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第2章 正しさの在り方
19 木偶人形
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知らず知らずのうちに、私の方から手を強く握っていた。
それで尚更不安が伝わってしまったのか、レイくんもまた少しだけ力を入れてくれた。
その手がなんだか頼もしく思える。
何も考えないようにしても、どうしても色んなことが頭をよぎる。
私が知らない私の冒険。もし本当に昔、私が『まほうつかいの国』に迷い込んで、そんな大冒険を繰り広げていたのだとしたら。
私に親友と呼びかけた彼らとはその時出会って、もしかしたら冒険を共にした仲なのかもしれない。
そんな何の根拠もない妄想が頭をめぐる。
でも、かつて私があの世界に行っていたことがあるのなら、向こうの住人である彼らとその時会っている可能性は、十分あるわけで……。
「ねぇアリスちゃん」
答えのない思考が頭の中でぐるぐると空回りしていた時、耳元でレイくんが囁いた。
「今は僕とのデート中だろ? 僕のことだけを考えて欲しいな」
「…………!」
私は思わずドキリと飛び跳ねてしまった。
お、驚いただけ。ボーッとしてる所に声をかけられたから。
吐息が耳にかかって、ビクッとしただけ!
顔がカーっと熱くなる私を、面白そうにクスクスと笑いながら見るレイくん。
こっちとしては全く笑い事じゃないんだけれど、レイくんが私の気持ちを和ませるためにしてくれたことだってことくらいはわかった。
「……あんまり、からかわないで」
「ごめんごめん。アリスちゃんは反応が可愛いからついね」
とても自然にウィンクするレイくんに、またまた顔が熱くなりかけるのを感じる。
何をしてるの私! 相手を考えなさい相手を!
レイくんは決して心を許して良い相手なんかじゃ……。
善子さんのお友達を殺した人。そして私に紳士的に接してくる人。
非情な人のはずなのに、でも温かな心を感じてしまう。
強引で自分勝手なはずなのに、その中に優しさと魅力を感じてしまう。
あまりにも正反対なその一面に、私の心中で信用と疑心がごちゃ混ぜになる。
「自分の気持ちに正直に生きると良いよ」
「え?」
「こう決まってるからとか、誰かがこう言ったからとか、君はそういうことに縛られちゃいけない。君が正しいと思ったように、したいと思ったようにするんだ。周りの人間がいくらそれを否定しても、君にとってはそれこそが正解だ」
それは私の『お姫様』のこと? それともレイくんに対しての気持ちのこと?
みんなが求める『お姫様』に準じる必要はないってこと?
私が思った通りの気持ちこそが、あなたに向けるべきものってこと?
わからない。でもきっと、どちらに取るかもまた私次第。
人の言葉に惑わされず、自分が思った道を行く。自分の目で見て、自分の心で感じたものを信じよう。
それはきっと、私を想う人たちを裏切ることになんてならない。
「ありがとうレイくん。私、信じてみるよ」
何を、とはあえて言わなかった。
けれどレイくんは満足そうに微笑んだ。
今は結論を急がないでおこう。
いつの日かきっと、大切な答えが出てくるはずだから。
凍りつくような寒い夜。
お互いの手を握ることだけが唯一の温もりで、私たちはそれだけを確かに感じて歩き続けた。
別にどこに向かうわけでもなく、ただ気ままに思うままにそこにある道を歩くだけ。
そんな当たり障りのないただのお散歩。
静かな夜には私たち以外、誰一人として姿はなかった。
────と、思っていたんだけれど。
「…………」
不意にレイくんが足を止めて、私は疑問に思いながらそれに倣った。
レイくんが見つめる先は、相変わらずの夜の暗い道。
街灯が照らしているとはいえ、流石に薄暗い。
その道の先に人影があった。
大人の男性くらいの背丈の人影。
それはしばらくその場に佇んでいたかと思うと、カタカタと軽い音と共にゆっくりと近付いてきた。
まるでホラー映画のワンシーンのような光景に、私は思わずレイくんの腕を掴んだ。
僅かに一歩前に歩みだしたレイくんは、私を庇うように立つ。
カタカタ、カタカタ。
まるで木材が固いものに当たるような軽い音。
静かな夜道に響き渡る、そんな音と共に明かりの元に姿を現したのは、人ではなかった。
