パワハラ女上司からのラッキースケベが止まらない

セカイ

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第7話 黄金色の渓流

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 うちの会社は定時が十八時なので、作業が完了した二十一時の時点で三時間の残業だった。
 その後三十分近く肩を揉まされ────揉まされたんだ────それからオフィスの片付けをして。
 会社近くの居酒屋の席に着いた時には、既に二十二時を越えていた。

 俺が一人暮らしをしているアパートは会社から結構近いので、終電はかなり遅い方だ。
 とはいえ、重ねて金曜だとはいえ、過酷な残業の後に飲み連れていかれるとは思っていなかった。

 しかし考えれば十二分にあり得た展開ではある。
 椿原部長は酒が好きなのだ。週末は部署での飲み会になる確率が高い。
 それでも残業後、しかも俺だけを伴ってというのはなかなか珍しい、というか初めてのパターンだ。

「草野くん、わかってるの? あなたもう入社して半年以上経ってるんだから、いい加減シャンとしなさい。その調子だとあなた、一生使えないやつのままよ!?」

 椿原部長はグラスのビールをグイッと飲み干して、乾杯後から始まるお小言を途切れさせず続ける。
 俺が大人しくハイハイと頷いていると、「グラスが空ですけど?」とお酌を強いてくる。
 それに応えて瓶ビールを注げば、部長は調子よさそうにまたお小言に戻るのだ。

 おおよそいつも通りだ。
 サシ飲みだから、もしかしたらちょっと違った雰囲気になるんじゃないか、という気持ちもないではなかったけど。まぁこうなる。
 椿原部長と飲みに行くと、一番下っ端の俺は隣でこまめにお酌や世話焼きを命じられ、そしてくどくど説教を聞かされるのだ。

 業務時間外にご奉仕しているのに、その結果長々と叱責されるという、なかなかの恩を仇で返す、って感じだ。
 そしてもちろん、俺にめっちゃ飲むように促してくる。
 俺のグラスが半分以上空けば透かさず注ぎ足してくるし、減っていなければ注ぐから飲んで減らせと言う。

 椿原部長が飲むビール瓶は俺の元にあるが、俺に飲ませるビール瓶は部長の元にある。
 ならもうお互い自分で注いで各々のペースで飲もうよと思うが、なかなかそうはいかないのだ。

「本当、なってないわ。最近の若い子がじゃないわよ? あなたが、なってないの」

 椿原部長のお小言は普段から多いけれど、酒が入ると更に饒舌になる。
 しかも業務中じゃないから止まるきっかけも理由もないので、延々と続くのだ。

「こういうことはあんまり言いたくないけど、私が若かった頃はもっとねぇ……」
「いやぁ、部長はまだまだお若いじゃないですかぁ」

 ところどころで相槌以外の言葉を挟んでおかないと文句を言われるので、適当なタイミングでおだてておく。
 椿原部長は「あなたに言われてもね」とこぼしながらも、ちょっと嬉しそうだった。

「とにかく頼むわよ! あなたがちゃんとしてないと、私の評価だって下がるんだから!」

 さりとてお説教が終わるわけではない。
 普段なら先輩方が周りにいるから、要所要所で違う話題になったりして平和な時間があるんだけれど。
 椿原部長との二人きりとなれば、もうこの人を止められる者は誰もいないのだ。

 しかも今日通された席は掘り炬燵の個室席だった。
 閉塞感があるし身動きは取りづらいし、そして二人きりだし。
 普段以上に逃げ場がないというか、部長の圧迫感がある。

 そして今となってはその圧迫感も雰囲気だけの話ではない。
 最初こそ普通に向かい合って座っていたのだが、どこかのタイミングで椿原部長は俺の隣にやってきて、詰め寄ってきたのだ。
 壁に追いやられた俺は、間近で部長のプレッシャーを受ける形になってしまった。

 しかしまぁそれ自体はそんなに問題じゃない。
 席に着いてジャケットを脱いだ椿原部長は白シャツの姿で、普段よりもそのボディラインがくっきりとしている。
 その主張の強い巨乳の柔らかな丸みや、いかにシャツをパツパツにいじめているかがよく窺えるのだ。

 それにジャケット越しだとよくわからないけれど、胸のトップで突っ張ったシャツの、スカートに仕舞われた裾までのテントが凄まじい。
 その中の空洞と、それに覆い隠された下乳の奥深さを想像すると、まぁ色々と妄想が止まらない。

