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幕間 親友たちの叫び
1 姫君の消失
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────────────
「アリスがいないってどういうこと!?」
空白の玉座の目の前で、アリアの悲鳴が響いた。
しかし、それはあっという間に騒ぎの中に飲み込まれ、誰の耳にも届かない。
いつものように城へと訪れたレオとアリア。
普段と同じように広間でアリスに謁見をしようと足を運んでみれば、広間はてんやわんやの大騒ぎになっていた。
王族特務の魔法使いから城の使用人まで、血相を変えて走り回り、怒鳴り合っていた。
その騒ぎの先に、主人のいない玉座を見つけ、レオとアリアもまた青ざめたのだった。
なんとか王族特務の一人を捕まえて、そこで二人は初めて現状を理解した。
姫君アリスが失踪した。城のどこにもいはしない。
『まほうつかいの国』を救った英雄であり、『始まりの力』を持つ大いなる可能性であり、そして一国の王であるアリス。
その喪失に、城はパニックに陥っていたのだ。
ただ姿が見えないだけならば、ここまでの大騒ぎになりはしない。
アリスが持つ『始まりの力』はあまりにも強大であるが故に、魔法使いであればその力の気配を見落とすことなどあり得ない。
姿が見えずともその力を身近に感じられていれば、なんの問題もなかった。
しかし城内はおろか、王都内のどこにもその気配が感じられない。
多くの魔法使いが血眼になって国内の魔力を探索しても、アリスの強大な力の片鱗すら感じられないという。
それは、とても穏やかではない事態だった。
そして混乱の中、姫君は何者かに害されたのではないか、という不安の声が広まり始めた。
しかしそれをレオとアリアが即座に否定した。
友人である彼らは、未だアリスとの心の繋がりを感じていた。
確かにその繋がりはとても微弱に思えるが、しかし確実にその心を感じると。
子供の言うことではあるが、しかし救国の英雄たるアリスに同伴した二人の言葉を、魔法使いたちは信用した。
しかしだからとて状況は変わらない。姫君が生存しているとしても、その姿はこの場になく、そして力の気配すらもありはしないのだから。
絶望し、戸惑う魔法使いたち。
国王というシンボルを失い、そして大いなる力を秘めていた存在を失い、彼らは悲嘆に暮れた。
レオとアリアもまた、唯一無二の親友の失踪に動揺を隠さずにいた。
誰一人として現状を理解できる者はおらず、ただただ混乱が膨れ上がる。
そんな最中、イヴニング・プリムローズ・ナイトウォーカーが広間にふらりと現れた。
それと同時に広間に静寂が訪れる。
全員の目が『まほうつかいの国』最強の魔法使いへと向く。
真っ青な顔をしている魔法使いたちの顔を呑気な表情で見回すナイトウォーカーは、緩やかな足取りで玉座まで歩み寄った。
「姫君が消えてしまった、か」
静まりかえった広間の中で、ナイトウォーカーは玉座の前に立ち、それを見下ろしながら呟いた。
この場にいる全員が、囁くような言葉に耳を傾けている。
「どうやら姫君は、何者かに拐かされてしまったようだね」
「そんなバカな!!!」
淡々と述べるナイトウォーカーの言葉に、誰も口を開くことができなかった。
しかしレオだけが、その動揺を言葉にして彼女の背中に放った。
焦燥が形となった声が静寂の中に響き、それを受けたナイトウォーカーがのっそりと振り返る。
普段と変わらないのんびりとした緩い表情。
しかしその瞳だけは、何か奥底を見通すようにしっかりと据えられていた。
その重く鋭い視線が、しかし柔らかくレオに向けられる。
けれど続く言葉は誰に向けるでもなく、投げやりに放られた。
「残念ながら事実だ。とても巧妙に隠蔽されているけれど、この玉座にはとても高度な魔法の痕跡が残っている」
後ろでに玉座の肘置きを撫でながら、ナイトウォーカーは言った。
「何者かは知らないけれど、誰にも気付かれることなくこの場に侵入し、その身柄を拐かしたようだ。それだけの強力な魔法を使いながら、その痕跡をほぼ完全に覆い隠せるのだから、相当の使い手の仕業だろうね」