等身大の木偶人形。木で人の姿を象っただけの人形だった。
木でできたのっぺりしたその姿はとても気味が悪くて、今のこの状況と合わせて、本当にホラーみたいだった。
カタカタ、カタカタ。
気がついてみれば、それは一体だけじゃなかった。
私たちを囲むように、全部で六体の木偶人形が、同じように無機質に佇んでいた。
「レイくん、これ……」
「ずっと誰かに見られているとは思っていたけれど、これはまた随分なご挨拶だね」
これは、尋常な光景だとは到底思えない。
木でできただけの人形が、まるで自分の意思があるかのようにこの場にやってくるわけがない。
これはつまり、何者かの魔法。
「傀儡の魔法か。それにしても随分稚拙だなぁ。こんなお人形遊びで、僕たちをどうにかできると思ってるのかな?」
なんの前触れもなく、突然木偶人形の一体が私たちに飛びかかってきた。
レイくんがそれに向かって手を伸ばすと、木偶人形は見えない壁にぶつかって、かと思うとものすごい勢いで反対の方向へと吹き飛んで、塀にぶつかった。
その衝撃で、木偶人形はバラバラと崩れてしまう。
「まったく、お遊びにしてもあまりにもくだらないよ。一体何の用なのかな」
それを合図にしたかのように、残りの木偶人形が一斉に襲いかかってきた。
周囲から飛びかかってくる木偶人形たちに、レイくんは物怖じもせずに対応した。
二体はさっきと同じように跳ね返して、残りの三体には黒い棘のような物を放つ。
それが胸にの辺りに突き刺さった木偶人形は、そこを中心にバラバラに砕けてしまった。
あまりにもあっけなく、あっという間に全てが動かなくなってしまった木偶人形。
何が目的で、誰が一体こんなことをしてきたのか。
全ての木偶人形が壊れてしまって、これを差し向けてきた人が姿を現わすかと思ったけれど、そんなことも別になく。
まるで何事もなかったかのように、さっきと変わらない静寂が帰ってきた。
とりあえずホッと胸をなでおろしてから、そう言えば私も魔女なんだから、隠れてないで一緒に戦えばよかったと思った時、気付いてしまった。
私、魔法の使い方がわからないや……。
それで尚更不安が伝わってしまったのか、レイくんもまた少しだけ力を入れてくれた。
その手がなんだか頼もしく思える。
何も考えないようにしても、どうしても色んなことが頭をよぎる。
私が知らない私の冒険。もし本当に昔、私が『まほうつかいの国』に迷い込んで、そんな大冒険を繰り広げていたのだとしたら。
私に親友と呼びかけた彼らとはその時出会って、もしかしたら冒険を共にした仲なのかもしれない。
そんな何の根拠もない妄想が頭をめぐる。
でも、かつて私があの世界に行っていたことがあるのなら、向こうの住人である彼らとその時会っている可能性は、十分あるわけで……。
「ねぇアリスちゃん」
答えのない思考が頭の中でぐるぐると空回りしていた時、耳元でレイくんが囁いた。
「今は僕とのデート中だろ? 僕のことだけを考えて欲しいな」
「…………!」
私は思わずドキリと飛び跳ねてしまった。
お、驚いただけ。ボーッとしてる所に声をかけられたから。
吐息が耳にかかって、ビクッとしただけ!
顔がカーっと熱くなる私を、面白そうにクスクスと笑いながら見るレイくん。
こっちとしては全く笑い事じゃないんだけれど、レイくんが私の気持ちを和ませるためにしてくれたことだってことくらいはわかった。
「……あんまり、からかわないで」
「ごめんごめん。アリスちゃんは反応が可愛いからついね」
とても自然にウィンクするレイくんに、またまた顔が熱くなりかけるのを感じる。
何をしてるの私! 相手を考えなさい相手を!
レイくんは決して心を許して良い相手なんかじゃ……。
善子さんのお友達を殺した人。そして私に紳士的に接してくる人。
非情な人のはずなのに、でも温かな心を感じてしまう。
強引で自分勝手なはずなのに、その中に優しさと魅力を感じてしまう。
あまりにも正反対なその一面に、私の心中で信用と疑心がごちゃ混ぜになる。
「自分の気持ちに正直に生きると良いよ」
「え?」
「こう決まってるからとか、誰かがこう言ったからとか、君はそういうことに縛られちゃいけない。君が正しいと思ったように、したいと思ったようにするんだ。周りの人間がいくらそれを否定しても、君にとってはそれこそが正解だ」
それは私の『お姫様』のこと? それともレイくんに対しての気持ちのこと?
