殺意と敵意を剥き出しにして、頭部と思われる場所から獰猛な瞳を輝かせている。
これは生物なのか。それすらもわからない。でもヒトをはじめとする、様々な要素を所々に感じさせる。
ヒト型、人間のような形だけではなく、それ以外の種族のような形や、色々な生き物の形。
それらを一緒くたに混ぜ合わせたような、そんな混沌とした異形の存在だ。
それが正しいかは置いておくとして。
やはりこれは、魔物と呼ぶのが適切なように思えた。
「なんだ、お前は……!」
私の存在に気付いて、人間の誰かが声をあげた。
彼らに背を向け魔物たちに対峙している私は、あまりにも滑稽に見えるのだろう。
「危ない、君も逃げなさい! ソイツらに殺されるぞ……!」
「待って! あの真っ黒姿って、昔どこかで────」
危機的状況の中で、無謀にも魔物の前に躍り出た私を気遣う声が飛ぶ。
しかしそれとほぼ時を同じくして、過去の痛みを抉るような言葉もまた飛んできた。
私はこの七年間で身体的に成長しているけれど、出立ちは昔から大きく変わっていない。
背を向けたままでも、かつての惨劇をよくお覚えているヒトならば、かつての私を連想してもおかしくはない。
「お前、まさか……昔町を焼いたあの悪魔か! この町に災いをもたらした、あの……!」
「間違いない! 黒尽くめの怪しい少女! こんな時に、一体に何をしに来たんだ……!」
疑問は瞬く間に確信に変わり、人々は逃げるのを忘れて声を荒げた。
魔物たちが動きを止めているのを良いことに、恐怖を私への怒りに変えて、一方的な非難を挙げる。
でも、これは想定内のことだ。かつて私を否定し侮蔑した人たちが、私を見てかつての悪魔を思い起こさないわけがないのだから。
私は魔物に向かい合いながら溜息をついた。
想定していたこととはいえ、気持ちが重くなることは避けられない。
けれど今はそんなことよりも、この町をこれ以上の惨劇から守ることが優先だ。
だってここは、ホーリーとイヴの町だから。
「私がこれをなんとかする。あなたたちは逃げなさい」
感情に蓋をして、背を向けたまま声をかける。
今は自分自身の気持ちよりも、やるべきことに意識を向ける必要があったから。
そんな私の言葉に、人々が戸惑いの声を上げるのが聞こえた。
「何を言ってるんだ! さてはお前、俺たちを追っ払って町を奪うつもりか!」
「馬鹿なことを言っていないで、死にたくないのなら早く逃げなさい。あの魔物たちに殺されたいというのなら、私は止めはしなけれど」
「…………!」
思わずこぼれた私の冷え切った言葉に、人間たちは大きく息を飲んだ。
背を向けているから様子は窺えないけれど、私という悪魔のような存在と、明確な脅威である魔物を天秤にかけているのだろう。
今自分たちが最も避けなければならないのは、一体どちらなのかと。
その迷いはあまり長くはなく、私の登場で足を止めていた人間たちは、また声を上げて逃走を再開した。
不安や疑問を含みながらも、今はこの場を生き延びることに専念して、目の前の脅威から距離を取る。
しかし私に納得していない人も多いのか、逃げつつも私を監視して、距離をとっているだけの人も少なくはなかった。
そんな風に人間たちが大きな動きを見せても、魔物たちは特にそれを追う素振りを見せなかった。
むしろもう私にしか興味がないというように、その邪悪な視線を私に集中させている。
魔物はまるで地面から湧き出ているかのように、どこからともなくその数を増やし、闇の壁のように視界を黒に埋め尽くしていく。
猛獣の巣に飛び込んでしまったかのように、向けられる殺意が私の全身を突き刺す。
それは明確な敵意で、あらゆる邪悪な感情の混沌だった。
生物が抱けれるであろう、全ての悪辣な感情を混ぜ込んで煮詰めたような、そんな醜悪さ。
まるで、私という存在が憎まれているような。この世に存在していることを恨まれているような。
普通であれば、対面するだけで心が折れてしまいそうだけれど。