この場の全員が息を飲んだ。
城のあらゆる守りを突破し、誰にも気付かれず姫君を拐かした。
最強の力である姫君の『始まりの力』をものともせずに。
それは想像を絶する所行であり、とても信じられるものではなかった。
しかし、王族特務の最古参であり、最強の魔法使いであるナイトウォーカーの言葉を疑えるものなどいなかった。
彼女がこの場を見てそう感じ取ったのであれば、それは事実に他ならない。
「『始まりの力』の力を持つ姫君を拐かすなんて、容易なことじゃあない。しかし現に、それは成されてしまった。何者によるものかはわからないけれど、わたしたちは姫君を失ったんだ」
「そんな……アリスが……」
ナイトウォーカーの言葉に、アリアが静かに膝から崩れ落ちた。
レオは咄嗟にアリアへと手を差し伸べたが、しかしその心は虚で、手にも力が入らない。
すぐにアリアの脇にしゃがみ込んで、弱々しく身を寄せた。
とてもではないが、信じられなかった。
ずっと長い間、同じ時間を共にしてきた親友。
共に旅をし、冒険を繰り広げ、苦悩し、心を通わせてきた。
そんなアリスを唐突に失った現実を、受け入れられなかった。
心にポッカリと穴が開いて、半身をもがれたような喪失感を覚える。
二人で身を寄せ合っても補うことのできない、どうしようもない欠落感。
二人にとってアリスはもう、自身の一部のようなものだった。
アリスはもうここにはいない。どこにいるのかもわからない。
辛うじて生きているであろうことはわかるが、しかし無事かどうかはわからない。
その絶望感が、レオとアリアに闇を落とした。
「アリス……ずっと苦しんでるみたいだった。自分の中の力に。ドルミーレの存在に。それだけでも辛かったはずなのに、誰がこんな、ひどいこと……」
頬を流れる涙を拭うこともせず、アリアはレオにしがみつきながら言った。
その手を弱々しく握りながら、レオは唇を噛む。
「オレたちのアリスを、よくも……。狙いは『始まりの力』か……? クソッ……」
まだ子供である二人には、『始まりの力』の喪失よりも、姫君の喪失よりも、大切な親友の喪失がなによりも苦しかった。
そんな二人はどうしても、『始まりの力』なんてなければと思わざるを得なかった。
その力を持つアリスの苦悩を知っているからこそ、尚更だ。
「……決めたぞ、アリア」
姫君を失ったことに嘆く大人たちの中、レオは握り拳を固く結んで立ち上がった。
その足はまだ震え、力なく、激しい喪失感による脱力を隠せてはいない。
しかし、愛する友への想いが彼の心を挫けさせなかった。
「俺は、魔女狩りになる」
「えっ……」
思いがけないレオの言葉に、アリアはその顔を茫然と見上げる。
脈絡なく、そして突拍子もない決意の言葉。しかしレオの目はしっかりと据わっていた。
以前アリスと交わした約束、託された願い。
そして親友としてずっと見てきた彼女の苦悩。
それを胸にした、レオの決意。
「魔女狩りになって、俺はもっと強くなる。国中を、世界中を巡ってでもアリスを必ず見つけて、助け出すんだ」
王族特務は魔法使いとして超一流の者たちだが、戦闘のプロフェッショナルは魔女狩りだ。
そして魔女狩りはその任務の元、様々な場所に赴くことがある。
アリスを見つけるため、救うため、レオはその立場を利用するのが一番だと考えたのだ。
それに、アリスの言葉もあった。
「そして必ず、アリスの心を救う。アイツがもう、何も苦しまなくていいように。ずっと笑っていられるように。今度はオレたちが、アリスを助けるんだ」
「……うん。そうだね。そうだよね」
レオの腕に捕まりながら、アリアはゆっくり立ち上がって頷いた。
悲しみに暮れている暇なんてない。そうしている間にも、アリスはどこかで寂しい思いをしているはずだから。
一刻も早く助けてあげなければいけいない。親友の自分たちが。
その想いを胸に、二人は手を取り合った。
「魔女狩りになるぞ、アリア。それで誰よりも強くなって、いつの日か必ず、アリスの中の魔女を倒すんだ」
全ては、愛すべき親友の為に。
少年と少女は、掛け替えの無い友の心を救う為に、全てを賭ける覚悟をした。
ロード・ホーリーにより姫君の所在が明らかとなり、記憶と力、その全てを失った彼女と二人が再会するのは、約五年後のことである。
