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第2章 正しさの在り方
18 救国の姫君
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それからしばらく、また無言の散歩が続いた。
けれど私の手を握るその手の温もりと力強さは、何か言いたげだった。
私の指にしっかりと絡みついて放さない。
女の子らしい細身で柔らかな手。なのに、それはどこか男の子みたいに頼もしくも感じた。
さっきの拒絶は、レイくんを傷つけてしまったのかな。
でも、あのまま身を任せることが正しいとも思えなかった。
だって結局私は、まだレイくんのことを何も知らない。
善子さんの話だと、レイくんを極悪非道と感じてもおかしくはない。
何も語らず友達の真奈美さんに手を掛けたレイくんは、明らかに悪い人だ。
けど、こうして私に接してくるレイくんには、そんな一面は微塵も感じられない。
多少強引で図々しいけれど、とても紳士的で優しくて、王子様みたい。
善子さんとその友達に酷いことをしたレイくんのことを嫌いになりたい自分と、目の前のレイくんを嫌いになれない自分がいる。
どっちが本当なの? どっちが真実なの?
私には全く判断がつかなくて、それ故にレイくんへの態度が定まらない。
私はレイくんを、どう思ったらいいんだろう。
「あの、さ……」
今度は私が沈黙を破った。
言葉を選びながら、迷いながら口を開いた私を、レイくんはゆっくりと待ってくれる。
「レイくんは私に会いに来たって言ってたけど、それは私がその……『お姫様』だからだよね」
「そうだね。それは否定できない。僕はワルプルギスの魔女として、お姫様を迎えに上がった。けれどそれだけじゃないよ。僕はアリスちゃんに会いたかったんだ」
ワルプルギス。魔法使い、魔女狩りに叛旗を翻す魔女のレジスタンス集団。
魔法使いたちと同じように、魔女たちもまた『お姫様』を必要としている。
私個人に会いたかったと言うレイくんの言葉は、今は飲み込んでおこう。
レイくんの甘い言葉に耳を傾けていたらきりがない。
今はそれよりも聞いておかなきゃいけないことがある。
「そのお姫様って何なの? みんな私のことをそう言うけれど、私には全く心当たりがないし。みんなが言うそのお姫様って、一体何なの?」
「そうか。アリスちゃんは何も知らないんだったね」
レイくんは優しく微笑むと、一人で納得したようにうんうんと頷いた。
「僕に教えてあげられることは、話してあげるよ。それでアリスちゃんのモヤモヤが少しでも晴れるなら」
私の手を握る力が少しだけ強くなった気がした。
「先に謝っておくと、僕はその当事者ではないから、細かい経緯は知らない。だから君がどういう遍歴を追ってそうなったのかまでは知らないんだ」
「わかった。レイくんの知る限りのことでいいよ」
どんなに断片的なことであっても、何も知らない今よりは百倍マシだと思うし。
「君は簡単に言えば彼の国────つまり『まほうつかいの国』の救世主なんだよ」
『まほうつかいの国』というのが、あの異世界にある国のことなんだということはなんとなく察しがついた。
というか、それしか想像のしようがなかっただけだけど。
「かつて『まほうつかいの国』には、悪政を敷く女王がいた。そこに迷い込んだ少女が持つ『大いなる力』は、凶悪な女王の魔法を物ともせず、最後は『真理』を下すことで邪悪な女王を打ち滅ぼした。人々は歓喜し、そして魔法使いたちは、その『大いなる力』を持つ少女を、国を治める新しい王として据えることにしたんだ」
「その『大いなる力』って?」
情報量が多くて何から質問していいかわからなかったから、とりあえず手近なところから聞いてみた。
みんなが欲しているそのお姫様の力とは、一体何なのか。
「……残念ながら、詳しいことはわからないんだ。姫君の力については、魔法使いたちによって厳重に秘匿されている。僕らワルプルギスも、上の人たちはその秘密を掴んでいるらしいけれど、僕みたいな下っ端には情報が回ってこないんだ」
レイくんはそう言ったけれど、それに関しては嘘をついているような気がいた。
確信はないけれど、今の言葉の中には誤魔化しが混じっている。そんな気がした。
少しだけ、手を握る力が抜けたから。
でもそれを今追求しても仕方ないし、私は黙って話を聞いた。
「ただわかっているのは、それが魔法の起源に関連していること。そしてもう一つ明らかに有名なのは、姫君の『真理の剣』だね」
それには心当たりがあった。
むこうの世界でD4、D8と戦った時に、私が無意識に握っていた純白の剣。
夜子さんは確かあれに関して、とても小難しいことを言っていた。
「女王を下したのもその剣だという話だよ。数多の世界の中で、一振りしか存在しないであろう対概魔剣だよ」
