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君が、私を、目覚めさせた

気合いを入れて

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目が覚めて真っ先に『暗闇写し』を確認する。あんなにハッキリと映っていたというのに今はもう何も見えないそれを見て、ヴィオレットは溜息を吐いた。

『暗闇写し』は何故あの景色をヴィオレットに見せたのだろう。あの後マリーゴールドはどうなったのか。無事でいるのか。ヴィオレットには分からない。だが、ヴィオレットのやることは変わらない。

「必ず助けるから。」

ヴィオレットは誰に聞かせるでもなくそう呟くと、目を閉じぐっと背伸びをする。
次に目を開けた時には迷いは消えていた。

『暗闇写し』をしまい、部屋を出る。
まずは腹ごしらえをしなければ。

























「おはよう、みんな。」

食堂には既に仲間たちが各々好きな席に座り朝食を摂っていた。
挨拶をすれば、それに応えが帰ってくる。

ヴィオレットもカウンターから朝食を受け取り好きな席に座る。こんがり焼かれたトーストにしょっぱめのスクランブルエッグ、パリパリのソーセージにマヨネーズの濃いポテトサラダ。実に朝食らしい朝食だった。

「…納豆食べたい。」

美味しい料理を前にヴィオレットは小さく呟く。いつかヴィオレットがマリーゴールドにした話を、マリーゴールドは覚えているだろうか。
案外食べる事が大好きな彼女が目を輝かせていたことを思い出す。
全てが終わったら。
全てが終わって、また一緒に居られたら、世界中を探しに行こう。
そして、2人で沢山食べるのだ。美味しいものも、不味いものも、2人ならきっと楽しく食べられる。

「ごちそうさまでした。」

美味しいね、ヴィー。

そう言ってふにゃりと笑うマリーゴールドが見たい。
そのためにヴィオレットは頑張るのだ。おはようもおやすみもありがとうもごめんなさいも沢山沢山聞いてきたし、言ってきた。
終わりの時は自分にあると思っていたから、後悔は無くて。
マリーゴールドは、同じことをしただけだと笑うだろうか。


今はただ、彼女のただいまが聞きたい。
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