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「アリスがいないってどういうこと!?」
空白の玉座の目の前で、アリアの悲鳴が響いた。
しかし、それはあっという間に騒ぎの中に飲み込まれ、誰の耳にも届かない。
いつものように城へと訪れたレオとアリア。
普段と同じように広間でアリスに謁見をしようと足を運んでみれば、広間はてんやわんやの大騒ぎになっていた。
王族特務の魔法使いから城の使用人まで、血相を変えて走り回り、怒鳴り合っていた。
その騒ぎの先に、主人のいない玉座を見つけ、レオとアリアもまた青ざめたのだった。
なんとか王族特務の一人を捕まえて、そこで二人は初めて現状を理解した。
姫君アリスが失踪した。城のどこにもいはしない。
『まほうつかいの国』を救った英雄であり、『始まりの力』を持つ大いなる可能性であり、そして一国の王であるアリス。
その喪失に、城はパニックに陥っていたのだ。
ただ姿が見えないだけならば、ここまでの大騒ぎになりはしない。
アリスが持つ『始まりの力』はあまりにも強大であるが故に、魔法使いであればその力の気配を見落とすことなどあり得ない。
姿が見えずともその力を身近に感じられていれば、なんの問題もなかった。
しかし城内はおろか、王都内のどこにもその気配が感じられない。
多くの魔法使いが血眼になって国内の魔力を探索しても、アリスの強大な力の片鱗すら感じられないという。
それは、とても穏やかではない事態だった。
そして混乱の中、姫君は何者かに害されたのではないか、という不安の声が広まり始めた。
しかしそれをレオとアリアが即座に否定した。
友人である彼らは、未だアリスとの心の繋がりを感じていた。
確かにその繋がりはとても微弱に思えるが、しかし確実にその心を感じると。
子供の言うことではあるが、しかし救国の英雄たるアリスに同伴した二人の言葉を、魔法使いたちは信用した。
しかしだからとて状況は変わらない。姫君が生存しているとしても、その姿はこの場になく、そして力の気配すらもありはしないのだから。
絶望し、戸惑う魔法使いたち。
国王というシンボルを失い、そして大いなる力を秘めていた存在を失い、彼らは悲嘆に暮れた。
レオとアリアもまた、唯一無二の親友の失踪に動揺を隠さずにいた。
誰一人として現状を理解できる者はおらず、ただただ混乱が膨れ上がる。
そんな最中、イヴニング・プリムローズ・ナイトウォーカーが広間にふらりと現れた。
それと同時に広間に静寂が訪れる。
全員の目が『まほうつかいの国』最強の魔法使いへと向く。
真っ青な顔をしている魔法使いたちの顔を呑気な表情で見回すナイトウォーカーは、緩やかな足取りで玉座まで歩み寄った。
「姫君が消えてしまった、か」
静まりかえった広間の中で、ナイトウォーカーは玉座の前に立ち、それを見下ろしながら呟いた。
この場にいる全員が、囁くような言葉に耳を傾けている。
「どうやら姫君は、何者かに拐かされてしまったようだね」
「そんなバカな!!!」
淡々と述べるナイトウォーカーの言葉に、誰も口を開くことができなかった。
しかしレオだけが、その動揺を言葉にして彼女の背中に放った。
焦燥が形となった声が静寂の中に響き、それを受けたナイトウォーカーがのっそりと振り返る。
普段と変わらないのんびりとした緩い表情。
しかしその瞳だけは、何か奥底を見通すようにしっかりと据えられていた。
その重く鋭い視線が、しかし柔らかくレオに向けられる。
けれど続く言葉は誰に向けるでもなく、投げやりに放られた。
「残念ながら事実だ。とても巧妙に隠蔽されているけれど、この玉座にはとても高度な魔法の痕跡が残っている」
後ろでに玉座の肘置きを撫でながら、ナイトウォーカーは言った。
「何者かは知らないけれど、誰にも気付かれることなくこの場に侵入し、その身柄を拐かしたようだ。それだけの強力な魔法を使いながら、その痕跡をほぼ完全に覆い隠せるのだから、相当の使い手の仕業だろうね」
この場の全員が息を飲んだ。
城のあらゆる守りを突破し、誰にも気付かれず姫君を拐かした。
最強の力である姫君の『始まりの力』をものともせずに。