あんまり難しいことはわからない。夜子さんの説明だって、全く理解できなかったんだから。
ただなんとなく理解したのは、あの剣はどんな魔法をも斬り捨ててしまうということ。
「そうなんだ……じゃあさ。魔法使いたちは新しい王に据えたって言っていたけど、じゃあ何でお姫様なの?」
「それは簡単だよ。相手が少女だったからさ。『まほうつかいの国』は、この国と同じように成人とされるのは二十歳。それまでは男子は王子、女子は姫と呼ばれる。その役割が王だとしてもね」
じゃあ、みんなお姫様とは言うけれど、つまり王様を連れ戻そうとしているってことか。
そう言われると、魔法使いたちにとってそれは確かに大事だ。
一国の王様が不在なら、それは必死に連れ戻そうとするわけだ。
力とは別に、その側面も大分大きいんだろう。
「じゃあ、私は女王様ってこと?」
「形式上はそうなるね。まぁ僕としては、アリスちゃんにはお姫様の方が似合うと思うけど」
爽やかに、さも当然に言ってのけるレイくんに、頰が熱くなるのを感じて私は慌てて頭を振った。
今はそんなことで照れている場合じゃない。一番大事なことを聞かなきゃ。
「えっと、そんなことより────今更だけど、それって私の話をしてるんだよね?」
「もちろん。お姫様であるアリスちゃんの話だよ。今『まほうつかいの国』に於いて、お姫様は君以外ありえない」
「でも、私そんなこと知らないよ? あんな国に迷い込んだことはないし、その悪い女王と戦ったこともない。ましてや、お姫様に祭り上げられたことなんて……」
「それはそうだろうね。迷い込んだ少女が姫君に即位してからしばらくした時、姫君を拐かした者がいた。そいつが君の記憶と力を封じ込めてしまったんだから」
「そんな……!」
なんとも信じられないことだった。
じゃあ私には、私が知らないうちにそんな大冒険をした過去があって、それをすっかり忘れてしまっているってこと!?
にわかには信じられなかった。というか、とても信じられない。
魔法をもう嫌になるくらい体感している私だけれど、私自身に関するその話は、簡単には信じきれなかった。
だって、あまりにも突拍子もなさすぎる。
「信じられないみたいだね。最初に言ったけど、僕はその時の当事者じゃないからね。全てが真実じゃないかもしれない。でも、できる限りは信じて欲しいな」
「そう言われても……」
レイくんには悪いけど、それを信じるのは難しかった。
だってそれを受け入れてしまったら、今までの私を信じられなくなる。
どこからどこまでの私が本当なのかわからなくなる。
レイくん自身が嘘をついていなかったとしても、その話自体に嘘が混ざっているかもしれない。
だってレイくんは当事者じゃないんだから。
深く考えると恐ろしくなってしまうから、今は考えるのをやめた。
いつかきっと本当のことがわかる時が来る。
その時までは、ひとまず考えないようにしよう。
「まぁお姫様────アリスちゃんのことについて僕が話せるのはこのくらいかな。魔法使いも僕たちワルプルギスも、救国の姫君である君の力を欲しているんだ」
「相手を、滅ぼすために……?」
「生きるってことは、誰かを蹴落とすことだからね」
それでも戦いの力になるなんて私は嫌だった。だってどっちも悪くないのに。
ただお互いの在り方を受け入れられないだけで、どちらも悪ではないのに。
レイくんのことは嫌いではなくても、私はやっぱりワルプルギスの力にはなりたくなかった。もちろん魔法使いの力にも。
救国の姫君と呼ばれるのなら尚更、人を傷つけるための力になんてなりたくない。
私の表情からそれを察したのか、レイくんは優しく微笑んだ。
頭を撫でようと手を伸ばして、けれど思い止まって下ろしてしまった。
「僕は君が嫌がることはしないよ。それだけは信じて欲しいな」
その甘い囁きに、私は無言で頷いた。
けれど私の手を握るその手の温もりと力強さは、何か言いたげだった。
私の指にしっかりと絡みついて放さない。
女の子らしい細身で柔らかな手。なのに、それはどこか男の子みたいに頼もしくも感じた。
さっきの拒絶は、レイくんを傷つけてしまったのかな。
でも、あのまま身を任せることが正しいとも思えなかった。
だって結局私は、まだレイくんのことを何も知らない。
善子さんの話だと、レイくんを極悪非道と感じてもおかしくはない。
何も語らず友達の真奈美さんに手を掛けたレイくんは、明らかに悪い人だ。
けど、こうして私に接してくるレイくんには、そんな一面は微塵も感じられない。
多少強引で図々しいけれど、とても紳士的で優しくて、王子様みたい。
善子さんとその友達に酷いことをしたレイくんのことを嫌いになりたい自分と、目の前のレイくんを嫌いになれない自分がいる。
どっちが本当なの? どっちが真実なの?
