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第5章 フローズン・ファンタズム
26 肩を並べて
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「『真理の剣』……!」
D8は私の手の中で白亜に煌めく剣を見て顔をしかめた。
その存在が受け入れ難いとでも言うように、体に力を入れ、硬く身構える。
この剣が私の手元に現れたということは、かつての記憶である彼女が、D8と戦いの意思を見せたということだ。
避けられない戦いに覚悟を決め、迷いを捨てたということだ。
剣の出現と共に、内側から大きな力が込み上がってくる。
鍵の守り手たる晴香がいなくなったことで、私にかけられていた制限はほぼ解けた。
その影響か、今までにないくらい力を呼び覚ますのはスムーズだった。
強く願うまでもなく、私の意思に合わせて力を借りることができた。
内側から込み上げてくる力がこの身を飛び越えて、波動となって周囲に溢れ出す。
意識ははっきりと自分のものだ。けれど大きな力が湧いてくることで、どこかふわりと身体が軽くなっている気がする。
結んでなかった髪が、力の波に乗ってゆらゆらとはためいていた。
「……花園さん」
「氷室さん、ここは私に任せて。D8とは、私が戦う」
「それはできない」
そう言って一歩前に出ようとする私を、氷室さんが腕を引いて止めた。
私に向けられた瞳は強い意思に固められていて、涼やかなスカイブルーのそれは、私を射抜くようにまっすぐ向けられていた。
「あなたを一人では戦わせない。戦うのなら、一緒に」
「でも、この戦いは……」
「私に、あなたを守らせて」
「氷室さん……」
有無を言わさない語気に当てられて、私は言葉に詰まってしまった。
決して譲るつもりはないという風に、強い瞳が私を捕らえて放さない。
氷室さんの私を守りたいという気持ちが、その視線に乗って痛いほど伝わってくる。
それがどんなにありがたく、頼もしいものか。
「わかった。ありがとう氷室さん。一緒に、戦おう」
剣を強く握りしめ、氷室さんと肩を並べてD8へと向く。
氷室さんは少しだけ嬉しそうに頷いて、その冷静な瞳を同じように前へと向けた。
思えば氷室さんと肩を並べて戦うのは初めてだった。
いつも私は守ってばっかりで、何とか力を引き出せて戦える時は、いっつもギリギリの土壇場ばかりだから。
この場にはそぐわない感情かもしれないけれど、氷室さんと並び立てるのはなんだか嬉しかった。
「話はまとまったか。いいぜ俺は何でも。魔女なんてもんは俺にとっちゃ物の数じゃねぇからよ」
D8は私たちを小馬鹿にするように鼻で笑った。
そして私の隣に立つ氷室さんを忌々しそうに睨みつける。
「魔女なんかがいなけりゃ、魔女なんかがアリスに関わらなけりゃ、こうはならなかった。俺が全部終わらせてやる。何もかもだ!」
「私の友達は傷付けさせない。もう私は大切な人が傷付くところを見たくないの! もう失いたくないの! それは、あなたもだよD8!」
「寝言は寝てから言えよ、アリス!」
周囲で燃えていた炎がD8に収束して、一瞬にして爆ぜた。
その爆炎に乗ってD8がこちらへと飛び込んでくる。
業火をまとって突撃してくるD8に向けて、氷室さんがすぐさま吹雪のような冷気を放った。
空気すらも凍りつかせるようなそれはしかし、彼がまとう業火の熱に押し負け意味を成さなかった。
凍てつく冷気を押しのけて、爆炎まとうD8が目の前に迫る。
赤い双剣に炎を灯し、一瞬の迷いもなく私目掛けて振るってきた。
爆発の推進力と合わさった素早い剣撃だったけれど、それには剣が咄嗟に反応した。
ふた振りの炎の斬撃を剣で受け止めた瞬間、双剣に灯っていた炎は掻き消えた。
ただの剣になったそれの重みに私が耐えている隙に、氷室さんが動く。
私たちとの間、D8の懐に潜り込んだ氷室さんはその腹に手を向けた。
そこから氷が次々と形成されて、D8を押し飛ばす、
半ばカウンターのようなそれは、飛び込んできた彼の勢いを押し返しながら強く圧迫し、私たちから押し離す。
氷の塊が連なるそれは、そのままD8すらも飲み込まんと凍てつきを増していったけれど、それはあっという間に彼の炎に溶かされて気化してしまった。