「なんか、暑くなってきたわねぇ」

 そんなことを考えながら、淡々とお酌しお説教を聞き流してしばらくのこと。
 椿原部長はそんなことを言い出した。お顔を見てみれば、珍しく結構赤くなってきている。
 部長は酒には強い方みたいだから、今まで過度に酔っ払ったり、それで乱れている様子は見たことがなかったんだけれど。

 サシ飲みで俺への説教を止めるタイミングがなかったせいで、酒が進み過ぎてしまったんだろうか。
 説教を酒の肴にされても困りものだけれど、まぁ俺もドンドン注いじゃったしなぁ。
 赤くなって気持ちとろんとした感じの椿原部長は、普段のキリリとした雰囲気とのギャップが強く、かなり色っぽかった。

「店の空調少し下げてもらってきましょうか?」
「いいわよぉ、他の人に迷惑でしょ」

 そういうことまでちゃんと考えなさい、としっかりお小言を忘れずに、しかし暑そうに手で顔を扇ぐ椿原部長。
 外で涼みましょうとか言ってそろそろお開きに持っていけるだろうか。
 週末とはいえ、今日は一刻も早く帰って休みたい。

「なっ……!」

 そんなことを考えていた時のことだった。
 椿原部長が唐突にシャツのボタンを外し始めた。
 一つ、二つとその拘束が緩むたび、ぷるぷるとその内側が震えるのがよくわかる。
 部長自身は二つまでに止《とど》めたが、三つ目のボタンは先ほど張ち切れて糸がほつれ、宙ぶらりんになっているやつだった。

 今にも事切れそうなか細い糸が一本、内側からの圧力に弾け飛ばされそうなボタンを懸命に支えていた。
 もう勘弁してあげてほしい。もう十分すぎるほど頑張ったよ、ソイツ。

 実質的に三つのボタンを解放した椿原部長の胸元は、その中身が溢れかえりそうだった。
 透き通るような白い肌はパツパツと張りながらも柔らかそうに滑らかで、その中心には深い谷間がくっきりと刻まれているのがよく見えた。

 Y字の谷間は作り物で、I字こそが天然の谷間だなんてことを聞いたことがあるけど。
 まさにその通りだった。アイドルとかのグラビアで見る谷間とはわけが違う。
 切り込みの深みが違うというか、奥行きが違うというか。
 もはや圧巻と言う他なかった。

「ほらぁ、まだ飲むわよ。早く注いで」

 もう憚ることを忘れてその胸元を凝視してしまった俺に、しかし椿原部長は気にせずにそんなことを言って距離を更に詰めてきた。
 俺に見られているどころか、自分が何を晒しているのかもあまり理解していないのかもしれない。
 喋り方が若干舌足らず気味になってきているし、目もだいぶトロンとしている。

「ねぇ、はやくしなさいよぉ」
「ッ…………」

 俺が目の前の暴力に戸惑っていると、椿原部長は不機嫌そうに唸った。
 それと同時にタックルでもするかのように肩を寄せ、身体をピッタリとくっつけてきた。
 その衝撃で部長の胸が揺れ、遅れて俺の腕に柔らかくぶつかる。

 それもなかなかに衝撃だったけれど、畳に置いていた俺の手が椿原部長の尻に下敷きにされたのもとんでもない事件だった。
 ぷりんとした尻はほぼ全体重を俺の手に押しかけているのに、滑らかな柔らかさはその重圧をまるで感じさせない。
 胸の沈みゆくような柔らかさとは違う、押し返すような弾力を持った柔らかさに、頭がピリピリと痺れる。

 そんな状態で注げ注げとせっつかれたら、もう思考を介さず無心で応えることしかできなかった。
 俺は手の甲に一点集中される尻の弾力と、すぐ真横でぷるぷると揺れる胸の気配に意識を侵されながら、なんとかお酌をする。

 これが色仕掛けじゃないっておかしいだろう。
 手を出しちゃダメとかもうただの拷問だろう。
 やっぱり全部意識的で、これこそが本当のハラスメント、逆セクハラとかなんじゃないのか!?