私には全く判断がつかなくて、それ故にレイくんへの態度が定まらない。
私はレイくんを、どう思ったらいいんだろう。
「あの、さ……」
今度は私が沈黙を破った。
言葉を選びながら、迷いながら口を開いた私を、レイくんはゆっくりと待ってくれる。
「レイくんは私に会いに来たって言ってたけど、それは私がその……『お姫様』だからだよね」
「そうだね。それは否定できない。僕はワルプルギスの魔女として、お姫様を迎えに上がった。けれどそれだけじゃないよ。僕はアリスちゃんに会いたかったんだ」
ワルプルギス。魔法使い、魔女狩りに叛旗を翻す魔女のレジスタンス集団。
魔法使いたちと同じように、魔女たちもまた『お姫様』を必要としている。
私個人に会いたかったと言うレイくんの言葉は、今は飲み込んでおこう。
レイくんの甘い言葉に耳を傾けていたらきりがない。
今はそれよりも聞いておかなきゃいけないことがある。
「そのお姫様って何なの? みんな私のことをそう言うけれど、私には全く心当たりがないし。みんなが言うそのお姫様って、一体何なの?」
「そうか。アリスちゃんは何も知らないんだったね」
レイくんは優しく微笑むと、一人で納得したようにうんうんと頷いた。
「僕に教えてあげられることは、話してあげるよ。それでアリスちゃんのモヤモヤが少しでも晴れるなら」
私の手を握る力が少しだけ強くなった気がした。
「先に謝っておくと、僕はその当事者ではないから、細かい経緯は知らない。だから君がどういう遍歴を追ってそうなったのかまでは知らないんだ」
「わかった。レイくんの知る限りのことでいいよ」
どんなに断片的なことであっても、何も知らない今よりは百倍マシだと思うし。
「君は簡単に言えば彼の国────つまり『まほうつかいの国』の救世主なんだよ」
『まほうつかいの国』というのが、あの異世界にある国のことなんだということはなんとなく察しがついた。
というか、それしか想像のしようがなかっただけだけど。
「かつて『まほうつかいの国』には、悪政を敷く女王がいた。そこに迷い込んだ少女が持つ『大いなる力』は、凶悪な女王の魔法を物ともせず、最後は『真理』を下すことで邪悪な女王を打ち滅ぼした。人々は歓喜し、そして魔法使いたちは、その『大いなる力』を持つ少女を、国を治める新しい王として据えることにしたんだ」
「その『大いなる力』って?」
情報量が多くて何から質問していいかわからなかったから、とりあえず手近なところから聞いてみた。
みんなが欲しているそのお姫様の力とは、一体何なのか。
「……残念ながら、詳しいことはわからないんだ。姫君の力については、魔法使いたちによって厳重に秘匿されている。僕らワルプルギスも、上の人たちはその秘密を掴んでいるらしいけれど、僕みたいな下っ端には情報が回ってこないんだ」
レイくんはそう言ったけれど、それに関しては嘘をついているような気がいた。
確信はないけれど、今の言葉の中には誤魔化しが混じっている。そんな気がした。
少しだけ、手を握る力が抜けたから。
でもそれを今追求しても仕方ないし、私は黙って話を聞いた。
「ただわかっているのは、それが魔法の起源に関連していること。そしてもう一つ明らかに有名なのは、姫君の『真理の剣』だね」
それには心当たりがあった。
むこうの世界でD4、D8と戦った時に、私が無意識に握っていた純白の剣。
夜子さんは確かあれに関して、とても小難しいことを言っていた。
「女王を下したのもその剣だという話だよ。数多の世界の中で、一振りしか存在しないであろう対概魔剣だよ」
あんまり難しいことはわからない。夜子さんの説明だって、全く理解できなかったんだから。
ただなんとなく理解したのは、あの剣はどんな魔法をも斬り捨ててしまうということ。