逃れたD8は大きく舌打ちをすると、双剣を空高く投げ放った。
くるくると回りながら打ち上げられたそれは、回転と共にそこに炎を灯し、空中に二つの炎の渦を作り出した。
「時間がねぇ! 手加減は無しだぞアリス! お前たちはここで死ぬんだ!」
剣を起点に燃え盛る二つの炎の渦は、まるで巨大な回転ノコギリのように唸りを上げて落ちてきた。
私たちを容易く飲み込み焼き切らんとするそれは、回転と共にどんどんとその大きさを増しながら向かってくる。
「私が……!」
受け止めたり相殺しようとしたらひとたまりもない。
『真理の剣』で打ち消そうと身を乗り出した時だった。
「甘ぇよバカ!」
炎の渦が爆ぜた。回転の勢いをそのままに、細かい炎の礫となって弾けた。
巨大な刃として降り落ちてくるのも十分脅威だったけれど、周囲を覆い尽くすほどの無数の弾丸も十分すぎるほどに脅威だった。
「退がって……!」
氷室さんが瞬時に私を引き戻し、周囲に障壁を張った。
間一髪、障壁を張った直後に炎の礫が降り注いできた。
四方八方から回転と共に弾けた炎が、激しい勢いを伴って私たちを襲う。
周囲を囲む障壁全面に弾幕となった炎の礫が打ち当たり、今にも打ち砕かれそうな轟音が鳴り響く。
視界が炎に覆われて、外のことが全く窺えない。
それでも今はこの炎の猛攻に耐えるのが精一杯だった。
クールな面持ちで、しかし辛そうに障壁を保ち続ける氷室さん。
終わりが見えない炎の応酬だったけれど、やっとその勢いが収まってきたと思った、次の瞬間だった。
「気を抜くのはまだはえーぞ!」
視界が遮られて周囲が見えていなかった私たちの頭上からD8が降ってきた。
炎の猛攻で耐久力の落ちていた障壁は、落下と共に振り下ろされたD8の剣撃によって崩壊した。
バリンと軽い音と共に砕け散る障壁。
そして私たちのすぐそばに降り立ったD8は、勢いそのままに私たち二人に向けて同時に剣を振るった。
それを何とかすんでのところで剣で防いだ私と、強引に体勢を崩すことでかわした氷室さん。
私はそれを押し返そうとしたけれど、強襲に踏ん張りが利かず逆に押し切られてしまった。
よろめく私に、D8はそのままの勢いで剣を放った。
次の瞬間、その剣が轟音を立てて爆発し、私はなす術もなく爆炎に飲み込まれた。
D8は私の手の中で白亜に煌めく剣を見て顔をしかめた。
その存在が受け入れ難いとでも言うように、体に力を入れ、硬く身構える。
この剣が私の手元に現れたということは、かつての記憶である彼女が、D8と戦いの意思を見せたということだ。
避けられない戦いに覚悟を決め、迷いを捨てたということだ。
剣の出現と共に、内側から大きな力が込み上がってくる。
鍵の守り手たる晴香がいなくなったことで、私にかけられていた制限はほぼ解けた。
その影響か、今までにないくらい力を呼び覚ますのはスムーズだった。
強く願うまでもなく、私の意思に合わせて力を借りることができた。
内側から込み上げてくる力がこの身を飛び越えて、波動となって周囲に溢れ出す。
意識ははっきりと自分のものだ。けれど大きな力が湧いてくることで、どこかふわりと身体が軽くなっている気がする。
結んでなかった髪が、力の波に乗ってゆらゆらとはためいていた。
「……花園さん」
「氷室さん、ここは私に任せて。D8とは、私が戦う」
「それはできない」
そう言って一歩前に出ようとする私を、氷室さんが腕を引いて止めた。
私に向けられた瞳は強い意思に固められていて、涼やかなスカイブルーのそれは、私を射抜くようにまっすぐ向けられていた。
「あなたを一人では戦わせない。戦うのなら、一緒に」
「でも、この戦いは……」
「私に、あなたを守らせて」
「氷室さん……」
有無を言わさない語気に当てられて、私は言葉に詰まってしまった。
決して譲るつもりはないという風に、強い瞳が私を捕らえて放さない。
氷室さんの私を守りたいという気持ちが、その視線に乗って痛いほど伝わってくる。
それがどんなにありがたく、頼もしいものか。
「わかった。ありがとう氷室さん。一緒に、戦おう」
剣を強く握りしめ、氷室さんと肩を並べてD8へと向く。
氷室さんは少しだけ嬉しそうに頷いて、その冷静な瞳を同じように前へと向けた。
思えば氷室さんと肩を並べて戦うのは初めてだった。