でも生憎、私はそういう感情を向けられるとこに慣れているから。
奇異の眼差しで、遠巻きにされることは初めてではないから。
嫌ではあるけれど、膝を折るほどでない。
「あなたたちが何なのかはわからないけれど……目障りよ。消えて頂戴」
魔物たちから向けられるものと同様に、いやそれ以上に、私もあれらに強い嫌悪感を覚える。
存在してほしくない、目の前にいて欲しくない、この町を荒らされたくない。
その気持ちを、私に対して害意しか抱いていいない存在に、堪える必要なんてないだろう。
だから私は、躊躇うことなく魔法を行使した。
魔物が何であるかわからない以上、彼らを滅ぼすのに何が有効かはわからないけれど。
それでも実態がある、形のある存在だというのなら、圧倒的な力でねじ伏せれば問題はないはず。
私が戦闘態勢に入ったことを感じ取ったのか、魔物たちもまた身構え、そして一斉に飛びかかって来た。
黒い靄をまとったそれらは、まるで闇の津波のように、鳥肌が立つような奇妙な雄叫びを上げて私に迫りくる。
けれどそんな攻撃は、私には何の脅威にも感じられなかった。むしろ魔物の存在感の方が、害を感じて避けたいものだ。
飛びかかってくる魔物たち。しかしそれらの牙や爪が私に到達する前に、いやそもそも近づく前に、既に勝負は決していた。
私が行使した魔法により、燦々と降り注ぐ暖かな太陽の日差しが収束し、天空から瞬時に降り注いだからだ。
世界とその自然に恵みをもたらす日の光を、大量にかき集めて束ね、強烈で鮮烈な輝く熱とする。
雪よりも白い閃光が刹那に煌き、灼熱の光線と共に視界を埋め尽くした。
それと同時に熱い突風が吹き荒れたけれど、それはおまけみたいなもので。
視界が晴れた時には、太陽の力を凝縮した光線は、目の前に広がっていた全ての魔物たちを焼き払っていた。
魔物たちの跡形はなく、残骸すらも焼き尽くしたのか、あれらの痕跡は全く残っていない。
私が灼熱の光を振り下ろしたことすらも、まるで一瞬の夢だったかのよう。
しかし、魔物の大群を一斉に掃討するために降り注いだ光は、町の中心にそびえる巨木にもその熱を及ぼしていて。
町を見渡していた巨木の殆どが焼失し、切り株ほどしか残っていない様が、今までの現実をありありと物語っていた。
人々は必死に逃げ惑いながら、しかし俊敏かつ獰猛なそれらに及ばず、囚われ嬲られている者も多い。
魔物の目的は捕食か、あるいは惨殺そのものか。
その辺りは定かではないけれど、人に飛びかかった魔物たちは、その黒い靄に包まれた爪や牙で、人々を躊躇うことなく切り裂いていた。
平和だった面影などどこにもなく、町は血と悲鳴に塗れた地獄と化している。
町外れに誰もいなかったのは、みんな必死に逃げていたからなんだろう。
ここに来るまでに死体やその痕跡が無かったのが幸いだけれど、しかしこの人間たちには逃げることしかできないと、そういうことの現れだ。
魔物がどういうものなのかはわからないけれど、少なくとも人間が持つ攻撃手段では歯が立たないのだろう。
町の北側へと皆一斉に逃げていく人間たちと、それに群をなして追いすがる黒い魔物。
南側からやって来た私たちは魔物の背をとっている形で、数えるのもバカバカしくなる大量のそれらに、向こう側の人間たちの様子はやや窺いにくい。
しかしこのまま魔物の進行を許しては、この町の人々を守ることは難しい。
だから私は、魔法で瞬時に空間を超え、魔物の群れと逃げ惑う人間の群衆の間に割って入った。
「っ………………」
私が現れたことで、魔物たちはその動きを静止させた。
そして皆一様に私を睨み、その悪辣な敵意を一身に向けてくる。
魔物たちと正面から対峙することで、その悍ましさをより実感した。
黒い靄によってその姿はやはり明瞭ではないけれど、直面することでその異形ぶりをありありと感じる。
ヒトのような体格をしつつ、獣のように四足で立つ。黒い靄をまとっているせいで姿形は不鮮明だけれど、よく見るとそれぞれが皆異なる形をしていて、統一感はまるでない。