 あまりにも挑発的な椿原部長に俺の頭ではそんなことばかりがぐるぐる回って。
 そのまま部長をひん剥いて、余計なことは何も考えずに欲望のままになれたらどんなに楽だろうかと、できもしないことを妄想する。

 そんな時。突然隣から小さな悲鳴が上がった。

「ちょッ……ぶ、部長……!?」
「んん……こぼしちゃったぁ……」

 椿原部長の胸元がビシャビジャに濡れていた。
 今俺が注いだビールを飲もうとして、ひっくり返して盛大に被ってしまったようだ。
 しかし本人はあまり気していない、いやできていないで、ちょっと消しゴム落としたみたいな気楽さだ。

 ただ、かなりの大問題が起きているのはもはや言うまでもない。
 ビールをがっつり被った椿原部長の白シャツは、びちょびちょに濡れて完全に透けてしまっていた。
 その下に着ているであろうインナーもまた濡れそぼり、その更に下、真っ赤なブラジャーまでもが透けて見えている。

 今日のパンツと同じ色。同じ意匠の刺繍も見て取れた。
 曝け出された胸元と、透けシャツによって浮き出た赤いブラジャーで、もう椿原部長の胸の形がきっちりと見てわかる。改めて、でっかい。

 これだけでも目のやり場に困る大問題だったんだが、更にとんでもないことも起きていた。
 椿原部長は胸元にダイレクトにビールをひっくり返したようで、濡れているのは胸ばかり。
 そうして胸にかかったビールがまだ、衣服へと及ばずに胸元に残っていたのだ。具体的には谷間に。

 椿原部長の谷間に、三角形のビールの池ができていた。
 まるでその奥底から湧き出てきたみたいに、黄金色《こがねいろ》の輝かしい液体が、魅惑の渓流を作り出している。
 わかめ酒なんていう変態プレイがあるけれど、これはその巨乳バージョンということか。

 椿原部長の身じろぎに合わせて胸が揺れ、それに合わせて池が波打つ。
 この光景、もう犯罪だろう。誰か取り締まってくれ。

「椿原部長、その、おしぼり……拭いてください」
「うーん……ありがとう……」

 かなり酔っ払っているご様子で、椿原部長は俺から受け取ったおしぼりで、なんだかたどたどしく胸元を拭い出した。
 俺に見られている意識がないのか、谷間にもぐいぐい手を突っ込んで拭いたりしている。
 もしかしたら俺が拭いてあげても怒られなかったかもしれないと、ちょっぴり後悔した。

 ここまでくると、自分がなんで我慢しているのかわからなくなる。
 理性と倫理観を持っている俺の方が間違っている気がしてきた。

「ほらぁ、草野くん……私のグラス、空だけどぉ?……早く注ぎなさいよぉ」
「ダメに決まってるでしょ! もう帰りますよ!」

 適当に胸元を拭い終えた椿原部長は、何事もなかったように酌を要求してくる。
 多少拭ったところで服は、特に胸元がビチョビチョの透け透けなのだから、はっきりいって何も解決していない。
 普段はめちゃくちゃムカつく人ではあるが、そんなあられも無い姿を晒している人を放任できるほど俺も堕ちてはいなかった。

 俺はまだ中身の残るビール瓶を、椿原部長と反対方向に押しやり断固拒否を示す。
 痴態を晒すだけならまだしも、吐いたり奇行に出るまで悪酔されちゃたまったものじゃ無い。

「まだ飲めるわよぉ……私の言うこと、聞けないわけぇ?」

 もはやうわ言のように言って、椿原部長はビール瓶へと手を伸ばす。
 しかしもう前後不覚なのか、俺に倒れ込むような感じで押し寄せてくる。
 身体全体で向かってくる部長の胸が、俺の腕にむにっと押し付けられ、しかも双方から挟み込まれた。

 椿原部長が手を伸ばしてうんうんと唸るたび、俺の腕は深い谷間へとぐいぐいと押し込まれ、とろけるような柔らかさに甘噛みされる。
 包み込まれるような乳圧に、体の力が入らなくなっていくのを感じた。
 部長を押し留めたい理性と、この感触に全てを委ねてしまいたい本能がバチバチと後を立ててせめぎ合う。

 ただもう、俺の理性に戦う気力は残っていなかったらしい。

 部長の力自体は全然強く無いのに、俺は押し負けてしまった。
 コテンと反対側に倒れた俺の上を、まるで這いずるように進行する椿原部長。
 当然俺の腕を挟み込んだ二つの乳房は、そのままズリズリと柔らかく、重たく弾力を持って擦り付けられるのだ。

 そしてその手がビール瓶に届かんとした、その時。
 突然俺の視界が真っ暗になり、続いてドシッとした衝撃。
 椿原部長が俺に覆い被さり、倒れ込んできたのだ。

 そして俺の顔面は、たっぷんとした二つの大きな膨らみに覆い潰されたのだった。
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