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第0.5章 まほうつかいの国のアリス
84 救国の姫君3
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穴の中に飛び込むと、一瞬ゼリーみたいなドプッとした感覚に包まれた。
でもそれは膜みたいなものだったのかすぐに突き抜けて、わたしたちは穴の向こう側にたどり着いた。
広間の真ん中にバッと着地する。
お城の人たちからしてみたら何もないところからいきなりわたしたちが現れたようなもので、部屋中がポカンとシーンとなった。
ドルミーレのお城とはちがう、とっても派手な広間だった。
あそこも豪華なところはあったけど、基本は割とシンプルだった。
それに比べてこのお城は、色んなものが派手でチカチカして『ぜいたくざんまい』って感じがする。
さっきまでいた家来の人たちはもういなくなっていて、広間にいるのは玉座の女王様と、隅にひかえている何人かの兵隊さんだけ。
その全員の目が、急にポンと現れたわたしたちに集中している。
すこしの間、だれも声を出さない静かな時間が流れて。
でもそれは、女王様の叫び声でかんたんにかき消された。
「お前たち! 一体どこから忍び込んできた!? 私の城に土足で踏み入るとはなんと無礼な! この私を、一体誰だと心得ているんだい!?」
顔を真っ赤にして、広間中にひびきわたる大声でわめく女王様。
その赤い髪にも、赤いドレスにも負けない真っ赤な顔は、今にも爆発してしまいそうだった。
豪華で豪勢で、お上品に着かざっているけれど、さわぐその様子はお下品なオバさんにしか見えない。
本当は若く見える美人さんのはずなのに、その『おもかげ』はなかった。
「だれかなんて、わかってるよ女王様。わたしたちは、あなたを止めにきたんだから!」
ギャンギャンとさわぐ女王様にひるみそうになりながら、わたしは強くそう答えた。
ふるえそうになるのを、二人の手をにぎってぐっとガマンして。
カンカンな女王様はわたしの言葉でさらに怒り狂ってキーキー『かんだかい』声を上げる。
頭から湯気が出ちゃいそうなくらい、熱く煮えたぎっているように見えた。
「生意気な! 無礼な! お前は、あの時の小娘だな! 私に減らず口を叩き、侮辱し、口答えをした小娘! それに、禁域に足を踏み入れたのも、私の国で好き勝手やっていたのも、全てお前たちだろう! 覚悟は、できてるんだろうね!!!」
目を血走らせて、女王様は勢いよくイスから立ち上がった。
その『いあつ』だけで全てを押しつぶしてしまいそう。
そうやってこの人はいつも、自分のわがままを通してきたんだ。
「者共! この不届き者たちを引っ捕らえるんだ! 国中を引き摺り回した上で、打ち首にするんだよ!」
大声で女王様が号令をかける。
広間の隅でひかえていた兵隊さんたちは、その怒鳴り声でハッとして私に向かって構える姿勢をとった。
「余計なのに構ってる暇はねぇ。アリス、ここを隔離しろ。厄介なのが来る前に封鎖するんだ!」
「わかった、まかせて!」
辺りをぐるった見回したレオの声に合わせて、わたしは結界を『てんかい』した。
この広間の中にはわたしたちと女王様しかいられないように、『りょういき』ほどじゃないけど他の人を『しゃだん』する。
強い魔法使いがいたら、それをこれだけで追い出すのはむずかしいけど。
兵隊さんたちくらいなら、この結界で部屋の外に押し出せる。
そして一回結界を張ってしまえば、強い魔法でもなかなか壊されたりしない。
ここにきた時、人が少なくなっててよかった。
「な、なんだい!? お前、一体何をした!!!」
「ここには、わたしたち以外だれも入ってこられない。これでゆっくり、お話ができるね。女王様」
結界の力で兵隊さんたちは吹き飛ばされて、ガランとした広間を見渡す女王様。
そしてわたしのことをその真っ赤な目でまじまじと見て、ガリッと歯ぎしりをした。
「なんなんだ、その力は。お前は何者だ。一体、何が目的だい……!」
「わたしはアリス。花園 アリス。女王様、あなたのひどいやり方を止めるために、わたしたちはここまできたんだよ!」
女王様も魔法使い。わたしの『始まりの力』の大きさを感じて、焦っているのがわかった。
それでも意地なのかプライドなのか、『おうぼう』で『らんぼう』な態度で噛み付いてくる。
「私を止める、だとぉ!? 私の何を、お前なんかが止めるって言うんだい!? お前のような小娘が、私に何の口出しをするつもりだい!!!」
「女王様、あなたのやり方はひどすぎるんだよ! ぜんぶぜんぶ自分の好き勝手で、だれのことも思いやらない。ぜんぶひとりじめで、わがままで。気に入らないものはなんでもかんでも切り捨てて。そんなやり方、ぜったいまちがってる!」
勇気を振りしぼって、わたしは大声で叫んだ。
女王様にひどいことをされて傷ついたみんなの気持ちを背負って、その想いをぶつけるように。
けれど、女王様はそれを聞いて大声で笑った。
気持ちがいいくらいに盛大に、人を小馬鹿にするようにおおげさに。
「何を言うかと思えば、くだらない! 私が私の国で何をしようが私の勝手じゃないか! 私は女王だ。そこら辺の有象無象共とは違うのさ。私は、何をやっても許されるんだよ!」
「そんなことない! この国に人たちだってみんな生きてるんだ! みんなみんな、同じ人なんだよ。女王様にひどいことされていい理由なんて、何にもない!」
あんまりにめちゃくちゃな言葉に、わたしは必死で『はんろん』した。
でも女王様はわたしのことを『あざわらう』。
「馬鹿だねぇ。同じわけがないんだよ。誰がこの国を治めていると思ってるんだい? 王家がこの土地を守り治めているからこそ、この国は繁栄しているんだよ。私は英雄の末裔。この国の女王! その時点で、誰とも違う! 誰よりも偉いのさ!」
「そんなの……そんなの……!」
そんなの、なんの理由にもなってない。
この国を守ってるからって、女王様だからって、国の人に好き勝手していいワケがない。
どんなにえらくたって、どんなにすごくたって、人を傷つけていい理由になんてならないのに。
「私は、『まほうつかいの国』の女王。かつてこの国と世界を救った英雄の末裔。私が女王として君臨しているのだから、みんな私の言うことを聞いていればいいのさ! 口答えをする奴などいらない。使えない奴などいらない。全てを私に献上し、私の為に生き私の為に死ねばいい。所詮魔法に敵わぬチンケな神秘しか持たない、他国の劣等種族など言語道断。この国の土を踏む資格なんてないのさ! ここは私の国。私の思い通りにならないものなんて、存在する必要がないんだよ!!!」
「ひどい……ひどすぎるよ……。ぜんぶ、ぜんぶ自分のことばっかり。人は一人じゃ生きていけないのに。誰かとつながって、想いあうから楽しいのに! 自分の『つごう』を人に押し付けてばっかり。この国の人たちは、あなたのためだけに生きてるわけじゃないのに……!」
どうして、そこまで自分勝手なんだろう。
英雄の子孫だっていうことが、女王様だってことが、あの人をそこまでふんぞり返しちゃったのかな。
それにしたって、そこまで人のことを考えないその気持ちを、わたしはどうしても理解できなかった。
心の限り話せば、わかってもらえるんじゃないかって思った。
ちゃんと話せばなんとかなるんじゃないかって。
でも女王様の心はもう決まりすぎていて、わたしの声なんて届かない。
あんまりにも話が通じなくて、心が折れそうになる。
「ひどいよ、そんなの……」
「アリス、話の通じる相手じゃねぇ。これ以上は無駄だ」
うなだれるわたしの肩を、レオが叩いた。
ぎゅっとしっかりした顔をして、わたしのことを覗き込む。
「何を言ったって、もうどうにもなりゃしねぇ。真正面から叩き潰して黙らせねぇと、きっと聞く耳なんてもたねぇよ」
「そう、だね……。話してわかってもらえないなら、ぶつかるしかないよね。ここままじゃ何にも変わらない。この国を、みんなを救えない……!」
話し合いで解決できれば、戦わないで済むのならそれに越したことはなかった。
でもそうならないのなら、大切なものを守るために、勇気を振りしぼって戦うしかない。
「私に逆らうっていうのかい!? 高がガキ共三人で! なんだか妙な力を持っているようだけれど、それがどうした! 私に敵うとでも思ってるのかい!?」
わたしたちが逆らおうとしている、それそのものに怒り狂って、女王様は怒鳴り散らす。
すこしでも気を抜けばこわくてどうにかなりそうだけど、二人の存在を感じてぐっとたえる。
「二人とも……よろしくね。絶対に勝って、この国を平和にするんだ」
「サポートはわたしたちに任せて。アリスは、その想いをまっすぐぶつければいいよ」
こわいはずなのに、アリアはニッコリと笑いかけてくれる。
その笑顔に勇気をもらって、わたしは最後の覚悟を決めた。
一歩前に出て、玉座の前に立つ女王様をまっすぐに見上げる。
決意を固め、心を固め、女王様に立ち向かう。
どんなにこわくても、一緒にいてくれる友達がいる。
つながってくれている友達がいる。
だからわたしは戦える。
この心につながるみんなの想いを胸に抱くと、手の中に真っ白な『真理の剣』がにぎられた。
この剣がわたしに言っている。大切なものを守れって。
この国を、救えって。
「わたしは、わたしたちはあなたを倒す。もうわがままなんて通させない。この国を、みんなが楽しく笑い合える国にするんだ!」
でもそれは膜みたいなものだったのかすぐに突き抜けて、わたしたちは穴の向こう側にたどり着いた。
広間の真ん中にバッと着地する。
お城の人たちからしてみたら何もないところからいきなりわたしたちが現れたようなもので、部屋中がポカンとシーンとなった。
ドルミーレのお城とはちがう、とっても派手な広間だった。
あそこも豪華なところはあったけど、基本は割とシンプルだった。
それに比べてこのお城は、色んなものが派手でチカチカして『ぜいたくざんまい』って感じがする。
さっきまでいた家来の人たちはもういなくなっていて、広間にいるのは玉座の女王様と、隅にひかえている何人かの兵隊さんだけ。
その全員の目が、急にポンと現れたわたしたちに集中している。
すこしの間、だれも声を出さない静かな時間が流れて。
でもそれは、女王様の叫び声でかんたんにかき消された。
「お前たち! 一体どこから忍び込んできた!? 私の城に土足で踏み入るとはなんと無礼な! この私を、一体誰だと心得ているんだい!?」
顔を真っ赤にして、広間中にひびきわたる大声でわめく女王様。
その赤い髪にも、赤いドレスにも負けない真っ赤な顔は、今にも爆発してしまいそうだった。
豪華で豪勢で、お上品に着かざっているけれど、さわぐその様子はお下品なオバさんにしか見えない。
本当は若く見える美人さんのはずなのに、その『おもかげ』はなかった。
「だれかなんて、わかってるよ女王様。わたしたちは、あなたを止めにきたんだから!」
ギャンギャンとさわぐ女王様にひるみそうになりながら、わたしは強くそう答えた。
ふるえそうになるのを、二人の手をにぎってぐっとガマンして。
カンカンな女王様はわたしの言葉でさらに怒り狂ってキーキー『かんだかい』声を上げる。
頭から湯気が出ちゃいそうなくらい、熱く煮えたぎっているように見えた。
「生意気な! 無礼な! お前は、あの時の小娘だな! 私に減らず口を叩き、侮辱し、口答えをした小娘! それに、禁域に足を踏み入れたのも、私の国で好き勝手やっていたのも、全てお前たちだろう! 覚悟は、できてるんだろうね!!!」
目を血走らせて、女王様は勢いよくイスから立ち上がった。
その『いあつ』だけで全てを押しつぶしてしまいそう。
そうやってこの人はいつも、自分のわがままを通してきたんだ。
「者共! この不届き者たちを引っ捕らえるんだ! 国中を引き摺り回した上で、打ち首にするんだよ!」
大声で女王様が号令をかける。
広間の隅でひかえていた兵隊さんたちは、その怒鳴り声でハッとして私に向かって構える姿勢をとった。
「余計なのに構ってる暇はねぇ。アリス、ここを隔離しろ。厄介なのが来る前に封鎖するんだ!」
「わかった、まかせて!」
辺りをぐるった見回したレオの声に合わせて、わたしは結界を『てんかい』した。
この広間の中にはわたしたちと女王様しかいられないように、『りょういき』ほどじゃないけど他の人を『しゃだん』する。
強い魔法使いがいたら、それをこれだけで追い出すのはむずかしいけど。
兵隊さんたちくらいなら、この結界で部屋の外に押し出せる。
そして一回結界を張ってしまえば、強い魔法でもなかなか壊されたりしない。
ここにきた時、人が少なくなっててよかった。
「な、なんだい!? お前、一体何をした!!!」
「ここには、わたしたち以外だれも入ってこられない。これでゆっくり、お話ができるね。女王様」
結界の力で兵隊さんたちは吹き飛ばされて、ガランとした広間を見渡す女王様。
そしてわたしのことをその真っ赤な目でまじまじと見て、ガリッと歯ぎしりをした。
「なんなんだ、その力は。お前は何者だ。一体、何が目的だい……!」
「わたしはアリス。花園 アリス。女王様、あなたのひどいやり方を止めるために、わたしたちはここまできたんだよ!」
女王様も魔法使い。わたしの『始まりの力』の大きさを感じて、焦っているのがわかった。
それでも意地なのかプライドなのか、『おうぼう』で『らんぼう』な態度で噛み付いてくる。
「私を止める、だとぉ!? 私の何を、お前なんかが止めるって言うんだい!? お前のような小娘が、私に何の口出しをするつもりだい!!!」
「女王様、あなたのやり方はひどすぎるんだよ! ぜんぶぜんぶ自分の好き勝手で、だれのことも思いやらない。ぜんぶひとりじめで、わがままで。気に入らないものはなんでもかんでも切り捨てて。そんなやり方、ぜったいまちがってる!」
勇気を振りしぼって、わたしは大声で叫んだ。
女王様にひどいことをされて傷ついたみんなの気持ちを背負って、その想いをぶつけるように。
けれど、女王様はそれを聞いて大声で笑った。
気持ちがいいくらいに盛大に、人を小馬鹿にするようにおおげさに。
「何を言うかと思えば、くだらない! 私が私の国で何をしようが私の勝手じゃないか! 私は女王だ。そこら辺の有象無象共とは違うのさ。私は、何をやっても許されるんだよ!」
「そんなことない! この国に人たちだってみんな生きてるんだ! みんなみんな、同じ人なんだよ。女王様にひどいことされていい理由なんて、何にもない!」
あんまりにめちゃくちゃな言葉に、わたしは必死で『はんろん』した。
でも女王様はわたしのことを『あざわらう』。
「馬鹿だねぇ。同じわけがないんだよ。誰がこの国を治めていると思ってるんだい? 王家がこの土地を守り治めているからこそ、この国は繁栄しているんだよ。私は英雄の末裔。この国の女王! その時点で、誰とも違う! 誰よりも偉いのさ!」
「そんなの……そんなの……!」
そんなの、なんの理由にもなってない。
この国を守ってるからって、女王様だからって、国の人に好き勝手していいワケがない。
どんなにえらくたって、どんなにすごくたって、人を傷つけていい理由になんてならないのに。
「私は、『まほうつかいの国』の女王。かつてこの国と世界を救った英雄の末裔。私が女王として君臨しているのだから、みんな私の言うことを聞いていればいいのさ! 口答えをする奴などいらない。使えない奴などいらない。全てを私に献上し、私の為に生き私の為に死ねばいい。所詮魔法に敵わぬチンケな神秘しか持たない、他国の劣等種族など言語道断。この国の土を踏む資格なんてないのさ! ここは私の国。私の思い通りにならないものなんて、存在する必要がないんだよ!!!」
「ひどい……ひどすぎるよ……。ぜんぶ、ぜんぶ自分のことばっかり。人は一人じゃ生きていけないのに。誰かとつながって、想いあうから楽しいのに! 自分の『つごう』を人に押し付けてばっかり。この国の人たちは、あなたのためだけに生きてるわけじゃないのに……!」
どうして、そこまで自分勝手なんだろう。
英雄の子孫だっていうことが、女王様だってことが、あの人をそこまでふんぞり返しちゃったのかな。
それにしたって、そこまで人のことを考えないその気持ちを、わたしはどうしても理解できなかった。
心の限り話せば、わかってもらえるんじゃないかって思った。
ちゃんと話せばなんとかなるんじゃないかって。
でも女王様の心はもう決まりすぎていて、わたしの声なんて届かない。
あんまりにも話が通じなくて、心が折れそうになる。
「ひどいよ、そんなの……」
「アリス、話の通じる相手じゃねぇ。これ以上は無駄だ」
うなだれるわたしの肩を、レオが叩いた。
ぎゅっとしっかりした顔をして、わたしのことを覗き込む。
「何を言ったって、もうどうにもなりゃしねぇ。真正面から叩き潰して黙らせねぇと、きっと聞く耳なんてもたねぇよ」
「そう、だね……。話してわかってもらえないなら、ぶつかるしかないよね。ここままじゃ何にも変わらない。この国を、みんなを救えない……!」
話し合いで解決できれば、戦わないで済むのならそれに越したことはなかった。
でもそうならないのなら、大切なものを守るために、勇気を振りしぼって戦うしかない。
「私に逆らうっていうのかい!? 高がガキ共三人で! なんだか妙な力を持っているようだけれど、それがどうした! 私に敵うとでも思ってるのかい!?」
わたしたちが逆らおうとしている、それそのものに怒り狂って、女王様は怒鳴り散らす。
すこしでも気を抜けばこわくてどうにかなりそうだけど、二人の存在を感じてぐっとたえる。
「二人とも……よろしくね。絶対に勝って、この国を平和にするんだ」
「サポートはわたしたちに任せて。アリスは、その想いをまっすぐぶつければいいよ」
こわいはずなのに、アリアはニッコリと笑いかけてくれる。
その笑顔に勇気をもらって、わたしは最後の覚悟を決めた。
一歩前に出て、玉座の前に立つ女王様をまっすぐに見上げる。
決意を固め、心を固め、女王様に立ち向かう。
どんなにこわくても、一緒にいてくれる友達がいる。
つながってくれている友達がいる。
だからわたしは戦える。
この心につながるみんなの想いを胸に抱くと、手の中に真っ白な『真理の剣』がにぎられた。
この剣がわたしに言っている。大切なものを守れって。
この国を、救えって。
「わたしは、わたしたちはあなたを倒す。もうわがままなんて通させない。この国を、みんなが楽しく笑い合える国にするんだ!」
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