ただ醜悪な気配だけを撒き散らし、悪辣な殺意と敵意を剥き出しにして、頭部と思われる場所から獰猛な瞳を輝かせている。
これは生物なのか。それすらもわからない。でもヒトをはじめとする、様々な要素を所々に感じさせる。
ヒト型、人間のような形だけではなく、それ以外の種族のような形や、色々な生き物の形。
それらを一緒くたに混ぜ合わせたような、そんな混沌とした異形の存在だ。
それが正しいかは置いておくとして。
やはりこれは、魔物と呼ぶのが適切なように思えた。
「なんだ、お前は……!」
私の存在に気付いて、人間の誰かが声をあげた。
彼らに背を向け魔物たちに対峙している私は、あまりにも滑稽に見えるのだろう。
「危ない、君も逃げなさい! ソイツらに殺されるぞ……!」
「待って! あの真っ黒姿って、昔どこかで────」
危機的状況の中で、無謀にも魔物の前に躍り出た私を気遣う声が飛ぶ。
しかしそれとほぼ時を同じくして、過去の痛みを抉るような言葉もまた飛んできた。
私はこの七年間で身体的に成長しているけれど、出立ちは昔から大きく変わっていない。
背を向けたままでも、かつての惨劇をよくお覚えているヒトならば、かつての私を連想してもおかしくはない。
「お前、まさか……昔町を焼いたあの悪魔か! この町に災いをもたらした、あの……!」
「間違いない! 黒尽くめの怪しい少女! こんな時に、一体に何をしに来たんだ……!」
疑問は瞬く間に確信に変わり、人々は逃げるのを忘れて声を荒げた。
魔物たちが動きを止めているのを良いことに、恐怖を私への怒りに変えて、一方的な非難を挙げる。
でも、これは想定内のことだ。かつて私を否定し侮蔑した人たちが、私を見てかつての悪魔を思い起こさないわけがないのだから。
私は魔物に向かい合いながら溜息をついた。
想定していたこととはいえ、気持ちが重くなることは避けられない。
けれど今はそんなことよりも、この町をこれ以上の惨劇から守ることが優先だ。
だってここは、ホーリーとイヴの町だから。
「私がこれをなんとかする。あなたたちは逃げなさい」
感情に蓋をして、背を向けたまま声をかける。
今は自分自身の気持ちよりも、やるべきことに意識を向ける必要があったから。
そんな私の言葉に、人々が戸惑いの声を上げるのが聞こえた。
「何を言ってるんだ! さてはお前、俺たちを追っ払って町を奪うつもりか!」
「馬鹿なことを言っていないで、死にたくないのなら早く逃げなさい。あの魔物たちに殺されたいというのなら、私は止めはしなけれど」
「…………!」
思わずこぼれた私の冷え切った言葉に、人間たちは大きく息を飲んだ。
背を向けているから様子は窺えないけれど、私という悪魔のような存在と、明確な脅威である魔物を天秤にかけているのだろう。
今自分たちが最も避けなければならないのは、一体どちらなのかと。
その迷いはあまり長くはなく、私の登場で足を止めていた人間たちは、また声を上げて逃走を再開した。
不安や疑問を含みながらも、今はこの場を生き延びることに専念して、目の前の脅威から距離を取る。
しかし私に納得していない人も多いのか、逃げつつも私を監視して、距離をとっているだけの人も少なくはなかった。
そんな風に人間たちが大きな動きを見せても、魔物たちは特にそれを追う素振りを見せなかった。
むしろもう私にしか興味がないというように、その邪悪な視線を私に集中させている。
魔物はまるで地面から湧き出ているかのように、どこからともなくその数を増やし、闇の壁のように視界を黒に埋め尽くしていく。
猛獣の巣に飛び込んでしまったかのように、向けられる殺意が私の全身を突き刺す。
それは明確な敵意で、あらゆる邪悪な感情の混沌だった。
生物が抱けれるであろう、全ての悪辣な感情を混ぜ込んで煮詰めたような、そんな醜悪さ。
まるで、私という存在が憎まれているような。この世に存在していることを恨まれているような。