それは想像を絶する所行であり、とても信じられるものではなかった。
しかし、王族特務の最古参であり、最強の魔法使いであるナイトウォーカーの言葉を疑えるものなどいなかった。
彼女がこの場を見てそう感じ取ったのであれば、それは事実に他ならない。
「『始まりの力』の力を持つ姫君を拐かすなんて、容易なことじゃあない。しかし現に、それは成されてしまった。何者によるものかはわからないけれど、わたしたちは姫君を失ったんだ」
「そんな……アリスが……」
ナイトウォーカーの言葉に、アリアが静かに膝から崩れ落ちた。
レオは咄嗟にアリアへと手を差し伸べたが、しかしその心は虚で、手にも力が入らない。
すぐにアリアの脇にしゃがみ込んで、弱々しく身を寄せた。
とてもではないが、信じられなかった。
ずっと長い間、同じ時間を共にしてきた親友。
共に旅をし、冒険を繰り広げ、苦悩し、心を通わせてきた。
そんなアリスを唐突に失った現実を、受け入れられなかった。
心にポッカリと穴が開いて、半身をもがれたような喪失感を覚える。
二人で身を寄せ合っても補うことのできない、どうしようもない欠落感。
二人にとってアリスはもう、自身の一部のようなものだった。
アリスはもうここにはいない。どこにいるのかもわからない。
辛うじて生きているであろうことはわかるが、しかし無事かどうかはわからない。
その絶望感が、レオとアリアに闇を落とした。
「アリス……ずっと苦しんでるみたいだった。自分の中の力に。ドルミーレの存在に。それだけでも辛かったはずなのに、誰がこんな、ひどいこと……」
頬を流れる涙を拭うこともせず、アリアはレオにしがみつきながら言った。
その手を弱々しく握りながら、レオは唇を噛む。
「オレたちのアリスを、よくも……。狙いは『始まりの力』か……? クソッ……」
まだ子供である二人には、『始まりの力』の喪失よりも、姫君の喪失よりも、大切な親友の喪失がなによりも苦しかった。
そんな二人はどうしても、『始まりの力』なんてなければと思わざるを得なかった。
その力を持つアリスの苦悩を知っているからこそ、尚更だ。
「……決めたぞ、アリア」
姫君を失ったことに嘆く大人たちの中、レオは握り拳を固く結んで立ち上がった。
その足はまだ震え、力なく、激しい喪失感による脱力を隠せてはいない。
しかし、愛する友への想いが彼の心を挫けさせなかった。
「俺は、魔女狩りになる」
「えっ……」
思いがけないレオの言葉に、アリアはその顔を茫然と見上げる。
脈絡なく、そして突拍子もない決意の言葉。しかしレオの目はしっかりと据わっていた。
以前アリスと交わした約束、託された願い。
そして親友としてずっと見てきた彼女の苦悩。
それを胸にした、レオの決意。
「魔女狩りになって、俺はもっと強くなる。国中を、世界中を巡ってでもアリスを必ず見つけて、助け出すんだ」
王族特務は魔法使いとして超一流の者たちだが、戦闘のプロフェッショナルは魔女狩りだ。
そして魔女狩りはその任務の元、様々な場所に赴くことがある。
アリスを見つけるため、救うため、レオはその立場を利用するのが一番だと考えたのだ。
それに、アリスの言葉もあった。
「そして必ず、アリスの心を救う。アイツがもう、何も苦しまなくていいように。ずっと笑っていられるように。今度はオレたちが、アリスを助けるんだ」
「……うん。そうだね。そうだよね」
レオの腕に捕まりながら、アリアはゆっくり立ち上がって頷いた。
悲しみに暮れている暇なんてない。そうしている間にも、アリスはどこかで寂しい思いをしているはずだから。
一刻も早く助けてあげなければいけいない。親友の自分たちが。
その想いを胸に、二人は手を取り合った。
「魔女狩りになるぞ、アリア。それで誰よりも強くなって、いつの日か必ず、アリスの中の魔女を倒すんだ」
全ては、愛すべき親友の為に。
少年と少女は、掛け替えの無い友の心を救う為に、全てを賭ける覚悟をした。
ロード・ホーリーにより姫君の所在が明らかとなり、記憶と力、その全てを失った彼女と二人が再会するのは、約五年後のことである。
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