みんなが求める『お姫様』に準じる必要はないってこと?
私が思った通りの気持ちこそが、あなたに向けるべきものってこと?
わからない。でもきっと、どちらに取るかもまた私次第。
人の言葉に惑わされず、自分が思った道を行く。自分の目で見て、自分の心で感じたものを信じよう。
それはきっと、私を想う人たちを裏切ることになんてならない。
「ありがとうレイくん。私、信じてみるよ」
何を、とはあえて言わなかった。
けれどレイくんは満足そうに微笑んだ。
今は結論を急がないでおこう。
いつの日かきっと、大切な答えが出てくるはずだから。
凍りつくような寒い夜。
お互いの手を握ることだけが唯一の温もりで、私たちはそれだけを確かに感じて歩き続けた。
別にどこに向かうわけでもなく、ただ気ままに思うままにそこにある道を歩くだけ。
そんな当たり障りのないただのお散歩。
静かな夜には私たち以外、誰一人として姿はなかった。
────と、思っていたんだけれど。
「…………」
不意にレイくんが足を止めて、私は疑問に思いながらそれに倣った。
レイくんが見つめる先は、相変わらずの夜の暗い道。
街灯が照らしているとはいえ、流石に薄暗い。
その道の先に人影があった。
大人の男性くらいの背丈の人影。
それはしばらくその場に佇んでいたかと思うと、カタカタと軽い音と共にゆっくりと近付いてきた。
まるでホラー映画のワンシーンのような光景に、私は思わずレイくんの腕を掴んだ。
僅かに一歩前に歩みだしたレイくんは、私を庇うように立つ。
カタカタ、カタカタ。
まるで木材が固いものに当たるような軽い音。
静かな夜道に響き渡る、そんな音と共に明かりの元に姿を現したのは、人ではなかった。
等身大の木偶人形。木で人の姿を象っただけの人形だった。
木でできたのっぺりしたその姿はとても気味が悪くて、今のこの状況と合わせて、本当にホラーみたいだった。
カタカタ、カタカタ。
気がついてみれば、それは一体だけじゃなかった。
私たちを囲むように、全部で六体の木偶人形が、同じように無機質に佇んでいた。
「レイくん、これ……」
「ずっと誰かに見られているとは思っていたけれど、これはまた随分なご挨拶だね」
これは、尋常な光景だとは到底思えない。
木でできただけの人形が、まるで自分の意思があるかのようにこの場にやってくるわけがない。
これはつまり、何者かの魔法。
「傀儡の魔法か。それにしても随分稚拙だなぁ。こんなお人形遊びで、僕たちをどうにかできると思ってるのかな?」
なんの前触れもなく、突然木偶人形の一体が私たちに飛びかかってきた。
レイくんがそれに向かって手を伸ばすと、木偶人形は見えない壁にぶつかって、かと思うとものすごい勢いで反対の方向へと吹き飛んで、塀にぶつかった。
その衝撃で、木偶人形はバラバラと崩れてしまう。
「まったく、お遊びにしてもあまりにもくだらないよ。一体何の用なのかな」
それを合図にしたかのように、残りの木偶人形が一斉に襲いかかってきた。
周囲から飛びかかってくる木偶人形たちに、レイくんは物怖じもせずに対応した。
二体はさっきと同じように跳ね返して、残りの三体には黒い棘のような物を放つ。
それが胸にの辺りに突き刺さった木偶人形は、そこを中心にバラバラに砕けてしまった。
あまりにもあっけなく、あっという間に全てが動かなくなってしまった木偶人形。
何が目的で、誰が一体こんなことをしてきたのか。
全ての木偶人形が壊れてしまって、これを差し向けてきた人が姿を現わすかと思ったけれど、そんなことも別になく。
まるで何事もなかったかのように、さっきと変わらない静寂が帰ってきた。
とりあえずホッと胸をなでおろしてから、そう言えば私も魔女なんだから、隠れてないで一緒に戦えばよかったと思った時、気付いてしまった。
私、魔法の使い方がわからないや……。
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