普通であれば、対面するだけで心が折れてしまいそうだけれど。
でも生憎、私はそういう感情を向けられるとこに慣れているから。
奇異の眼差しで、遠巻きにされることは初めてではないから。
嫌ではあるけれど、膝を折るほどでない。
「あなたたちが何なのかはわからないけれど……目障りよ。消えて頂戴」
魔物たちから向けられるものと同様に、いやそれ以上に、私もあれらに強い嫌悪感を覚える。
存在してほしくない、目の前にいて欲しくない、この町を荒らされたくない。
その気持ちを、私に対して害意しか抱いていいない存在に、堪える必要なんてないだろう。
だから私は、躊躇うことなく魔法を行使した。
魔物が何であるかわからない以上、彼らを滅ぼすのに何が有効かはわからないけれど。
それでも実態がある、形のある存在だというのなら、圧倒的な力でねじ伏せれば問題はないはず。
私が戦闘態勢に入ったことを感じ取ったのか、魔物たちもまた身構え、そして一斉に飛びかかって来た。
黒い靄をまとったそれらは、まるで闇の津波のように、鳥肌が立つような奇妙な雄叫びを上げて私に迫りくる。
けれどそんな攻撃は、私には何の脅威にも感じられなかった。むしろ魔物の存在感の方が、害を感じて避けたいものだ。
飛びかかってくる魔物たち。しかしそれらの牙や爪が私に到達する前に、いやそもそも近づく前に、既に勝負は決していた。
私が行使した魔法により、燦々と降り注ぐ暖かな太陽の日差しが収束し、天空から瞬時に降り注いだからだ。
世界とその自然に恵みをもたらす日の光を、大量にかき集めて束ね、強烈で鮮烈な輝く熱とする。
雪よりも白い閃光が刹那に煌き、灼熱の光線と共に視界を埋め尽くした。
それと同時に熱い突風が吹き荒れたけれど、それはおまけみたいなもので。
視界が晴れた時には、太陽の力を凝縮した光線は、目の前に広がっていた全ての魔物たちを焼き払っていた。
魔物たちの跡形はなく、残骸すらも焼き尽くしたのか、あれらの痕跡は全く残っていない。
私が灼熱の光を振り下ろしたことすらも、まるで一瞬の夢だったかのよう。
しかし、魔物の大群を一斉に掃討するために降り注いだ光は、町の中心にそびえる巨木にもその熱を及ぼしていて。
町を見渡していた巨木の殆どが焼失し、切り株ほどしか残っていない様が、今までの現実をありありと物語っていた。
0
お気に入りに追加
99
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
美少女だらけの姫騎士学園に、俺だけ男。~神騎士LV99から始める強くてニューゲーム~
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
ファンタジー
異世界💞推し活💞ファンタジー、開幕!
人気ソーシャルゲーム『ゴッド・オブ・ブレイビア』。
古参プレイヤー・加賀谷裕太(かがや・ゆうた)は、学校の階段を踏み外したと思ったら、なぜか大浴場にドボンし、ゲームに出てくるツンデレ美少女アリエッタ(俺の推し)の胸を鷲掴みしていた。
ふにょんっ♪
「ひあんっ!」
ふにょん♪ ふにょふにょん♪
「あんっ、んっ、ひゃん! って、いつまで胸を揉んでるのよこの変態!」
「ご、ごめん!」
「このっ、男子禁制の大浴場に忍び込むだけでなく、この私のむ、む、胸を! 胸を揉むだなんて!」
「ちょっと待って、俺も何が何だか分からなくて――」
「問答無用! もはやその行い、許し難し! かくなる上は、あなたに決闘を申し込むわ!」
ビシィッ!
どうやら俺はゲームの中に入り込んでしまったようで、ラッキースケベのせいでアリエッタと決闘することになってしまったのだが。
なんと俺は最高位職のLv99神騎士だったのだ!
この世界で俺は最強だ。
現実世界には未練もないし、俺はこの世界で推しの子アリエッタにリアル推し活をする!
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる