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幕間 疑心暗鬼

第5章 人物紹介&用語解説

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■人物紹介
●魔女
氷室ひむろ あられ(ヘイル・フリージア)【追加情報】
『まほうつかいの国』出身。魔法使いの大家フリージア家の末女として産まれるが、幼少の頃『魔女ウィルス』に感染し魔女になる。
 以降一年間幽閉生活を送った後、実兄であるスクルドによって世界から追放された。
 一人見知らぬ地で蹲っているところをアリスに発見され、アリスとはその頃からの友人となる。
 ヘイル・フリージアの名前を捨てた彼女に名はなく、アリスによって「あられちゃん」と呼ばれ、その名を使うことになった。
 こちらの世界に来たばかりの頃は夜子の世話を受け、その後は魔女コミュニティを伝って仕事などをこなし、現在は一人暮らしをしている。
 過去の出来事からスクルドに対し並々ならぬ畏怖を抱いており、彼の存在はトラウマのようなものであった。しかしアリスと並び立ち、心を通わせ支え合うことで立ち向かい打倒し、過去を克服した。

神宮かんのみや 透子とうこ【追加情報】
 アリスの夢の中、心の中に現れた。肉体から心が離れ未だ意識を取り戻さない彼女だが、アリスとの繋がりを辿って心の中にやってきた。
 現在の状態を自らの意思によって保っているようだが、その目的は不明。
 虐げられてきた日々を否定し、自由に生きることを望んでいる。以前のアリスと交友があり、彼女に見つけてもらえたからこそ、自由への渇望を持ったという。

●ワルプルギスの魔女
・クロア【追加情報】
 アリスに並々ならぬ執着を見せ、実の娘のように溺愛する。その行動理念は全てアリスのため。
 その愛情は母親のような温もりを感じさせるほどに柔らかく、時に絡みついて放さないほどに執念深い。
 アリスを思うあまり、自陣であるワルプルギスの意図に沿わなくても構わないような言動をとる。
 その点を持ってアゲハに裏切り者の指摘を受けるが本人は否定する。しかし実際自身の目的のため、一時的とはいえ魔法使いと関わりを持つなど、その真意は測れない。
 転臨の力を解放することで下半身を蛸の姿に変える。黒く毒々しい蛸の足がドレスのスカートから溢れる様はまるで蛸の人魚のようだが、触手のように蠢くそれは醜悪さが勝る。
 闇の魔法を得意とし、空間移動を可能とする。

・ホワイト / 白純しらすみ 真奈実まなみ
 ワルプルギスのリーダー。『まほうつかいの国』の外れにある森に神殿を構え、根城にしている。



●魔法使い
・レオ【追加情報】
『まほうつかいの国』にて魔法使いとしては平凡な家庭に生まれる。アリアとは幼馴染。
 幼少期にアリスと出会い、共に国中を冒険し、女王討伐の戦いに挑んだ。
 女王打倒後、姫君となったアリスの側にいるために王族特務の魔法使いを目指して修行に励むが、アリスの失踪をきっかけに魔女狩りへと道を変える。
 親友想いでアリスとアリア、どちらかを取ることはできず、二人共救う道としてアリス殺害によるドルミーレからの解放を選び襲撃してきた。
 しかしアリスと戦うことでそこに変わらぬ心を感じ、自分には殺すことはできないと気付いた。

・アリア【追加情報】
 レオと同じく平凡な魔法使いの家に生まれ、アリスと出会い旅をした。
 理知的で冷静な彼女だが、激情家であるレオを抑えきれないこともしばしば。今回の任務に向かうレオに不穏な空気を感じ、心配して後を追ってやってきた。
 アリスに対し冷たい態度を取ってしまっていたことを後悔しており、冷静に話し合うことを望んでいた。
 アリスの中に変わらぬ心を感じ、今も昔も関係ないと気付く。

・ロード・スクルド / スクルド・フリージア【追加情報】
 フリージア家現当主。人間が最初に魔法に触れた時代より栄える大家を背負う彼は、産まれながらにして強き者であることを約束され、またそうあるようにと育てられてきた。
 強者であることに誇りと責任感を持ち、強くあるために余分なものを切り捨てる合理主義者。他者を必要とせず、圧倒的個こそが強さであると信じる孤高の者。
 そう教育されて培った冷徹さは同時に父親譲りでもあり、彼自身その在り方に疑問を抱くことはなかった。
 しかし妹のヘイルが魔女になった折その処分を見送らせるなど、凍りついた心の片隅にわずかな情が残っているようにも伺える。
 フリージア家から魔女が出たことが露呈することを避けるため襲撃を仕掛けた彼だが、その心の内には別の思いがあったようにも見えた。

花園はなぞの ひいらぎ/ ホーリー・ライト・フラワーガーデン【追加情報】
 アリスの母親にして魔女狩りの君主ロード
 アリスに海外出張だと告げて家を空けていた期間、世界中を飛び回っていた。
 ロード・デュークスのジャバウォック計画と関連があるようだが、詳細は不明。

●その他
・ドルミーレ【追加情報】
『始まりの魔女』。その名の通り全ての魔女の起源であり、始祖。『魔女ウィルス』も彼女から端を発するものであり、全ての魔女の母とも言える。
 魔法という概念そのものもドルミーレが起源であり、全ての魔法のルーツ。
 二千年前に存在し、『魔女』という言葉は本来彼女を指す言葉であった。人間では触れるのことのできない魔道に生きる彼女を人々は畏怖し、魔女と蔑んでいた。
 彼女の死後は歴史の表舞台から抹消され、彼女が発端である『魔女ウィルス』の感染者を魔女と卑下するようになった。
 二千年前に死亡したはずの彼女が、何故アリスの中にいるのかは不明。

・クリアランス・デフェリア【追加情報】
 魔女クリアの本名。関わりを持っていたワルプルギスも、その行方は知らないという。

■用語解説
・心
 魔法学において心は実在し形あるものとされている。
 その人間そのものであり、魂と同義とさらている。人間を形作る核。
 それ故に心に干渉する魔法も理論上は存在する。肉体から心だけ離脱する魔法、他人と心を入れ替える魔法、死後心のみで存在する魔法など、理論上は可能だが、非常に卓越した実力が必要。

・心を繋ぐ力
 花園 アリスが元来持つ力。『奉仕と還元の力』に類する力であり、想いを通わせる友と心を通じあわせる力。
 彷徨う心を抱くことができ、死亡した晴香の心はアリスの心に身を寄せた。

・魔女ウィルス【追加情報】
 ドルミーレが端を発するそれの本来の役割は、ドルミーレが再誕するための新たな器を作り上げること。
 ドルミーレの肉体に相応しいほど感染する。
 適性率が低ければ早々に食い潰され死亡し、高ければ順応し転臨へと至る。
 転臨を果たした魔女は人ならざるものへと変貌し、同じく人ならざる『魔女』であるドルミーレに近づいていく。

・幻想の掌握
 アリスが持つ力の一端。幻想を形にする力から派生したもの。
 心豊かに夢や空想を膨らませることを得意としたアリスが持つ、幻想を操る力。
 他者が扱う魔法を自身のイメージで包み込み、思うように取り込む。魔法は『現実化しリアリティ・た幻想ファンタズム』とされているため、幻想に取り込むことは容易。
 しかしこの力は魔法を理解していること、つまり魔法が使えることが前提であるため、自身の力で魔法が使えない現在のアリスは、『奉仕の力』を用いての限定的な使用になる。そのため包み込める幻想にも限度がある。
 本来ならば魔法であれば全てを飲み込む絶対的な力。
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