いつも私は守ってばっかりで、何とか力を引き出せて戦える時は、いっつもギリギリの土壇場ばかりだから。
この場にはそぐわない感情かもしれないけれど、氷室さんと並び立てるのはなんだか嬉しかった。
「話はまとまったか。いいぜ俺は何でも。魔女なんてもんは俺にとっちゃ物の数じゃねぇからよ」
D8は私たちを小馬鹿にするように鼻で笑った。
そして私の隣に立つ氷室さんを忌々しそうに睨みつける。
「魔女なんかがいなけりゃ、魔女なんかがアリスに関わらなけりゃ、こうはならなかった。俺が全部終わらせてやる。何もかもだ!」
「私の友達は傷付けさせない。もう私は大切な人が傷付くところを見たくないの! もう失いたくないの! それは、あなたもだよD8!」
「寝言は寝てから言えよ、アリス!」
周囲で燃えていた炎がD8に収束して、一瞬にして爆ぜた。
その爆炎に乗ってD8がこちらへと飛び込んでくる。
業火をまとって突撃してくるD8に向けて、氷室さんがすぐさま吹雪のような冷気を放った。
空気すらも凍りつかせるようなそれはしかし、彼がまとう業火の熱に押し負け意味を成さなかった。
凍てつく冷気を押しのけて、爆炎まとうD8が目の前に迫る。
赤い双剣に炎を灯し、一瞬の迷いもなく私目掛けて振るってきた。
爆発の推進力と合わさった素早い剣撃だったけれど、それには剣が咄嗟に反応した。
ふた振りの炎の斬撃を剣で受け止めた瞬間、双剣に灯っていた炎は掻き消えた。
ただの剣になったそれの重みに私が耐えている隙に、氷室さんが動く。
私たちとの間、D8の懐に潜り込んだ氷室さんはその腹に手を向けた。
そこから氷が次々と形成されて、D8を押し飛ばす、
半ばカウンターのようなそれは、飛び込んできた彼の勢いを押し返しながら強く圧迫し、私たちから押し離す。
氷の塊が連なるそれは、そのままD8すらも飲み込まんと凍てつきを増していったけれど、それはあっという間に彼の炎に溶かされて気化してしまった。
逃れたD8は大きく舌打ちをすると、双剣を空高く投げ放った。
くるくると回りながら打ち上げられたそれは、回転と共にそこに炎を灯し、空中に二つの炎の渦を作り出した。
「時間がねぇ! 手加減は無しだぞアリス! お前たちはここで死ぬんだ!」
剣を起点に燃え盛る二つの炎の渦は、まるで巨大な回転ノコギリのように唸りを上げて落ちてきた。
私たちを容易く飲み込み焼き切らんとするそれは、回転と共にどんどんとその大きさを増しながら向かってくる。
「私が……!」
受け止めたり相殺しようとしたらひとたまりもない。
『真理の剣』で打ち消そうと身を乗り出した時だった。
「甘ぇよバカ!」
炎の渦が爆ぜた。回転の勢いをそのままに、細かい炎の礫となって弾けた。
巨大な刃として降り落ちてくるのも十分脅威だったけれど、周囲を覆い尽くすほどの無数の弾丸も十分すぎるほどに脅威だった。
「退がって……!」
氷室さんが瞬時に私を引き戻し、周囲に障壁を張った。
間一髪、障壁を張った直後に炎の礫が降り注いできた。
四方八方から回転と共に弾けた炎が、激しい勢いを伴って私たちを襲う。
周囲を囲む障壁全面に弾幕となった炎の礫が打ち当たり、今にも打ち砕かれそうな轟音が鳴り響く。
視界が炎に覆われて、外のことが全く窺えない。
それでも今はこの炎の猛攻に耐えるのが精一杯だった。
クールな面持ちで、しかし辛そうに障壁を保ち続ける氷室さん。
終わりが見えない炎の応酬だったけれど、やっとその勢いが収まってきたと思った、次の瞬間だった。
「気を抜くのはまだはえーぞ!」
視界が遮られて周囲が見えていなかった私たちの頭上からD8が降ってきた。
炎の猛攻で耐久力の落ちていた障壁は、落下と共に振り下ろされたD8の剣撃によって崩壊した。
バリンと軽い音と共に砕け散る障壁。
そして私たちのすぐそばに降り立ったD8は、勢いそのままに私たち二人に向けて同時に剣を振るった。
それを何とかすんでのところで剣で防いだ私と、強引に体勢を崩すことでかわした氷室さん。
私はそれを押し返そうとしたけれど、強襲に踏ん張りが利かず逆に押し切られてしまった。
よろめく私に、D8はそのままの勢いで剣を放った。
次の瞬間、その剣が轟音を立てて爆発し、私はなす術もなく爆炎に飲み込まれた。
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