「そうなんだ……じゃあさ。魔法使いたちは新しい王に据えたって言っていたけど、じゃあ何でお姫様なの?」
「それは簡単だよ。相手が少女だったからさ。『まほうつかいの国』は、この国と同じように成人とされるのは二十歳。それまでは男子は王子、女子は姫と呼ばれる。その役割が王だとしてもね」
じゃあ、みんなお姫様とは言うけれど、つまり王様を連れ戻そうとしているってことか。
そう言われると、魔法使いたちにとってそれは確かに大事だ。
一国の王様が不在なら、それは必死に連れ戻そうとするわけだ。
力とは別に、その側面も大分大きいんだろう。
「じゃあ、私は女王様ってこと?」
「形式上はそうなるね。まぁ僕としては、アリスちゃんにはお姫様の方が似合うと思うけど」
爽やかに、さも当然に言ってのけるレイくんに、頰が熱くなるのを感じて私は慌てて頭を振った。
今はそんなことで照れている場合じゃない。一番大事なことを聞かなきゃ。
「えっと、そんなことより────今更だけど、それって私の話をしてるんだよね?」
「もちろん。お姫様であるアリスちゃんの話だよ。今『まほうつかいの国』に於いて、お姫様は君以外ありえない」
「でも、私そんなこと知らないよ? あんな国に迷い込んだことはないし、その悪い女王と戦ったこともない。ましてや、お姫様に祭り上げられたことなんて……」
「それはそうだろうね。迷い込んだ少女が姫君に即位してからしばらくした時、姫君を拐かした者がいた。そいつが君の記憶と力を封じ込めてしまったんだから」
「そんな……!」
なんとも信じられないことだった。
じゃあ私には、私が知らないうちにそんな大冒険をした過去があって、それをすっかり忘れてしまっているってこと!?
にわかには信じられなかった。というか、とても信じられない。
魔法をもう嫌になるくらい体感している私だけれど、私自身に関するその話は、簡単には信じきれなかった。
だって、あまりにも突拍子もなさすぎる。
「信じられないみたいだね。最初に言ったけど、僕はその時の当事者じゃないからね。全てが真実じゃないかもしれない。でも、できる限りは信じて欲しいな」
「そう言われても……」
レイくんには悪いけど、それを信じるのは難しかった。
だってそれを受け入れてしまったら、今までの私を信じられなくなる。
どこからどこまでの私が本当なのかわからなくなる。
レイくん自身が嘘をついていなかったとしても、その話自体に嘘が混ざっているかもしれない。
だってレイくんは当事者じゃないんだから。
深く考えると恐ろしくなってしまうから、今は考えるのをやめた。
いつかきっと本当のことがわかる時が来る。
その時までは、ひとまず考えないようにしよう。
「まぁお姫様────アリスちゃんのことについて僕が話せるのはこのくらいかな。魔法使いも僕たちワルプルギスも、救国の姫君である君の力を欲しているんだ」
「相手を、滅ぼすために……?」
「生きるってことは、誰かを蹴落とすことだからね」
それでも戦いの力になるなんて私は嫌だった。だってどっちも悪くないのに。
ただお互いの在り方を受け入れられないだけで、どちらも悪ではないのに。
レイくんのことは嫌いではなくても、私はやっぱりワルプルギスの力にはなりたくなかった。もちろん魔法使いの力にも。
救国の姫君と呼ばれるのなら尚更、人を傷つけるための力になんてなりたくない。
私の表情からそれを察したのか、レイくんは優しく微笑んだ。
頭を撫でようと手を伸ばして、けれど思い止まって下ろしてしまった。
「僕は君が嫌がることはしないよ。それだけは信じて欲しいな」
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